コロンビア:アンジェリカの最大の特徴は、本当の意味で美味しい酸味を感じさせてくれるところにあります。程よいコクや甘味のバランスと透明感は、酸味を絶妙に引き立ててくれるのです。
そんなアンジェリカはコロンビアのウイラ県、有名産地ナリーニョ県の北東に位置しています。知名度こそ低いものの、美味しいコーヒーが栽培される将来有望の産地なのです。そんなウイラ県のアンジェリカの「美味しい酸味」、気になりませんか?
「アンジェリカ」は、こんなコーヒー。
- 今回の焙煎:ハイロースト
香り
- フレグランス(豆の香り)
バランスに優れ、明るい酸を感じさせる香り - アロマ(コーヒーの香り)
スッキリした花の蜜のような華やかさ
風味
- 程よく美味しい酸味がポイント
- バランスと透明感があって飲みやすい
こんな時にオススメ
- 美味しい酸味を味わいたい時
- 軽く気分転換したい時に
- 昼間に飲むコーヒーに
隠れたコロンビアの名産地
コロンビアのコーヒーというと、ナリーニョ県のコーヒーが最も有名です。その一方でウイラ県産のコーヒーは、コロンビアの中では最高峰とも呼ばれる産地にもかかわらず、知名度ではマイナーです。
実はこのウイラ県、山地ということもありゲリラや内戦の巣窟となったり、あるいは開発も遅れていたりしたのです。
しかしそれも解決に向かい、近年ではウイラ県産のコーヒーも多く見かけるようになりました。これからまだまだ美味しいコーヒーが見つかりうる、期待の産地がウイラなのです。
ペーパードリップ:クリアな酸味
クリアで心地よい酸味は、「これが本当の酸味なのか!」と改めて実感させてくれるます。そしてペーパードリップならではのキリッとした特徴も、このコーヒーによく合っています。
酸味だけでなく、優しいコクと甘みも程よく感じられるので、単に酸味に一辺倒というわけではありません。バランス良く個性を楽しむことができるコーヒーです。
そのようなクリアな酸味と優しさが主役ですから、余韻もスーッと綺麗にフェードアウトしていきます。さらにその味が引いた後に、柑橘類のピールのような爽やかな苦みがフワッと香るあたりも、また心地よいです。
中温でバランス良く引き出してみよう
明るい酸味だから低めでと思ってしまいがちですが、このコーヒーは程よいコクのバランスも特徴的です。むしろそのバランスを崩してしまうと、コーヒーの味がイマイチになってしまいます。
およそ80℃程度の若干低いかどうかくらいの温度で淹れるのがオススメです。
オススメの抽出方法(HARIO V60ドリッパー)
- 豆の分量:一杯当たり12g(一杯120mlで計算)
- 挽き具合:中挽き
- 抽出温度:80℃前後
ネルドリップ:酸味とコクの心地よい拮抗
クリアながらもフワッと酸味が立ち昇ってくるあたりは、ネルドリップらしいなと思います。
80℃少しの中温で抽出してみたところ、酸味はキリッとしている部分も感じられる一方、優しい甘みとコクがちょうど良い具合に拮抗しています。これが高温だと拮抗具合が激しくなったりします。
余韻はペーパードリップと異なり、柔らかくフワフワと消えていく印象です。柔らかさとハッキリさの間に位置する、絶妙な小気味よさがあります。
オススメの抽出方法
- 豆の分量:一杯当たり12g(一杯120mlで計算)
- 挽き具合:中挽き
- 抽出温度:80~85℃
フレンチプレス:柔らかさと調和
フレンチプレスですので、クリアさに関しては他の抽出方法より劣っています。しかしコーヒー豆の持つ明るさ・華やかさ・程よいコクと甘いが充分に引き出されています。
クリアさに欠けている反面、アンジェリカの持つ柔らかいコクと甘みが光っています。そこに酸味と明るさが上手く調和しているので、やんわりと抱擁されている感触です。この点に関しては、この後お話しするサイフォンとは正反対で面白いです。
ゆったりしたい時は、フレンチプレスが良いかもしれませんね。
オススメの抽出方法
- 豆の分量:18g(容量350mlのプレスを使用)
- 挽き具合:粗挽き
- 抽出時間:沸騰したお湯で4分00秒
サイフォン:スッキリさと飲みやすさ
コーヒー豆の個性とサイフォンらしさが相まって、非常にスッキリ透明という印象がします。そこにほんのりと甘さ・コク・酸味が加わって、スッキリ飲めるコーヒーです。「マイルドブレンド」と称するものをクリアに仕立てたような風合いです。
寛ぎたい時、仕事の片手に、友人と歓談する時に、様々なシチュエーションで飲める汎用性の高いコーヒーです。数ある抽出方法の中でも、最もアンジェリカを活かせている印象です。
オススメの抽出方法
- 豆の分量:1杯あたり15g
- 挽き具合:中挽き
「コロンビア・アンジェリカ」の美味しい飲み方
ミルク・砂糖との相性
- ミルク:GOOD
- 砂糖 :GOOD
酸味+コクの爽やかアイスコーヒー
アンジェリカは明るい酸味の一方で、程よいコクも持っています。そして何といってもクリアさが特徴的です。
そんなアンジェリカは、アイスコーヒーにしても物足りなさはなく、明るい酸やクリアさが効いています。飲めばわかりますが、爽快で夏場にもってこいのアイスコーヒーに仕上がります。
このクリアさを活かすためにも、抽出はフレンチプレス以外の方法で抽出するとオススメです。
美味しい纏まりのある酸味:アンジェリカ
コロンビア・アンジェリカの魅力は、コクや甘みなど風味のバランスが取れている中で、クリアで明るい酸味が感じられるところです。そのため程よく・心地よく、美味しい酸味を堪能することができるのです。
そこがイルガチェフェなどの酸味一辺倒のコーヒーとは異なるところです。純粋な酸味だけを楽しめるイルガチェフェに対して、他の風味の中でごく自然的に酸味を楽しんでもらいたい一杯です。
コーヒー豆の情報
- 名称:コロンビア・アンジェリカ
- 産地:コロンビア・ウィラ県
- 精製:ウォッシュト
- 今回の焙煎:ハイロースト