旅のはじまり、そして帰る場所
清澄白河、蔵前を筆頭に数年前から盛り上がりを見せているイーストトーキョーエリア。なかでも東日本橋は問屋街として栄えており、観光地というよりはローカル色が強い街でしたが、昨年末頃から立て続けに宿泊施設がオープンし、一気に街の様相を変えています。
2017年3月22日にグランドオープンしたCITAN Hostel, Cafe, Bar, Diningもそのひとつ。名前の通り、バックパッカー、旅行客向けのホステルを主体としつつ、カフェバーも併設する施設で、蔵前にあるNui. Hostel & Bar Loungeと同じ会社が運営しています。
CITANという聞き慣れない単語、Googleで検索すると車のブランドが出てくるので、これじゃないよな、と思いつつお店の方に聞いてみると、造語とのことで、漢字で「始端(したん)」と書くそうです。
五街道の始発点である日本橋に相応しい旅の玄関口であり、東京観光で疲れた足を休める帰る場所でもあります。
併設されるコーヒーショップにも別個に名前が付されているとのこと。BERTH COFFEEはBERTH埠頭とハートをモチーフにしたロゴデザイン。旅の玄関口として、1日の始まりを気持ちよく送り出してくれる、そんなお店です。
スペースは一階に5席ほどのカウンターテーブル。ホステルのロビーも兼ねていてミニマルな内装ですが、カウンターテーブルの木の組み方やシーリングランプのデザインに遊び心が感じられます。
注文カウンターの反対側にはくるくると回るプロペラのようなものが。天空の城ラピュタに出てくる飛行船の羽根をイメージしてデザインされたとのこと、空間を象徴づける感性が光っています。
地下に降りると広いカフェバーが。ソファ席でゆったり寛ぐこともできますし、幾何学的な六角のスタンディングのテーブル席で軽く利用するのも良いです。
地下は18時からバータイムになります。宿泊客は勿論、バーのみを利用することも可能です。クラフトビール、ワイン、カクテルが豊富に揃っています。
また、ダイニングとして食事を楽しむ空間になっている点は嬉しいところです。
お酒に合うおつまみ的なものから、ナポリタン、チキン&ラムオーバーライスといったボリュームあるメニューまで。一人でしっとりとカウンターで飲みながら食事も良いし、複数人でわいわいと楽しむのもアリ、と幅広く利用できます。
カフェメニューはハンドドリップ系とエスプレッソ系。
ハンドドリップはNui.と同じくONIBUS COFFEEの豆をメインに、京都のWEEKENDERS COFFEEと5種類から選べます。
エスプレッソ系は定番のカフェラテにはじまり、アメリカーノやエスプレッソのコクと豆の深みをよりダイレクトに味わえるジブラルタル、蔵前にあるBean to bar Chocolate 店、ダンデライオンのチョコレートを使用したカフェモカなど。
一般的にカフェモカのベースになるチョコレートはシロップタイプの甘みが効いたものが多いのですが、こちらのカフェモカは甘みよりもカカオの深いコクが前面に感じられます。加えてラテのミルク感と香ばしさが反目することなくバランスを取っています。口を近づけたときの香りを意識してか、若干温度は低めのカフェモカでした。
フードはクロワッサン、パンオショコラといった軽めのペストリーから、野菜たっぷりのピタサンド、コーヒー屋のメニューとしては珍しいお粥セットまで。
パンオショコラはしっかりと甘さの効いたチョコレートと、冷めても食感の良いパン生地。エスプレッソやブラックコーヒーとの相性が良いです。
ピタサンドは色とりどりの野菜が生地から溢れんばかりといったボリュームある一品。ピタ生地自体はもっちりと歯ごたえがあり、円やかなソースが野菜によく絡み、空腹を満たしてくれます。
改めてお店を見回すとNuiのようなナチュラルな空間というよりは、アーバンで直線的な内装。住宅、問屋、オフィスが混在するエリアだからこそ、それぞれの人々に受け入れられる中庸的なデザインです。
ほんの数年前は地元の人しか歩いてないようなエリアですが、界隈には立て続けにホステルもオープンしています。洋の東西を問わず多くの人が行き交う玄関口として、益々盛り上がりを見せていきそうです。
BERTH COFFEE in CITAN 店舗情報
住所:東京都中央区日本橋大伝馬町15-2
移動時間:馬喰横山駅から徒歩1分
営業時間:8:00~19:00
定休日:なし
wifi:あり
電源:不明
喫煙:屋外に喫煙スペースあり