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【ニカラグア】カサブランカ農園・コパ・カトゥーラ

【ニカラグア】カサブランカ農園・コパ・カトゥーラ

ニカラグアのカサブランカ農園のコーヒー豆を今回はご紹介します。あまり知名度の高くない国ですが、中米のホンジュラスとコスタリカに挟まれた国です。

そのニカラグアにあるカサブランカ農園、じつは同国のCOE(カップ・オブ・エクセレンス)の入賞経験を持つ実力農園です。今回はその農園のコパ地区で作られたコーヒーをご紹介します。

「カサブランカ農園・コパ」は、こんなコーヒー。

  • 今回の焙煎:ハイロースト

香り

  • フレグランス(豆の香り)
    フローラル感がありますが、穏やかな香り
  • アロマ(コーヒーの香り)
    蜂蜜やナッツのような穏やかで甘い芳香

風味

  • 滑らかな舌触りで、飲みやすいコーヒー
  • 甘さと明るさが

こんな時にオススメ

  • 和みたい時に
  • カフェオレ用のコーヒーに
  • 昼に飲みたいコーヒー

La copa de Casa Blanca

コパカトゥーラ ①

ニカラグアの代表産地、ヌエバセゴビア

このカサブランカ農園は、ニカラグア北部のヌエバセゴビア県にあります。

以前ご紹介したペラルタ農園も同じ県に位置しており、ニカラグアの中でもコーヒーの品質の高さで定評のある地域です。2017年のニカラグアCOE(Cup of Excellence)では上位25位のうち17がヌエバセゴビア県内にあるのです。

焼き菓子のような「ニカラグア:ペラルタ農園」

白い家の一杯

ヌエバセゴビア県にあるカサブランカ農園は、2000年代にニカラグアのCOEに3回、2012年に1回の入賞経験を持っています。近年は名前を見ませんが、品質は今もなお高く、コストパフォーマンスに優れたコーヒーです。

そしてカサブランカ農園には、今回のコパやハイランドなど幾つかの区画と、パカマラ・カトゥーラなど様々な品種がありますが、これからご紹介するものは、コパのカトゥーラ種です。

余談ですが、Copaはコップの意味です。そのため、La copa de Casa Blancaは「カサブランカ農園のコパ地区」だけでなく、「白い家の一杯」とも訳せてしまいます。

ペーパードリップ:スッキリ&バランスの良い甘さ

コパカトゥーラ ②

カサブランカ農園のコパをペーパードリップで淹れると、しっとりとした質感と明るさが特徴のコーヒーになります。

口当たりは柔らかく、チョコレートのような甘く滑らかなフレーバーが感じられます。しかし、アールグレイのような明るいテイストも持ち合わせていて、どこかバニラフレーバーの紅茶に近い印象を与えてくれます。明るさと相まって、余韻は甘さを持ちつつも、しつこくない所が特徴です。

このアールグレイのような明るいテイストは、ペーパードリップで淹れると最も出てきてくれます。他の淹れ方では、ペーパードリップより甘みが強めでスッキリさが弱くなります。

そのような意味では「バランス重視のコーヒー」といった印象を受けます。

今回の抽出方法(HARIO V60ドリッパー)

  • 豆の分量:一杯当たり12g(一杯120mlで計算)
  • 挽き具合:中挽き
  • 抽出温度:82℃

ネルドリップ:甘々なコーヒー

カサブランカ農園のコパをネルドリップで淹れると、ペーパードリップより充足感の感じるコーヒーになります。柔らかさが増す一方、スッキリさが抑えられるので、クリームのようなトロッとした質感が強く感じられます。また、風味も強めで、ドライフルーツのような少し枯れたフルーティーさも併せ持っています。

カサブランカ農園の個性においては、ペーパーよりネルの方が、よく出ているように思われます。ただし飲みやすさの点では、スッキリしているペーパードリップに軍配が上がります。

