マンデリンと言えばコクの深いコーヒーの代表格として知られています。その中でも、今回はトバ湖の周辺で栽培されている「マンデリン・トバコ」について、これからご紹介させていただきます。
「マンデリン・トバコ」は、こんなコーヒー。
- 今回の焙煎:シティロースト以上
香り
- フレグランス(豆の香り)
深い香りの中に、シナモンやカレーのようなスパイシーさを感じる - アロマ(コーヒーの香り)
鬱蒼としたモヤモヤした深い香りにスパイシーさがある
風味
- マンデリンらしい、もの凄く奥行きのあるコク
- ピリリと来る特有のスパイシーな酸味は、比較的強め
こんな時にオススメ
- 夜に飲みたいコーヒー
- 自分だけの世界に入りたい時に
- 酸味系コーヒーに飽きてきた方に
ペーパードリップ:スパイシーさと奥深さ
初めに滑らかさと奥深いコクを感じることが出来ます。しかしその後は、苦みと締まりのある酸味が感じられ、酸味の中にはピリリと来るスパイシーさがあります。このスパイシーさは、マンデリンらしさを存分に感じさせてくれます。
余韻はコクよりスパイシーさが目立っていて、他の銘柄では見られない不思議な感覚に包まれます。マンデリンの中でも、最もマンデリンらしいコーヒーという印象です。
奥深さとスパイシーさを強調させよう
おすすめの抽出温度は、高めの85~90℃です。高温で抽出することにより、ストロングでコクの深さが強調されたコーヒーに仕上がります。またコクとのギャップで、スパイシーさも際立つところもオススメです。
オススメの抽出方法
- 豆の分量:一杯当たり12g(一杯120mlで計算)
- 挽き具合:中挽き
- 抽出温度:85~90℃
ステンレスフィルター:混沌のコーヒー
コーヒーオイルを含む口当たりの柔らかさから、優しい味わいと思いきや、そうではありません。ひと呼吸おいてから、マンデリンらしい複雑なコクが、大波となって襲い掛かってきます。
柔らかみによる薄さとコクの深さ、僅かなスパイシーな酸味の複雑さがあります。また余韻はスッキリしつつもコクが尾を引いていて、一言でいうと「混沌」です。
程よい高さでの抽出がオススメ
ステンレスフィルターでは、高温すぎてしまうと過度な抽出になりがちです。そのため85℃前後と少し高めの温度が、抽出には最もオススメです。
ただしストロングなコーヒーを飲みたいという方は、若干粗め(中挽きと中細挽きの間)に挽いて、90℃近くで抽出すると良いかもしれません。
オススメの抽出方法
- 豆の分量:一杯当たり12g(一杯120mlで計算)
- 挽き具合:中細挽き
- 抽出温度:85℃
ネルドリップ:芳醇な風合い
柔らかみのあるコクの中から、スパイシーな酸味がフゥッと感じられます。コクはチョコレートのように、とても滑らかな感触がします。そして酸味は滑らかさによって、刺激的ではなく芳醇な風合いに仕上がっています。その芳醇さが余韻となって、このコーヒーのクライマックスを迎えます。
飲んだときに感じられる滑らかさも特徴的ですが、ぜひ芳醇な余韻を楽しんで頂きたいコーヒーです。
オススメの抽出方法
- 豆の分量:一杯当たり12g(一杯120mlで計算)
- 挽き具合:中挽き
- 抽出温度:85℃
フレンチプレス:柔らかみとコクのコーヒー
口当たりの柔らかさが特徴的です。しかしその直後に深いコクが、一息置いてやってきます。
ネルドリップやステンレスフィルターに比べて、立体感には多少欠けています。しかし柔らかさは非常に強く、余韻は甘みも相まって、ベタつきすら感じるほど重みがあります。
流れとしては、柔らかい口当たりからコクがいきなり広がり、また柔らかさに落ち着く波のある味わいです。余韻の重みは好みが分かれそうなコーヒーです。
オススメの抽出方法
- 豆の分量:18g(容量350mlのプレス)
- 挽き具合:粗挽き
- 抽出時間:沸騰したお湯で4分00秒
「マンデリン・トバコ」の美味しい飲み方
ミルク・砂糖との相性
- ミルク:相性抜群ですが、スパイシーさは弱まります。
- 砂糖 :相性GOOD
シナモンで個性を引き立てる。
マンデリンの特徴でもあるスパイシーさを、引き立ててみてはいかがでしょうか?
シナモンを少し振ってみたり、シナモンスティックをスプーン代わりに用いたりするのも良いでしょう。冬場はシナモンやジンジャーを、夏場は爽やかなカルダモンがオススメです。
コクとスパイシーの「マンデリン・トバコ」
近年は酸味系のコーヒーが人気のために、マンデリンはあまり目立たない存在となっています。しかしコクの深さとスパイシーさには、他の銘柄では見かけることのできない、面白みがあります。
特に今回のトバコはマンデリンらしい個性が強く、充足感と同時にコーヒーの無限性すら感じる部分があります。
酸味系だけではなく、マンデリンも飲んでみてはいかがでしょうか?
コーヒー豆の情報
- 名称:マンデリン・トバコ
- 産地:トバ湖周辺、アチェ州、インドネシア
- 精製:スマトラ式
- 今回の焙煎:シティロースト