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【ブラジル】モンテ・アレグレ農園「イエローブルボンPN」

【ブラジル】モンテ・アレグレ農園「イエローブルボンPN」

ブラジルのミナスジェライス州南部にあるのが、「モンテ・アレグレ農園」。実はこの農園、かつてブラジルスペシャルティコーヒー協会の会長を務めたことがあるなど、ブラジルコーヒー界きっての名門農園なのです。

そのモンテ・アレグレ農園から、今回は少し特徴のあるコーヒー豆「イエローブルボン種のパルプドナチュラル(PN)」をご紹介します。どんなものなのかも含めて、これから見ていきましょう。

「イエローブルボンPN」は、こんなコーヒー。

  • 今回の焙煎:シティロースト

香り

  • フレグランス(豆の香り)
    ナッツのような滑らかで柔らかい香り。
  • アロマ(コーヒーの香り)
    カカオに近い香りで、比較的穏やか。

風味

  • コクと苦みと甘みが中心
  • 淹れ方次第で味が変わって来る

こんな時にオススメ

  • 淹れ方による味の違いを知りたい時
  • 落ち着きたい時
  • 夜に飲みたいコーヒー

イエローブルボン?パルプドナチュラル?

さてこのコーヒーの名前でもある「イエローブルボン」や「パルプドナチュラル(PN)」とは何なのでしょうか?まずはこれらのワードについて見ていきましょう。

イエローブルボンは品種

1つ目のキーワード「イエローブルボン」これはコーヒーの栽培品種です。

コーヒーにアラビカ種とロブスタ種があることは、ご存知の方も多いでしょう。この“種”の下にはさらに“栽培品種”と呼ばれるものがあります。身近な例では、お米はイネという“種”ですが、その下には「コシヒカリ」や「あきたこまち」といったブランドがあります。これらが“栽培品種”です。

コーヒーで耳にすることのある「ティピカ」や「ゲイシャ」といった名前も栽培品種で、イエローブルボンはその栽培品種の一つなのです。

パルプドナチュラルは精製方法

コーヒー豆は果実の中にありますが、その果実から豆を取り出すことを精製と言います。

有名なものではナチュラル(非水洗式)とウォッシュト(水洗式)があります。簡潔に言うと、ナチュラルは果肉を乾燥によって自然剥離させる方法で、ウォッシュトは(機械などで)人為的に果肉を剥き、残存物を水洗いして豆を取り出します。

そして今回のパルプドナチュラルはこの中間に位置します。まず機械で果肉を剥いたあと、乾燥させて残存物を取り除きます。このパルプドナチュラルの精製を経たコーヒー豆は「甘くなる」という不思議な傾向があり、別名「ハニーコーヒー」とも呼ばれています。

そしてこの甘い「パルプドナチュラル」を経ている所が、今回のモンテアレグレ農園コーヒーのポイントです。

ペーパードリップ:輪郭のあるコーヒー

まるでチョコレートのような滑らかな質感ですが、その中に燻したアーモンドに近い香ばしさを秘めています。そのため、飲み始めは滑らかさのある平べったい感触ですが、直後から立ち昇る香ばしさで一気に立体感のあるテイストに変わります。

甘みをベースにコクと苦みが立っていて、コーヒーの中では落ち着きのある部類に入ります。一方で、酸味は弱めです。各々のテイストがクリアで、コクと苦みはハッキリと感じることができます。

とりわけペーパードリップで抽出すると、他の方法より輪郭がハッキリ出るので、コクと苦みは解りやすく出てきてくれます。余韻でも同様で、最後は深みのあるコクが口の中に残ります。

今回の抽出方法(HARIO V60ドリッパー)

  • 豆の分量:一杯当たり12g(一杯120mlで計算)
  • 挽き具合:中挽き
  • 抽出温度:83℃

ネルドリップ:重なり合いとカカオ感

輪郭が明確なペーパードリップとは対照的に、ネルドリップではテイスト同士の境界が明確ではなく重なり合っています。むしろ、その重なりがグラデーションとなって、苦くも芳醇なカカオ感をより醸し出しています。

