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アラブスタとは

アラブスタとは

「アラブスタ」という品種のコーヒーをご存知ですか。コーヒーについて追及していくと、聞いたことのない専門用語に出会いますよね。今回は、ハイブリット種の交雑種「アラブスタ」についてお伝えしていきます。

アラブスタについて

アラブスタ(Arabusta)とは、アラビカ種とロブスタ種を人工的に交配させた「交雑種」のひとつです。それぞれの品種の弱点を補い、良い部分だけを活かす目的で作られています。

アラビカ種について

アラビカ種はエチオピア原産の品種で、世界で生産されるコーヒー豆の約7割を占めています。高温多湿の環境や、霜、乾燥にも弱いため、高地栽培されるアラビカ種は、デリケートな品種としても有名です。ですが、アラビカ種特有のフルーティな香りと豊かな風味は、世界中のコーヒーファンに愛される代表的な品種です。

コーヒー豆アラビカ種の特徴と産地

ロブスタ種について

ロブスタ種は西アフリカ原産の品種で、主にアラビカ種の栽培に不向きな国で栽培されています。成長が早く病虫害にも強いので、収穫量が安定している品種です。ロブスタ種は、麦のような香りと苦み・渋みが特徴でブレンドのアクセントとしても人気です。

コーヒー豆ロブスタ種の特徴と産地

アラブスタ種は美味しいのか

ロブスタ種

アラビカ種とロブスタ種のいいところをとって開発された「アラブスタ種」ですが、果実の香りが良いとはいえず、今のところ風味の評価は低いようです。日本国内ではほとんど流通していません。

アイボリーコーストでは広がりつつある?

世界有数のロブスタ種の生産国である「アイボリーコースト(象牙海岸共和国)」では、アラブスタ種の研究と栽培が行われており、生産量も増えつつあるのだとか。収穫量が安定し次第、ヨーロッパなどにでまわっていくかもしれません。

交雑種の実情

品種の交配に成功し、順調にコーヒーノキが育っても収穫してみなければそのコーヒーの品質はわかりません。私達が普段口にしているコーヒーの味とは程遠いものや、収穫量が安定しないなど、交雑種にはいろいろな問題があるようです。とはいえ、その地域によって順調に育つ品種もあることから、現在も積極的に研究が進められています。

アラブスタとは まとめ

アラブスタとは、アラビカ種とロブスタ種の良い部分だけを人工的に交配させた「交雑種」のひとつです。まだ日本国内では流通していませんが、ロブスタ種の一大生産国であるアイボリーコーストでは、活発に研究・栽培が行われているそうです。生産量が安定し継続的な需要があれば、アラブスタコーヒーが新たなスタンダードとして認められるようになるかもしれませんね。

About the Author

AMIAMI

愛知県生まれ。親族がコーヒー卸売業を営み、幼少より喫茶店とコーヒーに親しみがある。ブラジルコーヒー鑑定士・SCAAカッピングジャッジなどの受講経験、焙煎経験あり。コーヒーは焙煎したてより、寝かせてから飲みたい派。猫と、物作りが好き。