コーヒーをもっと趣味に

練乳を使ったカフェオレの飲み方

練乳を使ったカフェオレの飲み方

コーヒーに練乳を入れる方は、どのくらいいらっしゃるでしょうか?ひとによっては、練乳というといちごミルクやかき氷のイメージが強く、コーヒーとは結び付かないかもしれません。一方で、MAX COFFEEのように練乳とコーヒーの組み合わせを好む方もいるでしょう。

実は意外と相性の良い練乳とコーヒーの関係について、ここではお話ししたいと思います。

練乳のメリットとデメリット

コーヒーの飲み方 練乳

コーヒーの風味を打ち消す

練乳は、牛乳を2倍に濃縮したものですから、コーヒーの風味を打ち消すほど濃厚です。有名なものでは「MAX COFFEE」のように、どちらかというとスイーツに近いようなコーヒーに仕上がります。

これは、コーヒーの苦みを打ち消して、飲みやすいカフェオレに仕上がるというメリットがあります。しかしその反面、コーヒーらしさを失ってしまうというデメリットも有しています。

重みがある

練乳は、その濃厚さゆえに重みがあります。そのため、多く注ぎすぎてしまうと、重くなって飲みづらくなってしまいます。しかし一方で、その重みはコーヒーを円やかにしてくれます。

後ほど詳しくお話ししますが、練乳は「使う量」が重要なポイントになります。

無糖より加糖練乳

無糖練乳でカフェオレを作った場合、ただ重たいだけのカフェオレになってしまい、ただ飲みづらいだけのヘビーなカフェオレになってしまいます

一方で、加糖練乳を用いることで、重さが甘さとマッチして飲みやすいカフェオレになります。

濃いコーヒーとの相性

コーヒーの飲み方 コーヒー

≪今回の豆と抽出方法≫

  • コーヒー豆:マンデリン・トバコ(フレンチロースト)
  • 抽出器具 :モカエキスプレス

コーヒーのコクと練乳の重みが混ざり合うことで、強い重みを有したカフェオレに仕上がります。

苦みの強いコーヒー豆を選ぶことで、苦みやスモーキーな風味が円やかさの中に僅かに漂う、立体的なコーヒーが楽しめます。また、コクの強いコーヒーであれば、円やかさと溶け混ざりコッテリしたコーヒーに仕上がります。

コクを出したいなら深煎り

濃いコーヒーの中でも、特にフレンチローストやイタリアンローストなどの深煎りコーヒーに加えると、ほんのり個性を感じるカフェオレに仕上がります。

これらの豆を用いたコーヒーは、まったりした練乳の風味の中に、わずかにスモーキーさや苦みが漂います。この漂う風味が練乳を引き立てて芳醇な風味に仕上げてくれます。

この風味を引き立てたいときは「コーヒー:練乳=7:3」くらいがオススメです。

穏やかなコーヒーとの相性

≪今回の豆と抽出方法≫

  • コーヒー豆:ブラジル・キャラメラード(ハイロースト)
  • 抽出器具 :HARIO V60ドリッパー

まったりした練乳と穏やかなコーヒーを組み合わせると、こちらも予想通りに、かなり円やかなコーヒーに仕上がります。特徴としては、他のコーヒーより練乳のまったりさが強調されたカフェオレに仕上がっています。

また、ハニーコーヒー(パルプドナチュラル)の場合、コーヒーが持つ甘みがかき消されてしまい、練乳の甘味に取って代わる点には注意です。穏やかさを引き立てたい時は、「コーヒー:練乳=8:2」程度がオススメです。

この緩さは、家族団らんや夜のゆったりした一時に、ちょうど良いカフェオレになるでしょう。

明るいコーヒーとの相性

≪今回の豆と抽出方法≫

  • コーヒー豆:イルガチェフェ・コチャレN(ミディアムロースト)
  • 抽出器具 :フレンチプレス

明るい風味を持つコーヒー豆の特徴はとても繊細なため、インパクトの強い練乳と混ぜると、その個性がかき消され負けてしまいます。もはやコーヒーではなく、「コーヒー“っぽい”風味のする練乳」になってしまいます。

ただし、コーヒーの明るさは、練乳のコクと中和され、程よい重さになります。また、コーヒーらしさ(苦みやコク)が消えるため、コーヒーが苦手な方には、かなり飲みやすいカフェオレに仕上がります。

酸味には有効!?

なんと練乳の濃厚さは、もはや酸味すらかき消してしまいます。

酸味系コーヒーの代表格イルガチェフェ(ナチュラル)ですら、その個性たる明るさと酸味が感じられません。

通常のミルクでつくるカフェオレは酸味を隠し切れず、中途半端orバランスに欠けたカフェオレになりがちです。しかし練乳は酸味ごと包み込んでくれるため、酸味系の明るいコーヒーには有効かもしれません。

練乳と言えば……ベトナムコーヒー!

コーヒーの飲み方 ベトナム

練乳を用いたコーヒーと言えば、最も有名なものがベトナムコーヒーです。

専用のドリッパーを用いて濃く抽出したコーヒーに、甘~い練乳を加えるところが特徴です。

ベトナムコーヒー専用のドリッパーは、安くて扱いも簡単なので、練乳が手元にある方は一度試してみてください。

ベトナムコーヒー

練乳を使ったアレンジコーヒー

練乳を用いたアレンジコーヒーは、他にもたくさんあります。

例えばコーヒーと紅茶と練乳を混ぜた「鴛鴦茶(えんおうちゃ)」や、黒砂糖との相性にも優れています。いろいろなバリエーションで練乳とコーヒーの組み合わせを楽しめるのが、練乳の面白いところです。

ぜひ練乳で甘い一時を過ごしてみてはいかがでしょうか?

鴛鴦茶(えんおうちゃ)の作り方【世界の不思議なコーヒーレシピ】

練乳黒糖ミルクコーヒーの作り方【フレーバーコーヒーのレシピ】

About the Author

汐井有

モットーは専門化したコーヒーについて、詳細を伝えつつ噛み砕いた説明で興味を持ってもらうこと。 専門的な記事と解りやすい記事の両方を書こうと思っています。