このカカオ感は余韻のクライマックスで最高潮に達し、飲み終えた後にコクが香ばしさとともにフワッと立ち昇ります。これがホットチョコレートを飲んだ時に立ち昇るショコラ感を思わせてくれて、なんとも堪りません。

今回の抽出方法

  • 豆の分量:一杯当たり12g(一杯120mlで計算)
  • 挽き具合:中挽き
  • 抽出温度:83℃

フレンチプレス:茫然とした柔らかさ

フレンチプレスで抽出するち、ドリップコーヒーに比べ、かなり茫漠さを持ったコーヒーです。

やんわりと広がる柔らかいコクと甘みが特徴的で、まどろんだ苦みはドリップより弱く感じられます。風味との境界がネル以上に曖昧で、人によってはモヤモヤしたコーヒーと感じられるかもしれません。冷めると多少は風味にとげが出ますが、それでも他のコーヒーと比べれば非常に曖昧です。

余韻には特にこの茫漠さが表れており、何か煙霧のようなものがフワフワ漂っているような感触がします。

今回の抽出方法

  • 豆の分量:18g(容量350mlのプレスを使用)
  • 挽き具合:粗挽き
  • 抽出時間:沸騰したお湯で4分00秒

水出しコーヒー:円く甘いコーヒー

水出しコーヒーが持つ、あっさり円やかな特徴がモンテ・アレグレの豆と上手く重なり合っています。

チョコレートというよりナッツのようなテイストのコーヒーで、コクは深いというより繊細です。一方で甘く円やかなところはミルクチョコレートのようで、ジャンドゥーヤらしさを感じるコーヒーです。

ドリップコーヒーで感じられる“ビターな大人の印象”とは対照的に、水出しコーヒーでは“甘く滑らかな”優しいコーヒーに仕上がります。その違いを比べてみると、もっとモンテ・アレグレを楽しめるかもしれません。

今回の飲み方

  • 豆の分量:一杯当たり10g
  • 挽き具合:中細挽き
  • 抽出時間:6時間

ミルク・砂糖との相性

  • ミルク:とても良い
  • 砂糖 :良い

ドリップ×ミルクで、大人のカフェオレ

モンテ・アレグレは、ビターなコーヒーである一方、パルプドナチュラルの甘みがミルクとの橋渡し役となってくれます。そのため、比較的カフェオレに使いやすいコーヒーです。

中でもドリップコーヒーに見られるコクやほろ苦さの大人のテイストは、円やかなカフェオレなのに大人な雰囲気を醸し出してくれます。

「コーヒー:ミルク=5:5」では普通の深みのあるカフェオレですが、比率を「7:3」に変えると、ほろ苦さが響くも滑らかなリッチで大人なカフェオレに仕上がります。また、クリームを少し加えると、苦みを残したまま丸みも出てきて、これまたリッチなカフェオレです。

飲み方次第で楽しめるコーヒー

ほろ苦さとコクと甘みの3つを持ち合わせたこのコーヒーは、淹れ方のみならず、淹れる温度・時間・挽き具合などで様々な側面を見せてくれます。もちろんストロングにすると苦みが出てきますが、ウィークに仕上げると甘みや滑らかさの良いコーヒーにもなります。

また、そのような意味では、淹れ方によるコーヒーのテイストの違いを知るにはお勧めのコーヒーでもありますし、自分好みのコーヒーを作りやすい豆でもあります。

モンテ・アレグレのイエローブルボンを買った際には、自分好みに調節することを心掛けてみてください。きっと美味しいコーヒーに仕上がります。

コーヒー豆の情報

  • 名称:モンテ・アレグレ農園イエローブルボンPN
  • 産地:ミナスジェライス州・ブラジル
  • 精製:パルプドナチュラル
  • 今回の焙煎:シティロースト
  • モンテ・アレグレ農園 紹介ページ(英語)
    http://www.bsca.jp/ciamaus.html

About the Author

汐井有

モットーは専門化したコーヒーについて、詳細を伝えつつ噛み砕いた説明で興味を持ってもらうこと。 専門的な記事と解りやすい記事の両方を書こうと思っています。