食の安全性が求められている昨今、コーヒーにも品質や安全性の担保を求める声があがっています。今回は「トレーサビリティ」についてご紹介します。
トレーサビリティについて
トレーサビリティ(traceability)とは、物品の流通経路を生産から消費(あるいは廃棄)まで追跡可能なことをいいます。
遺伝子組み換え作物や有機農産物の需要の高まり、アレルギーや産地偽装問題などに伴い、食品の安全性が消費者間で高まった結果、取り入れられるようになりました。日本では、牛肉・米・米加工品にトレーサビリティが義務化されています。
トレーサビリティコーヒーについて
トレーサビリティコーヒーとは、その名の通り生産や流通履歴の追跡ができるコーヒーのことです。
ただし、コーヒーのトレーサビリティを実現させるためには、コーヒーの生産の持続性・栽培方法や管理・生産者支援などが必要不可欠であり、コーヒー農園の栽培環境、栽培状況、肥料、農薬の種類、農薬の使用状況、精製方法などの情報の開示が求められています。
「オーガニック」「レインフォレスト・アライアンス」「バードフレンドリー」「グッドインサイド」「フェアトレード」や、SCAAなどの非営利団体や第三者機関による認証コーヒーという形で、一定の査定方法がとられています。
スペシャルティコーヒーの定義として
カップオブエクセレンスの品質基準をクリアしているコーヒー豆をスペシャルティコーヒーと言いますが、実は品質だけでなく、自然環境を尊重した生産過程であるか等もスペシャルティコーヒーとしての重要な要素です。
スペシャルティコーヒーと謳うには、生産・精製・市場への流通に至るまでの経緯がしっかりと明確になっている必要があるということになります。つまり、トレーサビリティコーヒーであることは、スペシャルティと認定するためには必須の条件なのです。
トレーサビリティのメリット
トレーサビリティは、コーヒー豆の流通経路を消費や廃棄まで追跡することができるので、安心してコーヒー豆を買うことができるメリットがあります。
また、購入した豆に問題があった場合、原因の特定を素早く行うことができるため、損害を最小限で抑えることができます。他の産地・銘柄との差別化を計れることも、メリットのひとつです。
トレーサビリティコーヒーは生産流通を追える安全性の高い豆
トレーサビリティコーヒーとは、生産や流通の履歴の追跡ができるコーヒー豆のことです。
ただ、コーヒーの場合は、コーヒー農園の栽培環境から農薬の種類、精製方法などの情報まで開示する必要があり、手間がかかってしまいます。
全てのトレーサビリティコーヒーが認証を受けているわけではありませんが、より細かな追跡をしたい方は認証コーヒー、そうでない方は信頼できるお店でトレーサビリティコーヒーを購入することをおすすめします。