今回の抽出方法

  • 豆の分量:一杯当たり12g(一杯120mlで計算)
  • 挽き具合:中挽き
  • 抽出温度:82℃

フレンチプレス:穏やかな豊かさ

コパカトゥーラ ③

カサブランカ農園のコパをフレンチプレスで淹れると、様々な風味を感じられる、バランスに優れて飲みやすさを感じるコーヒーになります。

滑らかな舌触りから甘みが緩やかに広がっていきます。この甘さは強すぎることなく程良さがあるので、その背後に酸味やコクも緩やかに感じられます。余韻は、明るさを持ったまま甘みや緩い華やかさが、ゆったりとフェードアウトしていきます。

バランスが良い点ではペーパードリップと似ていますが、異なる部分があります。ペーパードリップは、スッキリ飲みやすいコーヒーです。一方で、フレンチプレスは豊かな風味が穏やかに響くコーヒーです。寛ぎたい時はフレンチプレスで淹れると良いかもしれません。

【Point!】少しコーヒー豆を多くしてみよう

このカサブランカ農園は、コーヒー粉が少なめだと穏やかですが、その穏やかさの背後にある風味が少し弱くなります。そのため、コーヒーの持ち味を堪能したい時は、少しコーヒー粉を多めにすると良いかもしれません。

今回の抽出方法

  • 豆の分量:18g(容量350mlのプレスを使用)
  • 挽き具合:粗挽き
  • 抽出時間:沸騰したお湯で4分00秒

水出しコーヒー:アーモンドキャラメルの甘さ

カサブランカ農園のコパを水出しで淹れると、アーモンドキャラメルのようなナッツ感のある甘さと滑らかさが特徴のコーヒーになります。

口当たりはトロっとした、かなり前面に押し出されています。また酸味やコクが弱いため、相対的に甘みが強くなっています。さらに余韻においては、より一層強く出ています。

この甘みの強さと酸味の弱さは、コーヒーが苦手な方でも飲みやすいでしょう。ただし甘みが強すぎるため、苦さに慣れているからすると、くどくどしく感じるかもしれません。そういう時は、深煎りにしてスモーキーさを出すと良いかもしれません。

今回の抽出方法

  • 豆の分量:100mlあたり10g
  • 挽き具合:中細挽き
  • 抽出時間:6時間

「カサブランカ農園」の美味しい飲み方

ミルク・砂糖との相性

  • ミルク:Very Good!!
  • 砂糖 :Good

甘くまろやかなカフェオレ

コパカトゥーラ ④

コーヒーの甘さはもとい、ミルクの甘さも相まって、カフェオレらしいマイルドさが目立ったコーヒーに仕上がります。まったりした寛ぎたい時、また苦いコーヒーが不得手な方にお勧めです。

ただ生クリームやジャージー牛乳を混ぜると、円やかを超えて重々しさを感じるかもしれません。一方、低脂肪乳でも円やかさが感じられるので、ミルクは重いものを避けた方が良いかもしれません。

地区ごとで異なるカサブランカ

今回ご紹介したコーヒー豆は、カサブランカ農園の「コパ区域」の「カトゥーラ種」です。ここのコーヒーは、同じ農園内でも品種だけでなく区域によっても風味が異なります。ワインでいうテロワールの差です。

そのため、ハイランドなど他の区域のコーヒーとはまた異なるテイストを持っています。その違いを楽しむのも、コーヒーの面白さなのかもしれません。

コーヒー豆の情報

  • 名称:カサブランカ農園・コパ
  • 産地:ニカラグア・ヌエバセゴビア県
  • 品種:カトゥーラ
  • 精製:ナチュラル
  • 今回の焙煎:ハイロースト

About the Author

汐井有

モットーは専門化したコーヒーについて、詳細を伝えつつ噛み砕いた説明で興味を持ってもらうこと。 専門的な記事と解りやすい記事の両方を書こうと思っています。