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コーヒー鑑定士とは

コーヒー鑑定士とは

ワインの専門家として「ソムリエ」の資格があるように、コーヒーにも資格があります。クラシフィカドールという、ブラジルの「コーヒー鑑定士」の資格と仕事内容について見ていきましょう。

クラシフィカドール

クラシフィカドールは、ブラジルでのコーヒー鑑定士の呼び名です。クラシフィカドールを取得するには、ブラジル国内にあるサントス市商工会議所の「コーヒー鑑定士コース」に入る必要があります。

全ての課程を終了した後、卒業試験に合格したものだけが、晴れて「コーヒー鑑定士」の資格を手に入れることができるのです。

どのような知識が必要か?

コーヒー鑑定士は“コーヒーのスペシャリスト”ともいえる資格のため、様々な知識・技術を持っていなくてはいけません。

品質を見ぬくための感覚的能力(味覚、触覚、視覚、嗅覚)の正確性はもちろんのこと、コーヒー豆の買い付けのための知識から相場観まで幅広い能力が求められます。

コーヒー鑑定士の仕事

コーヒー豆_カッピングテスト

コーヒー鑑定を行う際の仕事は、識別作業と判断作業の2つがあります。識別作業では視覚・触覚が求められ、判断作業では味覚・嗅覚を使って鑑定が行われるのです。

識別作業(外見による品質判定)

コーヒー生豆の大きさや均質性だけでなく、欠点豆が混入していないかを外的特徴のみで判断しなくてはなりません。

コーヒー豆の業者から送られてくるサンプル豆を“スクリーン”と呼ばれるふるいにかけて、粒の大きさを図るところから仕事は始まります。このチェックを通過した後、豆の中に含まれる「欠点豆(虫喰い、発酵、未成熟豆など)」の数が規定の数値内であるかを調べるのです。

この数値は、どのコーヒー鑑定士がカウントしても同じになるというのには驚かされますよね。その後、形や色合いをチェックして“判断作業”に移っていくのです。

判断作業(味を確かめるカップテスト)

識別作業での検査をパスすると、次に待っているのが味を確かめる“カップテスト”と呼ばれる判断作業です。

まず最初に、湯気から匂う香りを判断するため少々焙煎したコーヒー豆を粉にしてグラスに入れ、お湯を注ぎます。コーヒー豆の個性を確認するため、軽く焙煎した豆を使用するようです。

次に、お湯に入っている粉をかき混ぜ、沈殿後にスプーンを用いて口に運びます。その際は飲まずに、一気に吸い込み吐き出す方法でカップテストを行います。こうして、コーヒーの異味・異臭を確かめ、サンプルの豆を買い付けるかどうか判断するのです。

コーヒー鑑定士コースを受講するには虫歯はNG

コーヒー鑑定士になるためのコースを受講するためには、「口の病気にかかっていない」という条件が必要とされます。つまり、虫歯があってはいけないのです。

味の判断をする際の支障になるという意味合いもありますが、一番はカップテストを行う際の、衛生面に対する考慮だと言われています。不特定多数の人が同じカップのコーヒーを口にふくむので、一人でも虫歯の人がいると感染してしまう恐れがあるためです。

コーヒー鑑定士とは「コーヒーの味のスペシャリスト」

クラシフィカドールと呼ばれるコーヒー鑑定士は、生活面でも気をつけなくてはなりません。飲酒や喫煙はもちろんのこと、食事に関してもニンニクのような刺激物は、コーヒーへの味覚を鈍らせてしまうため、なるべく控えなくてはならないのです。

“泣く”ことによっても鼻の粘膜を傷めるので避けなくてはいけないなど、私生活をすべてコーヒー鑑定のために捧げなくてはならないのです。コーヒー鑑定士「クラシフィカドール」、まるでコーヒーのアスリートのような職業です。

※日本でのコーヒー鑑定士(コーヒーインストラクターの最高位)

ブラジルのサントス市商工会議所で認定されるコーヒー鑑定士ですが、日本における”コーヒーインスタラクター”の最上位の資格にも同名の認定資格があります。こちらはコーヒーインストラクター1級を保持している方に受験資格がある”全日本コーヒー商工組合認定”のコーヒー鑑定士となります。

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coffeemecca編集部

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