エスプレッソも広く認知され、自宅で楽しめるエスプレッソマシンには、本格的な手動式のものから、全自動のもの、より手軽に淹れられるポッドやカプセルを使ったものまでさまざまです。
ポッドやカプセルを使うマシン以外では自分でコーヒー豆を準備しなければなりませんが、どのような豆の挽き方が適しているのでしょうか。
今回はエスプレッソに適したコーヒー豆の挽き方について見ていきましょう。
エスプレッソの特徴
イタリアでは最もよく飲まれているコーヒーで、イタリアでCaffèはエスプレッソのことを指します。専用のマシンなどを使い高い蒸気圧を発生させ、その圧力でお湯を瞬間的にコーヒー粉の中に通して抽出します。
高い圧力がかかることによってコーヒー成分を凝縮し、油分もうまく混ざり合い、苦味がありながらもまろやかでとろっとした口当たりになります。基本は約7gの豆を使い、20~30秒の短時間で約30ml抽出します。
エスプレッソに合うコーヒー豆の挽き方と注意点
コーヒー豆の挽き方には段階があり、細かい方から極細挽き、細挽き、中細挽き、中挽き、中粗挽き、粗挽きなど5~6段階に分けられることが多いです。粒度が細かくなるほど苦味が強く、粗くなるほど酸味が出やすくなります。
また、抽出されるコーヒー液の濃度は、細かいほど濃く、粗いほど薄くなるという特徴があります。
エスプレッソには極細挽きがおすすめ
エスプレッソは豊かな苦味を楽しむコーヒーなので、その特徴を十分に引き出せる挽き方「極細挽き」が適しています。また、極細挽きにすることによってコーヒー豆の成分が溶け出しやすくなり、抽出時間が短くても濃厚なコーヒーを淹れることができるのです。
コーヒーパウダーの目詰まりに注意
しかし、極細挽きが適していると言っても、細か過ぎるとフィルターが目詰まりを起こし、20~30秒では抽出されず時間がかかってしまうことがあります。また、豆の種類によっては、極細挽きにすると粘りのあるしっとりとしたコーヒー粉になることがあり、これも目詰まりの原因になってしまいます。
このような場合は、もう少し粗く挽く必要があるので、抽出する際には時間を計り、出てくるコーヒー液の状態をよく見て適切であるか判断しましょう。
極細挽き対応のコーヒーミルは高価
ちなみに、極細挽きまで調節可能なミルは限られており、価格も高めです。細か過ぎると目詰まりを起こすマシンもあることから、現在持っているミルが極細挽きに対応していなくても、可能な限り細かく挽いてみてください。
そのコーヒー粉を使い、抽出がうまくいき、味も納得できるものであれば、買い足す必要はないかもしれません。一度試してみる価値はあると思います。
コーヒー豆は淹れる直前に挽くこと
粒度に加えて重要になってくるのが、豆を挽くタイミングです。豆を挽くと表面積が大きくなり、酸素に触れる部分も多くなるため酸化しやすくなります。酸化が進むと文字通り”酸っぱくなってしまう”など風味が劣化し、豆本来の味を楽しめなくなってしまいます。そのため、酸化を防ぐためにも、コーヒー豆は淹れる直前に挽くのが良いでしょう。
これはどの抽出法にも当てはまることですが、特にエスプレッソは極細挽きにするため、より表面積が増し、酸化する速度も速くなることが考えられますので、注意が必要です。
コーヒー豆の挽き方「エスプレッソ」の特徴まとめ
豊かな苦味と少量でも濃厚な味わいを楽しめるエスプレッソの魅力を引き出すのは、「極細挽き」という挽き方も一役買っていることがわかりました。
極細挽きゆえに起こる問題を理解し、ご自身の持っているマシンやミルの個性に合わせて調節を繰り返すことも、おいしいエスプレッソを淹れる秘訣のひとつと言っても言い過ぎではありません。