コーヒー豆の生産大国として有名なブラジル。日本でもブラジル産の豆が流通しておりコーヒー好きにとっても馴染み深い国ですが、ブラジル本国ではどのようにしてコーヒーが楽しまれているのでしょうか?
ここでは、ブラジルのコーヒー文化とその特徴について紹介します。
コーヒーは国内で最も消費量の多い食料品
ブラジルでは毎年ものすごい量のコーヒーが消費されます。その量は主食の米よりも多く、国内で最も消費される食料品だと言われています。ブラジルの大都市サンパウロ市では、なんと月間だけで46億杯ものコーヒーが消費されているとのこと。
消費量だけでなく、高品質な豆の生産量の多さも圧倒的です。2005年度には218万トンもの生産量を誇り、ブラジルだけで世界のコーヒー生産量の1/3を占めていたほど。
また、家庭でも当たり前のようにコーヒーが淹れられており、外食で飲む割合よりも家でコーヒーを楽しむ方が多いそうです。コーヒー原産国ならではですよね。
ネルドリップが主流
ブラジルの家庭で飲まれているコーヒーは、布製のフィルターを用いたネルドリップのものが主流だそうです。使い捨ての紙フィルターを買う経済的な余裕のない家庭も多いため、何度も使える布製が一般的になったのだとか。
砂糖をたっぷり入れて飲む
コーヒーをブラックで飲むことの多い日本人からすると驚くかもしれませんが、ブラジルではコーヒーに砂糖は当たり前のこととして考えられています。コーヒーに砂糖を入れることが前提となっているため、飲食店では砂糖の有無ではなく種類を聞かれるそうです。
また、砂糖をいれるかどうか聞くまでもなく既に甘い状態でコーヒーが提供される飲食店も多いです。
ブラジルのコーヒーは美味しくない?
ブラジル旅行へ行かれた方の口から稀に聞く、「コーヒーが美味しくなかった」というまさかの発言。コーヒー豆生産大国なのだから、新鮮で美味しいコーヒーが飲めるのでは…?と思いますよね。
実は、ブラジルで収穫した高品質な豆は、そのほとんどを国外用として輸出されていくのです。近年では高級志向の方に向け上質なコーヒー豆を販売する店舗も見かけられますが、一般的な市民の方が飲むものは基本的に安価のもの。それゆえ、酸味や苦味を誤魔化すために砂糖を大量に入れて飲まれることが多いという話もあります。
穀物を混ぜたコーヒーが存在していた
ブラジル国内では、安価なコーヒーゆえに穀物をまぜたコーヒーが流通していた時期もありました。現在では純粋なコーヒーを示す「証印」を発行することで、そういった「穀物入りコーヒー」はなくなったそうです。
穀物入りコーヒーが流通していた頃に比べ味にこだわるようになった消費者のため、品質ランクを表す基準と証印も作るのだと最近では言われています。
アイスコーヒーはポピュラーじゃない
南米の暑い気候からして、アイスコーヒーをガブガブ飲んでいるのではと思われがちなブラジルですが、実際はほとんど飲まれてはいません。
近年はスターバックスなどのチェーン店進出によって、富裕層の間でアイスコーヒーやフラペチーノといった冷たいコーヒーも徐々に浸透しているようですが、一般市民の方々は全く飲まないそうです。
ブラジルのコーヒー文化と特徴 まとめ
世界最大のコーヒー豆原産国であるブラジル。国内経済が不安定なブラジルでは、基本的に高品質のものではんく安価なコーヒーをメインに飲んでいるそうです。日本人が想像するような「美味しいブラジルコーヒー」は、国外輸出用だったのですね。
それでも、富裕層が訪れる高級店などでは新鮮な美味しいコーヒーが飲めるそう。渡航の際には、一般的なカフェと高級店の味比べをしてみるのも楽しいかもしれませんね。
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