皆さんはコーヒー豆をどのように保存しているでしょうか?
キャニスターでの保存や、あるいはコーヒー粉の袋を密閉する方法が一般的です。しかしひと手間を加えるだけで、品質は劇的に改善するのです。ここでは保存方法と品質についてお話しさせていただきます。
コーヒー豆の保存の天敵とは?
まずはコーヒー豆を保存する際に、何を避けて保存しなければいけないのかを知っておく必要があります。
コーヒー豆は「保存方法が大切だ」と言われますが、コーヒー豆は決して腐るものではありません。コーヒー豆の保存方法が重要とされる論点は、ズバリ「鮮度」にあるのです。
コーヒーが嫌うもの①:湿気
コーヒー豆が最も嫌うものが、湿気です。
湿気はコーヒー豆の鮮度を測る指標として用いられることが多く、「豆が湿気っている」は鮮度が落ちているという意味でも用いられます。
コーヒー豆は乾燥させたうえで焙煎しているため、水分の含有量は非常に少ないです。そのため少しの湿度でも劣化する速度は速くなってしまいます。梅雨時~夏場にかけて最も気を付けておきたいポイントです。
コーヒーが嫌うもの②:外気
コーヒーの袋の特徴として、アロマシールや空気弁が貼ってあるものを見かけることはないでしょうか?そして説明書きに、「内部のガスのみを逃がし、外気を防ぐ」旨の説明が書いてあるのはご存知でしょうか?
コーヒー豆にとって空気は、意外と知られていない大敵です。その理由は二つ、「臭い」と「酸化」です。
コーヒー豆は含水量が低く周囲の湿った空気を吸います。その時に強い臭いがあると、臭いもろとも吸収してしまいます。また、酸素と触れていると、酸化が進んで品質が劣化する恐れがあります。そのためなるべく外気から遠ざける必要があるのです。
コーヒーが嫌うもの③:直射日光
コーヒーのみならず食品全般にとっての敵が直射日光です。
コーヒー豆を購入するとき、透明の袋はほとんどなく、その多くは不透明色の袋やアルミパックです。これは直射日光による影響を排除するためなのです。
コーヒーが嫌うもの④:気温
これは全ての食べ物に関して言えることです。夏場に暑い場所でコーヒー豆を保管すると、どうしても品質の劣化を避けることができません。暑い場所で保管していると香りや味に変化が生じて、本来とは異なる味わいのコーヒーになってしまう恐れがあります。
密閉・冷暗所での保存の重要性
以上のコーヒー豆が嫌うものを踏まえて、次はどのように保存すればよいのか考えてみましょう。
まず湿気や空気との接触を避けるためには、外気と遮断する必要があります。次に直射日光を避けるために暗い場所で保存する必要があります。そして気温を考えると厚くない冷暗所に置く必要があります。
そのため、コーヒー豆の注意書きには「開封後は密閉して冷暗所で保存してください」と書かれてあることが多いのです。
オススメは冷凍保存
冷凍庫はコーヒーの長期保存に最も適した場所の一つです。「なぜ冷凍庫?」と思う方もいるとは思いますが、その理由は以下の通りです。
- 一定して気温が低い
- 湿度が20%前後と低い
- 密閉されている
- 直射日光を完全遮断できる
- 臭いが移るリスクが低い
これらのメリットを備えた冷凍庫はコーヒー豆の保存に最も適しているのです。そして、わざわざ高価な保存容器を買わずとも、鮮度を保つことができるのです。
冷凍庫から出したら、すぐ使う
なるべく冷凍庫から出したら、すぐ使用することをオススメします。
時々解凍するまで待つ人がいますが、それはあまりオススメできません。例えば解凍している間は常温で放置することになります。そして解凍中に霜が解けて、その水分を吸収してしまう可能性もあります。
そのため冷凍庫から出したら、使用する分量だけ取り出して、残りはまた冷凍庫に戻すことをオススメします。
粉より豆で買おう
さて。これまでコーヒー粉ではなく「コーヒー豆」の保存方法について話してきました。つまり保存を良くするには、「粉<豆」なのです。
粉にひいてしまうと、空気や水分と触れる表面積が増加してしまいます。そのため、空気や湿気による影響を強く受けてしまいます。実際に美味しく飲める期間は、粉のものだと1~2週間に対して、豆では最大で1ヶ月ほど持ちます。
コーヒーミルをお持ちの方は、豆の状態で購入することを強くオススメします。
コーヒー豆をより長く美味しく保存しよう
それでは最後にコーヒー豆の保存のコツをまとめてみましょう。
- 粉ではなく豆で購入する
- 湿気・外気・直射日光・気温に気を払う
- オススメの保存先は冷凍庫
- 冷凍庫から出したら使用しない分はすぐしまう
これらの方法を実践するだけで、コーヒー豆の鮮度は大きく変わります。皆さんも保存方法を改善して、すこしでも長く美味しいコーヒーを楽しみませんか?