エスプレッソはシアトル系のコーヒーチェーンの広がりや、自宅用の抽出マシンの普及で、日本でも定番のコーヒーとなっています。
エスプレッソを提供するカフェに「アメリカーノ」という名のコーヒーが存在することもありますが、「アメリカーノ」とはどのようなコーヒーでしょうか。
アメリカーノとは
アメリカーノはエスプレッソを落としたカップにお湯を注いで作るコーヒーです。エスプレッソとの違いはその味わいです。お湯で割っている分、苦味や濃さが和らぎ、口当たりはやわらかく、後味はすっきりとしています。
エスプレッソ独特の香りは残り、甘味も感じ取れますので、エスプレッソの苦味が苦手な人や、ドリップコーヒーとはひと味違う味わいを探している人にもおすすめの飲み方です。
アメリカーノの名称の由来
名称の由来には諸説ありますが、エスプレッソを薄めて飲んでいるアメリカ人を侮蔑する意味で使われたという説。もうひとつは第二次世界大戦中にイタリアに駐屯していたアメリカ兵が、いつも飲んでいるコーヒーと似た味わいを求め、エスプレッソにお湯を足して薄めて飲んでいたことに由来する説が有力なようです。
アメリカーノと似た名称
「アメリカーノ」と似た響きのコーヒーに「アメリカン」がありますが、この2つは似て非なるものです。
「アメリカーノ」は上でも述べたようにエスプレッソにお湯を足したコーヒーです。使われる豆は深煎りの極細挽きで、その味わいの特長はコクや苦味、さっぱりした後味です。
「アメリカン」は浅く焙煎したコーヒー豆(通称アメリカンロースト。シナモンローストに近い焙煎度合です)を使用した、色が薄めのコーヒーを指す和製英語です。
※1970年代にアメリカンはコーヒーのお湯割りという認識が広まってしまったため、現在でも店舗によってはアメリカンを注文すると、ドリップコーヒーにお湯を足して薄めたものが出てくることがありますが、本来の意味とは異なります。
挽き方は粗挽きで、ドリップなどで抽出されるため、その味わいの特長は酸味が強く、あっさりしています。カフェインは焙煎が深いほど揮発して少なくなり、抽出時間が短ければ少なく、長ければ多くなると言われています。よって、アメリカーノとアメリカンのカフェイン量を比べると、深煎り豆を使用し、抽出時間の短いアメリカーノの方が少なくなります。
アメリカーノと似たコーヒー
オーストラリアやニュージーランドでは、アメリカーノのようにエスプレッソをお湯で割って飲むコーヒー「ロングブラック」があります。作り方は少し違い、アメリカーノはカップにエスプレッソを落としてからお湯を注ぎますが、ロングブラックはカップにお湯を注いでおき、そこにダブルショットのエスプレッソを落とします。
後からエスプレッソを落とすことで、エスプレッソ特有の泡(クレマ)が消えずにその味わいが保たれます。
エスプレッソから派生したコーヒーはアメリカーノをはじめ、実はカフェラテやマキアートなど様々な種類があります。いろいろな飲み方を楽しんでみましょう。
アメリカーノのレシピ(1杯分)
- エスプレッソ:約30ml
- 湯:約100ml(エスプレッソの3~5倍量)※お好みで
- あらかじめカップは温めておく。
- カップにエスプレッソを抽出し、お湯を注ぎ入れる。
アメリカーノのアレンジ
アイスアメリカーノ
氷をたくさん入れたグラスにエスプレッソを注いで作ります。薄まりやすいので、エスプレッソは濃い目に作るか、ダブルショットがおすすめです。
バニラ・アメリカーノやココナッツ・アメリカーノ
アメリカーノにバニラシロップやココナッツシロップを15mlほど足して作ります。
バニラやココナッツの風味や甘味が、エスプレッソの独特の香りや苦味によく合います。
エスプレッソとアメリカーノの違いまとめ
エスプレッソから作り出されたアメリカーノ。知名度はそれほど高くありませんが、エスプレッソ独特の風味を残しながらも飲みやすい味わいが知られると、多くの人に好まれる可能性を秘めています。