コーヒーの専門用語や、コーヒーにまつわる言葉を紹介していく当コラム。今回も引き続き「た行」のコーヒー用語を見ていきます。
鄭永慶(ていえいけい)
「鄭永慶(ていえいけい)」とは、明治時代に活躍した実業家の名前です。留学経験のある彼は、外務官や英語の教師を勤め上げた後に、日本発の本格的な喫茶店「可否茶館」をオープン。現在の日本のカフェ文化の礎を築いた人物として語られています。
低温ドリップ
「低温ドリップ」とは、一般的に水出しコーヒーのことを言い、熱湯を使わず水で長時間かけてコーヒーを抽出する方法です。コーヒーは高温の湯で淹れることで、コーヒー豆に含まれる“雑味”までもを抽出してしまいます。低音の場合、淹れるのに時間がかかってしまう反面、美味しくない苦味などの雑味の無い抽出をすることができます。
低音ドリップは、もともとはインドネシアで苦味の強いロブスタ種を美味しく飲むために考案されたものだと言われています。
テイスト
コーヒーの“味”全般のことを指します。コーヒーの味を決定づける要素としては、苦味・甘味・酸味・塩見・旨味が挙げられ、これらが総合的に混じり合って1つの「テイスト」を作ります。
テイストホイール
コーヒーのテイストを1つの円形上にした表を「テイストホイール」といいます。コーヒーの味を厳密に定義づけるために用いられ、細かな味の違いが記されています。まれに喫茶店に飾られたりしているので、見つけたら目に留めてみてください。
ティピカ種
コーヒー豆の品種の1つで、アラビカ種の中でもっとも古い品種です。甘味と酸味に特徴があり、なめらかな口当たりです。中南米で栽培されていた品種ですが、大敵の“さび病”に弱く生産数が少ないのが難点。現在ではその生産性の低さからか、単一で扱っているケースは少なく、基本的に他の種と混合されて流通している場合が多いです。
ディフェクト
コーヒー豆が抱える欠点。ディフェクトは、収穫から輸送、保管までの過程で生じる何かしらの問題が原因で発生します。一種類の特徴的な欠点を指すのではなく、総合的な欠陥をディフェクトと表現します。
ティント
もともとは「墨」という意味を持つ単語で、コーヒー業界では「ブラックコーヒー」のことを指します。コロンビアで「カフェ」と注文するとミルク入りのコーヒーがオーダーされてしまうそうで、注文時にブラックのコーヒーを頼む時は「カフェ ティント」と言うのだそうです。
デガッシング
焙煎したコーヒー豆からガスを抜くプロセスを「デガッシング(Degassing)」と言います。焙煎豆は二酸化炭素を含んでいるため、デガッシングを行わないと風味を損ねることにもつながってしまいます。
デカフェネイション
コーヒー豆からカフェインを抜き取ることを「デカフェネイション(Decaffeination)」と言います。デカフェネイションを行なったコーヒー豆には、ほとんどカフェインが含まれておらず「デカフェ」として販売されています。
データロガー(データロギング)
コーヒー(特に焙煎)に関するデータを計測する機械のこと。データロガーを使うことで、人間の目には判別できない細かな部分まで状態を測ることができます。また、データロガーを使ってデータを収集することを「データロギング」と言います。
デリケート
コーヒーの風味を表現する際に使われる言葉。上品で、香り高いコーヒーの風味を表すときには「デリケートな」と言います。
デミューシレージ
コーヒーチェリーから豆を生成する際のぬめりを除去する工程のこと。ネバネバしたパルプの部分を「ミューシレージ」と言い、機会によって削ぎ落とすことを「デミュージレージ」と言います。