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【ブラジル】トミオフクダDOT(ドライ・オン・ツリー)

【ブラジル】トミオフクダDOT(ドライ・オン・ツリー)

「トミオフクダDOT」という名を持つコーヒー豆。知らない方からすると、不思議な銘柄かと思います。日本人の名前を冠してはいますが、ブラジル産で、他のコーヒー豆には見られない一風変わった特徴があります。

さて、このように謎に謎を呼ぶコーヒー、実はブラジルの高品質なコーヒーとして知られているのです。そんなトミオフクダDOT、ご紹介していきます。

「トミオフクダDOT」は、こんなコーヒー。

  • 今回の焙煎:シティロースト

香り

  • フレグランス(豆の香り)
    芳醇なハチミツのような豊かで甘ったるい香り
  • アロマ(コーヒーの香り)
    煮詰めたジャムやシロップのようなネットリした甘い芳香

風味

  • ドライ・オン・ツリーならではの、豊かな甘み
  • 比較的均整のとれた風味
  • アイスにすると甘みがもの凄い

こんな時にオススメ

  • コーヒーの甘みを楽しみたいとき
  • 息抜きや読書など落ち着きたいとき

バウ農園とドライ・オン・ツリー

このトミオフクダDOTは、ブラジル・ミナスジェライス州の標高バウ農園(Fazenda Baú)で生産されています。そしてこの農園のオーナーが、日系ブラジル人のトミオフクダ氏なのです。

この紹介ビデオを見ると解りますが、バウ農園はただのコーヒー農園ではなく一種の研究所の様相です。それほどまでに、コーヒーの可能性に対して力を注いでいるのです。そしてその結果の一つが「ドライ・オン・ツリー」なのです。

ドライ・オン・ツリーとは?

ドライ・オン・ツリー、直訳すると「樹上乾燥」です。

通常のコーヒー豆の収穫期といえば、果実が熟した頃合いです。しかしこのドライ・オン・ツリーは完熟しても収穫しません。そのまま果肉が乾燥するまで放っておくのです。すると、木の養分を吸いに吸い尽くしたコーヒー豆が出来上がるのです。その豆こそがドライ・オン・ツリーです。

しかしこのドライ・オン・ツリーは木の養分を吸い尽くすわけですから、木は疲弊してしまい、寿命は縮まってしまいます。そのため効率が良いとは言えません。それでも効率より美味しさを取ったフクダ氏の意思の結晶なのです。

ペーパードリップ:強い甘みと凛々しいコク

甘いデーツのような凝縮感・ねっとり絡みつく甘みとコクが印象的な一杯です。これはドライ・オン・ツリーだからこそ出せる甘味なのかもしれません。

ペーパードリップでは、他の淹れ方より凛々しいコクが強く出てきます。とりわけシティ以上のローストでは、ダークチョコレートのような繊細なほろ苦さも感じられます。それが甘みと絡み合って緻密な深さを醸し出しています。そこから余韻につれて、甘みが段々と前面に出てきて、ねっとり長く続きます。

イルガチェフェなど爽やかな風味が好みの方には、このねっとりした甘味は「しつこいな」と感じられるかもしれません。しかしその風味がまた、完熟コーヒーの興味深い一面でもあります。

濃い目に淹れていると楽しめるかも?

お話ししたように甘みとコクが主体のコーヒーですので、あっさり抽出するより濃い目にしたほうが持ち味を堪能することができます。

例えば、お湯を細く注いで時間をかけてじっくり抽出してみたり、湯温を85~90℃程度にしてみたり、一杯当たりのコーヒー豆に量を増やしたりしてみるのはいかがでしょうか?

