コーヒーをもっと趣味に

タカセ池袋本店 喫茶室

タカセ池袋本店 喫茶室

ターミナル駅徒歩1分の完璧な立地に、時代を超えた名店隠れ家。

池袋駅東口。駅前に古めかしい洋菓子店がある事に気が付いた。はてさて、こんな場所にも、何十年も変わらない佇まいの店舗があったなんて。開発が進む渋谷と違い、同じ規模の大きな駅でも池袋には昔のままの景色があるようだ。

タカセ洋菓子株式会社は、創業大正9年(1920年)の老舗。懐かしい味わいのハチミツパンやドレンチェリーが乗ったクッキーが気に入って、池袋に来るとここで素朴な味のパンや焼き菓子を買うようになった。

ある日、別の入口から入店しようとすると、同じビルの上のフロアに系列店のレストランやコーヒーサロンがある事を知った。私は池袋に隠れ家を見つけた。一人で何時間も過ごすのも良し、アポイントの待ち合わせ場所に使うのも良し。駅前のこの立地だから、使い勝手は抜群だ。

タカセ_窓の景色1

タカセ_窓の景色2

2階へ上がるとレトロなショーケースが置かれていて、たくさんの食品サンプルが並んでいる。サクランボの乗ったクリームソーダやアラモードのヴィジュアルが、ザ・喫茶店という雰囲気を高めている。

タカセ_ショーケース

落ち着いた内装は、ノスタルジックすぎず、清潔感があり、かといって安っぽくも無い。派手でも地味でも無い。賑わっている時間帯もあれば、ふっと静かな時間を提供してくれる時もある。丁度いい。

タカセ_店内

窓から交差点を見下ろすと、さっきまで自分もそこにいたと思うとうんざりするような人混みが目に飛び込んでくる。でももう私は別世界にいる。目の前にコーヒーが運ばれてくる。

古い喫茶店らしい酸味のある味わいで、ケーキと良く合う。カップ&ソーサーは、店内のコーディネートに合わせられているような臙脂の模様が入っている。

タカセ_コーヒー

昔ながらの喫茶店に来ると、コースターやペーパーナプキンが気になる。懐かしい雰囲気のロゴマークにぐっと来る。ケーキの下からひっそりと覗くこの感じ。ちょっとした演出に店ごとのオリジナリティを感じる。

タカセ_コーヒーとケーキ

さて、ケーキだ。洋菓子店のケーキなのだから、期待も高まる。今でこそ、デパ地下にはパティスリーが犇き、煌びやかなケーキが見たことの無い装飾を競い合っているが、私が子どもの頃のケーキはショートケーキかチョコレートケーキくらいの差しかなかった気がする。

そんな時代から変わらないような見た目をした小ぶりのケーキが可愛らしい。セットメニューでは、日替わりの数種の中から2品好きなケーキを選ぶことが出来る。苺が乗った王道ショートケーキとフルーツのロールケーキをチョイス。

前にも食べたことがあるような懐かしくて優しい味わい。チョコレートとスポンジの組み合わせは駄菓子を思わせた。

タカセ_ケーキ

お腹も心も満たして、階段を降りていく。現実世界に完全に引き戻される前に、1階のパンと洋菓子も見て行こう。

これまたレトロなバースデーケーキがショーケースに入れられていた。小鳥、白鳥、バラ、細かい砂糖菓子の装飾に、昔の塗り絵を思わせる動物たちのイラスト。見たことの無い可愛さに感激させられる。

温かみのあるモンブランやアップルパイも存在感抜群だ。今度ホールケーキを買う機会があったら、ここにしよう。また来る楽しみが見つかった。残りわずかとなったハチミツパンをおみやげに買って帰るとしよう。

タカセ_誕生日ケーキ

タカセ_ホールケーキ

タカセ池袋本店喫茶室 店舗情報

住所: 東京都豊島区東池袋1-1-4

移動時間: JR・地下鉄池袋駅東口徒歩1分

営業時間: 9:00〜22:00

定休日: なし

Wifi: なし

電源: なし

喫煙: 可

HP: http://www.takase-yogashi.com

About the Author

A7ICE ART&design 兼松江梨

喫茶店天国愛知県出身のアートディレクター。「おしゃれカフェ<喫茶店」主義。古くから愛され続けているものに魅力を感じ、喫茶店巡りをするようになる。市内にある様々な珈琲店に祖父母とモーニングに行くのが子どもの頃からの娯楽。