ペーパーフィルターを用いたハンドドリップを、自宅で楽しむ人も多いのではないでしょうか。その際に使うドリッパーには種類があり、底に1つだけ穴が開いている1つ穴式、2つ3つと複数の穴が開いている複数穴式、円錐形で底に開いた穴からペーパーフィルターの先を出して使う円錐型などがあります。
今回は1つ穴式ドリッパーに合うコーヒー豆の挽き方についてご紹介いたします。
1つ穴式ドリッパーの特徴
1つ穴式のドリッパーで有名なのは「メリタ」です。メリタはコーヒー機器を製造するドイツのメーカーで、ペーパードリップシステムを初めて開発し、その後1つ穴式を確立したことで知られています。
現在では、扇形をした1つ穴式のドリッパーは「メリタ式」と呼ばれるほどになりました。その名の通り穴が1つだけなので、抽出時間を一定にでき、“蒸らし”をした後、一気に湯を注いでしまい、湯にコーヒー粉を浸けるようにして抽出するのが特徴です。これによって、いつでも安定した味わいのコーヒーを淹れることができます。
また、水分量の多い浅煎りの豆では目詰まりを起こしやすいので、中深煎りか深煎りの豆を使用し、コク深く重みのある味わいを楽しむのが基本です。
コーヒー豆の挽き方(粒度)の段階
「豆を挽く」と一言で言っても、その細かさは様々あります。粉の細かさは「粒度(メッシュとも言う)」と呼ばれ、粒度によって適した抽出時間や器具、そして味わいも異なってきます。
”粒度が細かい”ほど抽出されるコーヒー液は濃く苦味も強くなり、”粒度が粗い”と濃度は薄く酸味が出やすくなります。粒度の段階はお店によっても異なりますが、大きく分けて4段階に分けられます。
- 極細挽き
白砂糖ほどの大きさ。この大きさまで挽くには専用のミル(グラインダー)が必要になります。苦味が強く出るので、エスプレッソに最適です。 - 細挽き
グラニュー糖ほどの大きさ。ウォータードリップ(水出しコーヒー)やドリップ式で苦味やコクを強めたいときに向いています。 - 中挽き
ザラメ糖とグラニュー糖の間くらいの大きさ。挽き具合としては最も一般的です。ペーパードリップやネルドリップ、コーヒーメーカーに向いています。 - 粗挽き
ザラメ糖ほどの大きさ。お湯で煮だして抽出するパーコレーターなどに向いています。
これをさらに分けて、極細挽き、細挽き、中細挽き、中挽き、中粗挽き、粗挽きなど5~6段階に分けているお店が多くあります。
1つ穴式に適したコーヒー豆の挽き方
1つ穴式は穴が1つなので、湯が落ちるのに時間は長くかかりますが、蒸らした後は1回で湯を注ぎ切ってしまうため、湯を何回かに分けて注ぐ抽出方法に比べるとトータルで抽出にかかる時間は短くなります。
そのため、湯の通過スピードが遅く、成分が抽出されやすい細挽き~中細挽きほどの挽き方が適しています。
しかし、複数穴式と同じように湯を何回かに分けて注ぎたい場合は、細挽きでは濃くなり過ぎてしまうので、もう少し粗い挽き方にした方が良いでしょう。
1つ穴式ドリッパーは細挽き豆がおすすめ
湯は一気に注ぎ入れ、コクや重みを重視した味わいを楽しむ1つ穴式ドリッパーの抽出法では、細めの挽き方がおすすめです。しかし、自分の好みによっては、中挽きくらいが丁度良い場合もあります。
ここに記した挽き方はあくまでも「基準」とし、味の好みや豆の個性によって使い分けることも、おいしいコーヒーを淹れるポイントになります。