オススメの抽出方法(HARIO V60ドリッパー)

  • 豆の分量:一杯当たり12g(一杯120mlで計算)
  • 挽き具合:中挽き
  • 抽出温度:85~90℃

ネルドリップ:滑らかで濃い

ネルらしい滑らかな舌触りに、芳醇な甘みが上手く響いてきます。焦がしカラメルのような、滑らかなコクと甘みが心地よい一杯です。

この滑らかさによって甘みが目立っている反面、酸味やコクは程よく抑えられて飲みやすさが出ています。そして余韻は滑らかさと相まって、ゆるゆると長く続いていきます。

ドライ・オン・ツリーらしい凝縮感はペーパードリップに劣るものの、複雑な絡み合いを堪能することができます。

オススメの抽出方法

  • 豆の分量:一杯当たり12g(一杯120mlで計算)
  • 挽き具合:中挽き
  • 抽出温度:85~90℃

フレンチプレス:優しく穏やかなテイスト

ドリップより柔らかな酸味が良く感じられます。またペーパードリップのようにキリッとした凛々しさがなく、優しい口当たりと舌触りから始まるところも印象的です。

そのような優しいテイストのため、苦みは弱く抑えられた穏やかさですが、その後にスーッと引き込まれるようにコクの深みが出てきます。そして最後は独特の甘みへと移り変わります。

「穏やか→コク・酸味→甘み」と穏やかな中で移りゆく、ペーパードリップとは一線を画すテイストを堪能できます。

オススメの抽出方法

  • 豆の分量:18g(容量350mlのプレスを使用)
  • 挽き具合:粗挽き
  • 抽出:沸騰したお湯で4分00秒

サイフォン:邪魔のない真っ直ぐな甘み

クリアさが目立つテイストが特徴的です。

素直と言われるサイフォンだけあって、余計な邪魔はされることなく甘味をダイレクトに感じることができます。一方で、沸騰したお湯で淹れるわけですから、苦みはやや強めに出てきています。また余韻もスッキリしています。

フレンチプレスやネルで感じられるような複雑さはありませんが、それゆえにトミオフクダDOTの個性的な甘みを堪能できるのは、サイフォンならではです。甘みがメインの方にオススメの抽出方法です。

オススメの抽出方法

  • 豆の分量:一杯当たり15g
  • 挽き具合:中細挽き
  • 抽出時間:30秒

「トミオフクダDOT」の美味しい飲み方

ミルク・砂糖との相性

  • ミルク:GOOD
  • 砂糖 :GOOD

砂糖がないのに甘いカフェオレ

このコーヒーは豊かなコクを持っているため、ミルクとの相性に優れています。しかし、それだけではありません。トミオフクダDOTでカフェオレを作ると驚くのが、無糖なのに甘いところです。

ドライ・オン・ツリーが持つ強い甘みにミルクの甘みが加わって、パンが持っているようなほのかな自然の甘さが、やんわりと口の中に広がります。

そういったテイストのため、無駄なアレンジなんか必要ないのかもしれません。ただ、シンプルにミルクとコーヒーだけで作るカフェオレが最もオススメです。

アイスコーヒー:「甘い!」の一言

冷やすと苦みや酸味が弱まってしまうので、ドライ・オン・ツリーが持つ甘みがど真ん中ストレートで襲い掛かってきます。コーヒーから甘みだけを抽出したようなテイストがします。

アイスコーヒーなのでキンキンに冷やしたいところですが、オススメは弱冷です、冷蔵庫でひんやり程度に冷やすと、より一層甘みが感じられやすくなります。ぜひドライ・オン・ツリーを購入した際は飲んでいただきたいものです。

豊かな甘みを堪能しよう

このドライ・オン・ツリーの楽しみ方は、何といっても「どう甘みを堪能するか」という所に懸っています。そう言っても過言ではないほど、甘みが凝縮されたコーヒー豆なのです。

個人的には、やはりドリップかサイフォンで淹れたものを冷やしてアイスで飲むと、感じられる甘みには感動すら覚えます。

最後にもう一度重ねてお伝えしたいのが、このコーヒーは「甘み」をぜひとも堪能していただきたい銘柄、という点です。

コーヒー豆の情報

  • 名称:トミオフクダ ドライ・オン・ツリー
  • 産地:ブラジル・ミナスジェライス・バウ農園
  • 精製:ナチュラル(樹上乾燥)
  • 今回の焙煎:シティロースト
  • バウ農園サイト:http://bauagro.com.br/ (Português / English)

About the Author

汐井有

モットーは専門化したコーヒーについて、詳細を伝えつつ噛み砕いた説明で興味を持ってもらうこと。 専門的な記事と解りやすい記事の両方を書こうと思っています。