代用コーヒーとして知られているチコリーコーヒー。有名な所では、ニューオーリンズ発祥のカフェデュモンドのコーヒーや、爽健美茶に含まれていることで知られています。
そんなチコリーコーヒーですが、意外と飲んだことがない方も多いのではないでしょうか?そこで今回は、チコリーコーヒーの飲み方を含めてお話ししていきます。
チコリーとは何だろう?
まずは「チコリーとは何か?」という所から触れていきましょう。チコリーとは、言うまでもなく植物です。
フランス料理やイタリア料理で「トレビス」や「ラディッキオ」という野菜を食べたことはないでしょうか?これらの国々では、サラダやソテーとして頻繁に使われていますが、実はそれはチコリーの葉の部分なのです。
ただ、今回のチコリーコーヒーは葉っぱではありません。ではコーヒー豆のように種子を使うのかというと、そうでもありません。チコリーコーヒーで使うのは“根っこ”の部分なのです。
チコリーの淹れ方
そんなチコリーの根を、どうやって飲むのでしょうか?答えは「何もコーヒーと変わらない」です。
まず、チコリーの根を刻んだものを焙煎します。そして焙煎後、それをドリップやフレンチプレスなど、コーヒーの器具を使って抽出するだけです。チコリーコーヒーを飲むにあたって、特段用意する道具はありません。チコリー粉をコーヒー粉の代わりに使用しているだけ、なのです。
それでは淹れ方をお話ししたところで、これからチコリーコーヒーの風味について触れていきましょう。
チコリー100%:もはや生薬
まずはチコリーのみ100%で飲むとどうなるのか……もはやテイストはコーヒーとは程遠い存在です。
そもそもチコリーの根を焙煎したもので、ドイツではハーブティーとして飲まれているわけです。日本人からすると、煎じた漢方薬を飲んでいるような感覚の方が近いでしょう。
チコリー100%の飲み物は、「代用コーヒー」とはいえ、お世辞にもコーヒーとは言えず受け付けられない方がいらっしゃるかもしれません。少なくとも日常的にコーヒーを飲んでいる方には、違和感を隠せない独特の風味を持っています。
カフェオレにしても……
違和感があるならカフェオレにしてしまえば……と試してみても、独特の風味は頑固なのか、なかなか消えてくれません。
コーヒーのコクや苦みとは違う類の風味なので、ミルクの力では中和してくれません。むしろ、コーヒーらしい苦味などが中和されてしまい、漢方感だけが悪目立ちしている感覚すらあります。
チコリー50%:変わったテイストのコーヒー
それでは、コーヒー豆とブレンドして飲むとどうなるのでしょうか?まずはチコリー50%で試してみましょう。
コーヒー豆とブレンドすると、チコリーの割合が少なくなるわけですから、漢方感が薄れて飲みやすくなります。とはいえ、半分はまだチコリーですから、風味はけっこう残っています。しかしコーヒーの風味もしますので、少し風味の違うインスタントコーヒー感覚で飲めます。
ただ、使うコーヒーによってはチコリーの風味に負けてしまい、漢方感が強くなることがあります。この風味が気になる方は、深煎りなど強めのコーヒーを使った方が良いかもしれません。
チコリー30%:違和感なく飲める
その次は、さらに減らしてチコリー30%で試してみましょう。
チコリー30%のコーヒーでは、じっくり味わうとチコリーの風味がしますが、何も知らなければチコリーとは思わない程度に弱まります。漢方らしさというより、炭焼きコーヒーの香ばしさに似ているので、思った以上に違和感がありません。
コーヒーらしさを維持したままチコリーをブレンドしたいという方は、「チコリー:コーヒー=3:7」がちょうど良いかもしれません。これ以上ではチコリーの漢方らしさが前面に出てきます。
それでも気になる方は、使うコーヒー豆を、深煎りもしくはストロングにしてみてください。その力強いコーヒーの風味がチコリーの香ばしさを覆い隠してくれるので、より違和感がなくなります。
チコリーを飲んでみよう
日本ではカフェインを避ける方のためにカフェインレスコーヒーが普及しており、チコリーをわざわざ買う方はほとんどおられないでしょう。しかし、代用コーヒーとは何か気になる方は一度飲んでみても良いかもしれません。
あるいは、近年ではチコリー自体の有効成分が注目されていますから、普段飲むコーヒーに少し混ぜて飲んでみてはいかがでしょうか?