バブル時代の映画に飛び込んだ様!
上野駅からほど近く、アメ横のはずれにただならぬ雰囲気の喫茶店がある。なんなんだこのオーラは。「ギャラン」、「COFFEE」のフォントがものすごい主張だ。そもそも店名自体にがインパクトがある。
自分が生まれる随分と前のバブリーな時代想像すると、いつも祖父の姿が思い浮かぶ。煙草を吹かしながら、ソファにどんと腰掛けて脚を組む。ピカピカに磨いた靴がスーツの裾から覗いている。ここは恐らくそういう時代の喫茶店。ちょっとタイムスリップしていくか。
店内に入ると身なりのきちんとしたウエイトレスが出迎えてくれる。奥に通されると、喫茶店では見た事の無いようなシャンデリアが天井や壁、四方八方からオレンジ色の光を放っている。かなり派手な内装だ。ただ、不思議と居心地の悪さは感じなかった。
パフェ、アラモード、サンドイッチ、と、喫茶店ならではのメニューが並ぶが、懐かしいヴィジュアルのモンブランケーキに惹かれてそれに決めた。注文すると、ほどなくしてスプーンとフォークがやって来た。喫茶店感100点満点のこの銀食器の形状。ロゴ入りのペーパーナプキンの上で、行儀良く主役が来るのを待っている。
ケーキが運ばれて来た。「おぉ。」と言えばいいのか「嗚呼。」と言えばいいのか。完璧な見た目に感動する。バニラアイスクリームとカットフルーツ、そしてサクランボon the生クリームのトッピング。昔ながらの喫茶店らしさをこんなにも忠実に再現してくれるお店にはきっとそうそう出会えない。
コーヒーはいたってシンプル。無駄なくぬかりなく。甘みのあるケーキに良く合う。
煙草のにおいが立ちこめる店内を見回しながら、コーヒーとケーキを交互に堪能する。窓に貼られているゴールドの装飾が、レトロでかっこいい。ガラスに映るシャンデリアが、先まで永遠に続いている様だ。
革張りのゆったりしたソファも、羽振りの良い時代を感じさせてバブルっぽい。何時間も居座って商談をしているおじさんもいれば、パフェだけ食べてサッと帰って行くおじさんもいる。新聞をぼんやり眺めているおじさんも、パソコンとにらめっこしているおじさんもいる。この店にはきっと色んな男のロマンが詰まっている。古き良き時代と今を生きる人達の様々な思想を想像させる、不思議で完璧な純喫茶だ。
COFFEE SHOP ギャラン 店舗情報
住所: 東京都台東区上野6丁目14−4
移動時間: 東京メトロ銀座線、日比谷線上野駅5b出口より徒歩1分
営業時間: 8:00〜22:00
定休日: なし
wifi: なし
電源: なし
喫煙: 可
HP: なし