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ネルの準備と保存方法

ネルの準備と保存方法

ネルフィルターの準備や保存方法についてご紹介。「ネル」は使い捨てのペーパーとは異なり、コーヒーを淹れるたびに洗い、何度も使います。そして金属とは異なり布製なので、放っておくと布が傷んでしまいます。また、新品を使う時も準備がい必要となります。

少し面倒かもしれませんが、それだけ素晴らしさもあるネルの“面倒な部分”について、見ていきましょう。

新品のネル使う時の注意

新品のネルを使う時に注意してほしいのが、糊です。ワイシャツ同様に新品のネルには糊が付着しているので、まずはそれを落とす必要があるのです。

糊の落とし方はいたって簡単で、煮沸して溶かすだけです。およそ煮沸時間は4~5分程度です。

コーヒー・出涸らしで煮沸してみよう

このとき、真水で煮沸させても良いのですが、コーヒーを馴染ませるためにコーヒー液を用いると尚更オススメです。コーヒー液で煮沸することにより、その後に抽出したコーヒーに繊維の臭いが移ることを防げます。

煮沸に使うコーヒーは、出涸らしや残ったコーヒーでも構いません。ただしコーヒー粉と一緒に煮沸すると、後片付けが面倒なので粉の混じったコーヒー液で煮沸するのは避けるようにしましょう。

ネルの片づけ方

ここからは使い終わったネルの片づけ方についてです。ネルを使用されている方、保存には気を付けてください。間違った保存をしてしまうと、臭いや雑菌が発生してしまいます。

コーヒー粉を洗い流す

初めにコーヒー粉を落とします。基本的には水道水で粉を洗い流します。

この時ネルを揉み洗うのは厳禁です。揉み洗いをすると、微粉などがネルに詰まってしまい、次回使う時に目詰まりを起こす原因となります。あくまで水道水で流し取るようにしましょう。

数回煮沸する

コーヒー粉を落としたらお湯で数回煮沸します。基本的には3回を目安に煮沸すると良いでしょう。

これは煮沸消毒だけでなく、布に染み込んだコーヒーを煮出す目的も兼ねています。この工程を怠ると臭いや雑菌繁殖の要因になるので、必ず行うよう心掛けてください。

洗った後は、水に浸して保存

最後に片づけが出来たら保存します。ネルはとてもデリケートなので、保存も一手間を要します。

冷まして水につけて保存

まず煮沸したネルは、冷水につけて熱冷ましをします。その後は必ず水に浸した状態で保存しましょう。もし水に浸さないと、ネルに残ったコーヒーが酸化して異臭の原因となってしまいます。また、乾燥によってネルの生地が弱ってしまう恐れもあります。必ず水に浸してください。

水の交換:常温なら毎日、冷蔵庫なら数日

ネルを保存する水ですが、常温保存の場合は水の腐敗を防ぐために、毎日取り換えるようにしてください。そして週1回は煮沸消毒することを強く推奨します。放置しておくと、雑菌が繁殖しかねません。

そして毎日取り換えるのが面倒な方は、冷蔵庫で保存するのも手段の一つです。冷蔵庫内は保存性が高まるので、水の交換は3日に一度(冬場は5日に一度)程度で済みます。煮沸も2週間に一度程度で済むので、保存が格段に楽になります。

ネルの交換はいつ頃なのか?

ネルは布で何度も使いまわしますが、いつか寿命が来てしまいます。ではその寿命はいつなのか?それは2つあります。

ネルの寿命:目詰まりと繊維

1つ目は、目詰まりを起こしてきた頃です。目詰まりを起こすと抽出時間や速度に影響が出るので、コーヒーの味に変化を来たしてしまいます。そのため、抽出速度が遅くなったなと思ったら替え時です。

そして2つ目は、ネルの繊維が弱った頃合いです。例えば使用回数が少なくてもネルの起毛が少なくなったり、生地にほつれやヒビが見えたりしたら、替えた方がオススメです。

ネルの使う面で寿命が変わる

ネルフィルターは使うとお解りいただけますが、起毛面とそうでない面の表裏があります。実はどちらの面を使うかによって、ネルの寿命は変わってきます。起毛を内側に使うと、起毛した毛足にコーヒー粉を入れる形になります。この場合、毛足に絡まった微粉を洗い流すことで、起毛の摩耗は激しくなります。そのため、寿命が短めになる傾向があります。

一方で、起毛を外側にすると、布目に直接コーヒー粉を入れる形になります。そのため微粉が多いと目詰まりを起こしやすくなりますが、微粉が少ないと洗いやすく長持ちします。

この起毛面の内外問題は、単に寿命だけでなく出来上がりの風味なども考慮する必要があります。そのため、一概に寿命の長い“起毛外側”が良いとは言えません。

ネルは管理が最重要!

ネルフィルターで抽出する時、最も重要なのはネルの管理といっても過言ではありません。

抽出は、失敗してももう一度やり直すことができます。しかしネルは管理を怠って、異臭や雑菌繁殖を招いてしまうと取り返しがつかなくなります。そのためにもネルの管理には、ぜひ気を付けていただきたいものです。

About the Author

汐井有

モットーは専門化したコーヒーについて、詳細を伝えつつ噛み砕いた説明で興味を持ってもらうこと。 専門的な記事と解りやすい記事の両方を書こうと思っています。