コーヒーをもっと趣味に

カッピングにおけるディフェクトとは

カッピングにおけるディフェクトとは

カッピングと呼ばれるコーヒー豆の風味を評価する作業をご存知ですか?カッピングは、コーヒーの魅力を探る作業でもあり、コーヒーの欠点を見つける作業でもあります。今回は、カッピングにおける「ディフェクト」についてご紹介します。

ディフェクトとは

ディフェクト(defect)とは、欠点・欠陥・弱点という意味で、コーヒー業界においては欠点豆や、風味の欠点のことを指します。ディフェクトには、風味に悪影響を与えてしまうものや焙煎の均一性を崩してしまうものなどがあります。

香りに影響を与えるディフェクト

コーヒーの魅力である香りに影響を与えるディフェクトは、生豆にカビが繁殖した「カビ豆」、未完熟豆の「ヴェルジ」、ヨード臭やリオ臭がする「コッコ」、豆の内部まで発酵が及んでいる「発酵豆」、害虫によって穴のあいた「虫食い豆」などがあります。

ディフェクトは生豆の状態でわかりやすいものもあれば、焙煎しなければわかりにくいものもあります。また、焙煎後のカッピングをしなければ発見できないものもあります。

焙煎に影響を与えるディフェクト

コーヒーの味の要となる焙煎に影響を与えるディフェクトは、乾燥ムラのため欠けてしまった「欠け豆」、発育不良で小さいまま収穫された「小さい豆」、異常交配などで空洞がある「貝殻豆」などがあります。

通常の豆とサイズの違いがあると、焙煎ムラができてしまいコーヒーの均一性に欠けてしまいます。できるだけ、同じスクリーンサイズの豆で焙煎を行うことが、美味しいコーヒーを淹れるための大切な要素となります。

カッピングとは

カッピングとは、コーヒー豆の風味を評価する作業で、コーヒーの素晴らしさや魅力を探る一方で、コーヒーの風味を邪魔する欠点や汚れなどを見つける大切な作業です。

1カップでも欠点があるとだめ?

カッピングは、コーヒーの均一性を評価するために1種類の豆につき5カップ行います。5カップ中1カップでも欠点が見つかると、そのコーヒー豆には厳しい評価がくだされ、買い付けの段階で取引価格も低くなります。1カップでも欠点があるとダメージが大きいのがコーヒーなのです。

ナチュラルはディフェクトが多い?

コーヒーの精製方法の中でも「ナチュラル」は、コーヒーチェリーを天日乾燥するため、異物の混入や乾燥ムラが起こりやすく、ウォッシュドに比べてディフェクトが多く発生するといわれています。

また、生産国の格付けにおいても、ディフェクトの混入割合が異なるので、産地情報について知っておくこともひとつの目安となります。

カッピングにおけるディフェクトとはまとめ

カッピングは、コーヒーの魅力を発見するための作業であり、ディフェクトチェックの最後の関門です。ここで致命的なディフェクトを発見し取り除くことができれば、そのコーヒーはより美味しいものへと生まれ変わります。

コーヒーのディフェクトは、収穫・精製・焙煎の工程で除去されていきますが、完全に無くすことは難しく、生産国によってはディフェクトを重視していない国もあります。まだまだ世界共通とはいかないディフェクトに対する考え方ですが、どのようなものがコーヒーの風味を邪魔するのかについては知っておくことは大切ですね。

About the Author

AMIAMI

愛知県生まれ。親族がコーヒー卸売業を営み、幼少より喫茶店とコーヒーに親しみがある。ブラジルコーヒー鑑定士・SCAAカッピングジャッジなどの受講経験、焙煎経験あり。コーヒーは焙煎したてより、寝かせてから飲みたい派。猫と、物作りが好き。