巷のカフェではエスプレッソにミルクを加えたカフェ・ラテやカプチーノが人気を呼び、近年ではラテアートも楽しめるお店も増えています。自宅用のエスプレッソマシンの開発も進み、エスプレッソは日本でも広く浸透してきています。
では、エスプレッソをおいしく淹れるために最適な豆はあるのでしょうか。今回は中でも豆の挽き方に焦点を当て見てみましょう。
エスプレッソに合う豆の挽き方
豆の挽き具合と特徴
豆の挽き具合によって、淹れるコーヒーの味わいは異なってきます。簡単に表現すると、豆を細かく挽くと苦味は強くなり、粗く挽くと酸味が出やすくなります。また、粒度(挽いた豆の大きさ、メッシュとも呼ぶ)によって適した抽出時間や抽出器具も変わってきます。その違いを知り選ぶことで、豆の香りや味の個性を引き出せるのです。
挽き具合は大きく分けて、粗挽き、中挽き、細挽き、極細挽きの4種類ありあます。それぞれ特徴を書き出してみましょう。
粗挽き
ザラメ糖ほどの大きさ。お湯で煮だして抽出するパーコレーターなどに向いています。
中挽き
ザラメ糖とグラニュー糖の間くらいの大きさ。挽き具合としては最も一般的です。ペーパードリップやネルドリップ、コーヒーメーカーに向いています。
細挽き
グラニュー糖ほどの大きさ。ウォータードリップ(水出しコーヒー)やドリップ式で苦味やコクを強めたいときに向いています。
極細挽き
白砂糖ほどの大きさ。この大きさまで挽くには専用のミル(グラインダー)が必要になります。苦味が強く出るので、エスプレッソに最適です。これをさらに分けて粗挽き、中粗挽き、中挽き、中細挽き、細挽き、極細挽きなど5~6段階に分けているお店が多くあります。
エスプレッソに合う挽き具合は、上にも挙げたように、苦味が強く濃厚なコーヒーを抽出できる極細挽きが最適です。エスプレッソを抽出する方法は、高い圧力をかけて抽出できる電気式のエスプレッソマシンと、直火式のモカエキスプレスやマキネッタがあり、どちらも極細挽きを用います。
しかし、直火式では極細挽きでは目詰まりを起こすこともあるようで、その場合は、細挽きを選ぶと良いと言われています。
豆を挽くタイミング
コーヒー豆を極細挽きにすると、表面積が大きくなるため酸素に触れる部分も多くなり、劣化の速度も増してしまいます。劣化が進むと酸味が強くなり、豆本来の味わいがなくなってしまいます。そのため、できればエスプレッソを淹れる直前にその時に飲む分量のみを挽くことが望ましいです。
また、エスプレッソをおいしく淹れるには挽き方とともに焙煎も重要になってきますので少しご紹介します。
エスプレッソとコーヒー豆の焙煎度
コーヒー豆の焙煎度には8段階あります。
1.ハイ・ロースト:浅煎り
2.シナモン・ロースト:浅煎り
3.ミディアムロースト:やや中煎り
4.ハイ・ロースト:中煎り
5.シティ・ロースト:中深煎り
6.フルシティ・ロースト:やや深煎り
7.フレンチ・ロースト:深煎り
8.イタリアン・ロースト:極深煎り
基本的には焙煎が浅いほど酸味が増すため苦味が弱く、焙煎が深くなるほど苦味が増し、酸味が弱くなっていきます。コーヒーの甘い香りはハイ・ローストやシティ・ローストのあたりが最も高くなります。
しかしながら、コーヒー豆の種類(産地の違いなど)で風味の出方は異なってきます。エスプレッソに合う焙煎度合いは基本的にはフルシティやフレンチの深煎りです。イタリア地方では中煎りのシティやフルシティがよく飲まれ、シアトル系のカフェではフレンチや極深煎りのイタリアンが使われています。
そしてこのコーヒーの豆の焙煎度は8段階の名称があるものの、明確な基準がなく、お店によってことなります。
例えば全く同じ豆を使っていたとして、全く同じ焙煎度の豆を売っていたとしても、お店によってそれがフレンチローストであったり、フルシティローストであったりすることがあります。
エスプレッソ用コーヒー豆の挽き方 まとめ
エスプレッソに合う豆は基本的には深煎り・極細挽きですが、ご自身の持っているマシンや、香り・味わいの好みに合わせて最適な組み合わせを探し、より豊かなコーヒータイムをお過ごしください。