ウィーンのカフェと言えば、ウィンナーコーヒーとザッハトルテが有名です。ゆったり気品あるカフェの雰囲気を楽しみに、オーストリアはウィーンへ行かれる方も多いのではないでしょうか?
ということで、ここではウィーンのカフェの注意点や楽しみ方、そしてオススメのカフェについてお話ししていきたいと思います。
ウィーンのおすすめカフェ
まずはウィーンのオススメのカフェをご紹介します。最初の2つはウィーンの王道的なカフェで、ご存知の方も多いと思います。しかしウィーンを象徴する王道なお店以外にも、注目していただきたいカフェがあります。
日本ではあまり知られていませんが、地元でも有名で評判も良いカフェを御所解します。人に教えるのも勿体ないような、そんなおすすめカフェも2つピックアップしました。
Cafe Sacher(カフェ・ザッハー):元祖ザッハトルテ
おそらくウィーンで最も有名なカフェがCafe Sacherでしょう。実はあの「ザッハトルテ」は、ザッハーのトルテ(ドイツ語:切り分けるタイプのケーキ)が由来で名づけられたのです。
ウィーンで最も有名なカフェで、昼時には待つ人で行列ができることもしばしばです。またウィーンの中心部、ウィーンフィルやオペラ座の近く位置しているので、観光ついでに寄り道するにはうってつけのカフェです。
DEMEL(デーメル):ハプスブルク王室御用達の店
ウィーンでザッハーとともに双璧をなすパティスリーが、DEMEL(デーメル)です。もしかすると、ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、実はこのデーメル、日本にも出店しているのです。
主にケーキをメインとしているお店で、何とハプスブルク王室御用達のお店だったのです。店に入ると美味しそうなトルテがずらりと並んでいて、スイーツ好きには堪りません。
デーメルはザッハーと「ザッハトルテ戦争」をしたことでも有名です。ウィーンに行かれた際は、ザッハトルテの食べ比べをしてみるのも面白いかもしれませんね。
Café Sperl(カフェ・シュペルル):伝統的なウィーンのカフェ
Café Sperlは、ガイドブックで取り上げられる機会は少ないですが、かなりオススメのカフェです。何がオススメかと言うと、古きウィーンの伝統的なカフェをそのまま残してあるところです。
昔ながらの中世的な雰囲気の内装に、新聞や雑誌が多く置かれていて、そして目を引くのがビリヤード台です。これらは昔のカフェの名残で、店に入ると何十年かタイムスリップした感覚になります。
この古き良き姿は、たびたび映画で舞台として登場しています。日本では、漫画『王室教師ハイネ』に登場するカフェのモデルにもなっています。
Heiner(ハイナー):本当に美味しいケーキはここ!
ケーキと言うと、カフェ・ザッハーを思いつく方が多いかもしれません。しかし純粋に美味しいトルテというと、ここがウィーン一番かもしれません。というのもカフェ・ザッハーの店員さんが「ここのトルテは美味しい!」と豪語していたほどですから。
カフェというよりコンディトライ(パティスリー)です。そのため店内はケーキが沢山あり、何にしようか迷ってしまいます。スイーツ好きにとっては、まさに天国にいる気分かもしれません。
ちなみにハイナーはテイクアウトができるので、お土産や部屋食に買って帰るのもオススメです。
街の小さなカフェに行ってみよう
世界的に有名なカフェへ行くのも楽しいのですが、意外と楽しいのが街中にある小さなカフェです。
カフェ・ザッハーなどは観光客が多く、ウィーンのスイーツは楽しめても、雰囲気までは十分に堪能できません。その反面、街の小さなカフェにはウィーンっ子しかおらず、ウィーンのカフェの、ゆったりした空気を存分に堪能できます。
また時には店員さんと仲良くなって談笑したり、カフェ文化について教えてもらったり、毎日通いたくなる穴場だったりします。
他にも有名カフェがいっぱい
ウィーンには他にも有名なカフェが数多くあります。例えばブルグ劇場の隣の「Café Landtmann(ラントマン)」、アーチ天井が特徴的な「Café Central(ツェントラル)」、どこかノスタルジーな「Café Hawelka(ハヴェルカ)」などがあります。
また、ホーフブルク宮殿近くの美術史博物館には、世界一美しいカフェと言われる「Cafe Gerstner(ゲルシュトナー)」があります。
ウィーンの中心街は、どこにいても半径100m以内に有名なカフェがあるので、カフェ好きには一種の聖地かもしれません。
ウィーンのコーヒーは、どんなコーヒー?
アインシュペンナー(Einspänner)
アインシュペンナーと呼ばれるコーヒーが、いわゆる日本で言う「ウィンナーコーヒー」です。
コーヒーの上に大量のホイップクリームが乗っていて、もはやコーヒーというよりデザートです。ロングスプーンが付いてきて、コーヒーと一緒にホイップを食べると言った方が近いかもしれません。
また特徴的なのが、コーヒーカップではなくグラスで運ばれてくる点です。しかしコーヒーはアイスではなく、ホットでやってきます。
日本ではウィーンの代表的なコーヒーとして知られています。しかし決してウィーンっ子が普段から頼んでいる訳ではないところが、また面白いところです。
メランジェ(Melange)
実はウィーンっ子が普段よく注文するコーヒーが、このメランジュです。
メランジュは泡立ったカフェオレで、カプチーノに似て非なる飲み物です。というのもカプチーノは泡が大量ですが、メランジェにのっている泡は程々の量です。その分ミルクの量が多く、柔らかい口当たりが特徴的です。
価格も良心的で、ウィーンの朝の一杯にオススメのコーヒーです。注文する時にカフェオレではなく、さりげなくメランジェと注文してみてください。「こいつ解っているな」とウェイターに思われたりします(笑)。
フランツィスカーナー
これはメランジェにホイップクリームを乗せたものです。ざっくり言うと、「メランジェとアインシュペンナーの中間」と捉えても良いかもしれません。またアインシュペンナーと異なり、コーヒーカップで来ます。
アインシュペンナーを頼みたいけどブラックコーヒーが苦手、という方にオススメです。
モカとブラウナー
ウィーンでついでに覚えておくことをおすすめするコーヒーが、モカとブラウナーです。ここでの「モカ」は産地のモカとは意味が異なります。ウィーンでは「モカ」と注文すると、ブラックのエスプレッソがやってくるのです。
そしてもう一つ「ブラウナー」は、何となくお解りかもしれませんが茶色という意味です。つまりコーヒーにクリームを入れて、茶色になったコーヒー、ということです。イタリアのマキアートをイメージすると良いかもしれません。
ホットチョコレートも頼んでみよう
ウィーンと言えばチョコレートです!
カフェでコーヒーを飲むのも楽しいですが、合間にホットチョコレートを挟んでみるのも良いかもしれません。カフェによっては、びっくりするくらい濃厚で美味しいことがあります。
ホットチョコレートはドイツ語で「ヘイゼ・ショコラーデ(heiße Schokolade)」と言います。カフェのメニューで見つけたら頼んでみてはいかがでしょうか?
オーストリアのウィーンはカフェの宝庫
オーストリアのウィーン中心部は見渡せばどこかにカフェがあり、少し離れたところでも徒歩数分のところにカフェが一軒はあります。それだけカフェ文化が根付いているという証かもしれません。
ウィーン観光の目玉の一つは、スイーツです。ハプスブルクの華やかな文化に支えられてきたスイーツを、ぜひカフェで楽しんでもらいたいところです。