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【イエメン】モカ・ハラーズ・アリジ

【イエメン】モカ・ハラーズ・アリジ

イエメン産のモカは、野性味や爽やかな風味から独特なイメージが強いです。「欠点豆が多いな」という印象もありますよね。

そんなイメージを覆すのが、今回のハラーズ・アリジです。他のイエメン産モカと比べると、群を抜いて欠点豆が少ないのです。だからこそ、従来のモカとは、異なる風合いを帯びたコーヒーに仕上がっています。

「モカ・ハラーズ・アリジ」は、こんなコーヒー。

  • 今回の焙煎:シティロースト

香り

  • フレグランス(豆の香り)
    干しりんごや桃のような甘い芳香
  • アロマ(コーヒーの香り)
    甘い果実感にカカオらしさを感じる香り

風味

  • 雑味が少なく、クリーンなイエメン産モカ
  • 甘みが強く、酸味が弱め

こんな時にオススメ

  • 飲みやすいモカコーヒーを飲みたい時
  • 読書の時に
  • 欠点豆が嫌いな方

モカ・ハラーズとは

モカ・ハラーズ(Mocha Haraaz)とは、イエメン産のモカコーヒーです。似た名前にエチオピア産のモカ・ハラー(Mocha Harrar)がありますが、これは別物です。

さて今回のモカ・ハラーズは、イエメンの首都サナアの西に位置している、ハラズ地区(Haraz)で生産されています。この地区はハラズ野生動物保護区に指定されており、環境の良い生産地域なのです。

今回はそのハラーズの中でも品質の良い「アリジ社(Al-Ezzi)」から出荷されたコーヒーを紹介します。このアリジ社のコーヒー豆は、海外では“Red Haraaz”として好評を博しており、名前の通り赤く完熟したモカ・ハラーズを集めた品質の高いコーヒーです。

どうやって飲む?

ハラーズ・アリジの特徴は、その品質の高さです。

通常のモカは欠点豆が多く、またそれが独特の野性味を帯びた風味を醸し出しています。しかし、ハラーズ・アリジは品質が高いため、豆本来の味を堪能できる一方、野性味にやや欠けています。

そのため、淹れる際も、通常のモカとは少し異なる点を考慮する必要があります。ざっくりと、以下のような感じで考えてもらえると良いのではないかと思います。

 

  • 品質の高さを楽しみたい → ペーパードリップ
  • 甘みを存分に味わいたい → ネルドリップ
  • モカらしさを堪能したい → フレンチプレス

 

それでは、各々のレビューに移っていきましょう。

ペーパードリップ:透明でキレのあるモカ

モカフレーバーがしっかりと感じられますが、品質の高さやペーパードリップのキレの良さから、モカ特有の雑味は弱めの傾向にあります。そのため野性味を求めている方は、物足りなさを感じてしまうかもしれません。

一方で余計な風味が無いため、チョコレートらしいモカ特有のテイストは、しっかり堪能することが出来ます。また余韻は酸味を含んだ爽やかさがあり、ここでもモカフレーバーらしさを楽しめます。

オススメの抽出方法(HARIO V60ドリッパー)

  • 豆の分量:一杯当たり12g(一杯120mlで計算)
  • 挽き具合:中挽き
  • 抽出温度:83℃

ネルドリップ:甘い桃のモカ

モカらしさがあるのですが、それ以上にネルの柔らかさが良く出ているコーヒーです。その最たるものが、完熟した桃のような甘さと明るい酸味です。一瞬ですが、イエメン産のモカなのかなと疑ってしまいます。加えてモカらしい(?)雑味が無いためなのか、想像以上に甘く滑らかなコーヒーに仕上がっています。

ただ爽やかな余韻やモヤっとしたテイストが残っている辺りは、確かにイエメン産モカだなと思わせてくれる箇所が垣間見えます。どこかモカであって、従来のモカではないコーヒーのようです。

オススメの抽出方法

  • 豆の分量:一杯当たり12g(一杯120mlで計算)
  • 挽き具合:中挽き
  • 抽出温度:83℃

フレンチプレス:アリジらしさが出る一杯

フルーティーらしさ、カカオらしさの溢れるテイストです。他の淹れ方よりモカだなという感覚は強く感じられるでしょう。

完熟感のある甘み、ハーブのような爽やかさ、滑らかなコク、ほんのり感じる酸味など、様々な風味がモカらしい複雑さを醸し出してくれています。もちろん雑味は弱めですが、この多様さが補完してくれているようなコーヒーです。

おそらくハラーズ・アリジの良さを最もよく堪能できる抽出方法でしょう。一度手に取られた際は、ぜひフレンチプレスで淹れていただきたいものです。

オススメの抽出方法

  • 豆の分量:18g(容量350mlのプレスを使用)
  • 挽き具合:粗挽き
  • 抽出時間:沸騰したお湯で4分00秒

水出しコーヒー:穏やかな個性

モカの芳醇な風味が心地よく響いてくれます。

かなり穏やかな傾向にあり、モカの独特のコクや甘みがメインで、どこかチョコレートのような感覚で飲めてしまいます。酸味や苦みはかなり弱いので、刺激的な風味はありません。しかし余韻は爽やかさがあり、モカらしさはしっかりと残っています。

個性と穏やかさのバランスが良いので、飲みやすくモカを堪能できるところは、面白いコーヒーです。

今回の抽出方法

  • 豆の分量:100mlあたり10g
  • 挽き具合:中細挽き
  • 抽出方法:水に浸して6時間

ミルク・砂糖との相性

  • ミルク:GOOD
  • 砂糖 :GOOD

ミルクは使い方次第

モカはミルクの使い方で楽しめるコーヒーです。

例えば濃厚なミルクでは、モカの複雑さと混ざって、ふくよかなテイストに仕上がります。一方のあっさりしたミルクでは、モカの独特さを残したカフェオレに仕上がります。

また、フォームドミルクを用いると、モンブランのように、フワッとしつつも独特のコクや風合いを楽しむことが出来ます。特にハラーズ・アリジは、フォームドミルクの柔らかさを壊す雑味が弱いので、モカの中では相性は良い傾向にあります。

ぜひ、モカとミルクで楽しんでみてください。

飲みやすさと品質の良さのアリジ

ハラーズ・アリジの特徴は欠点豆の少なさによる、きれいなカップです。もちろんこの少なさによって、独特の野性味に欠ける点は否めません。しかし高品質なイエメン産モカの風味を、コーヒー豆そのものの特徴を教えてくれる一杯です。

モカが好きな方、関心のある方は、本物のモカを知るために飲まれることをお勧めしたいコーヒー豆です。

コーヒー豆の情報

  • 名称:モカ・ハラーズ・アリジ
  • 産地:サナア県西部
  • 精製:ナチュラル
  • 今回の焙煎:シティロースト

About the Author

汐井有

モットーは専門化したコーヒーについて、詳細を伝えつつ噛み砕いた説明で興味を持ってもらうこと。 専門的な記事と解りやすい記事の両方を書こうと思っています。