コーヒーの歴史に関して紹介していく当コラム。今回は、コーヒーの栽培に関する歴史を見ていきましょう。いつ頃、どこで、どのようにしてコーヒーの栽培は始まったのでしょうか。また、コーヒーという名の語源も栽培に関係しているようです。
コーヒー発祥の地エチオピア
世界で最初に栽培されたコーヒーは、エチオピアが原産の“アラビカ種”であると言われています。エチオピアを始めとする、自然林が生え茂っていた地域(ケニアやタンザニアなど)では、コーヒーを実らせるコーヒーノキが自然繁殖していたそうです。
栽培が始まったのは16世紀という説が濃厚ですが、それ以前にもコーヒーが飲まれていた(食べられていた)とされる文献、証拠は残っていますが、栽培を決定づけるものは見つかっていません。
コーヒー栽培の始まりとコーヒーの語源
コーヒーは、イエメンの山岳地帯で栽培が始まったと言われています。
エチオピアからイエメンにコーヒーが伝わった経緯は正確にはわかっていませんが、エチオピアの「カッフア」「ハラール」という地域のコーヒーノキが使われていたと考えられています。この「カッフア」という地名が“コーヒー”の語源であるという説もあるそうです。
オスマン帝国でのコーヒー普及
コーヒーの栽培がはじまったのは、オスマン帝国でのコーヒー普及が背景にあると考えられています。
時のオスマン皇帝であるアフメト1世の声明により、イスラム世界でコーヒーの飲用が認められると、イスラム世界では聖地メッカにある「ザムザの泉」とコーヒーは同等の効力があるものとされました。それ以降、コーヒーは“黒いザムザの水”として愛飲されるようになったのです。
コーヒーのオリジナル品種とは?
世界で愛飲されているコーヒーの中で、もっとも“オリジナル品種”に近いものは何だと思いますか?
現在まで、味の品質向上や生産性のため品種改良が重ねられ、あらゆるコーヒー豆の品種が生まれましたが、一番“オリジナルのコーヒー”に近いのは「ティピカ種」だとされています。次いで、そのティピカ種がブルボン島に移植され突然変異を起こしたものがブルボン種です。
コーヒーの語源はエチオピアの地名「カッファ」
コーヒーの栽培とコーヒーの語源に関して見てきました。オスマン帝国でのコーヒー普及に対して、イエメンで栽培されたコーヒーが供給されていたようですね。
コーヒー発祥は様々な噂や伝説が混ざり合い、正確なものがわかっていません。世界で最初に栽培された“オリジナルのコーヒー”に近いとされる「ティピカ種」のコーヒーを飲む際、この話を思い出してみて下さい。
歴史を知った上で飲めば、きっと今までとは味わい方も変わってくるのではないでしょうか。