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ピート香る「タイ・ドイチャンコーヒー」

ピート香る「タイ・ドイチャンコーヒー」

今回ご紹介するコーヒーはタイ王国産のコーヒー豆です。タイ王国では近年、コーヒーの高品質化とともに商品作物としてコーヒー生産が伸びてきています。

今回はそのようなタイのコーヒー事情にも触れながら、ご紹介させていただきます。

ドイチャンコーヒーはこんな時にオススメ

  • 深みのある香りのコーヒーが好きな方
  • コクのあるコーヒーが好きな方

タイのコーヒーは環境に優しい

タイのコーヒーは「オリエンタルファズ」の記事でも述べましたが、麻薬や貧困からの脱却を目的とした換金作物として近年普及してきた背景があります。

NGOが活発

これら麻薬からコーヒーへの作物転換の動きの中で、タイ王室がスポンサーとなったり、運動を支えるべく多くのNGOが活動に参加したりするようになりました。

そのためタイのコーヒーにはフェアトレードや有機JASなど、自然や社会といった環境に配慮したコーヒーが多く見られます。近年ではむしろ、これらNGOによる認証のないタイ王国産コーヒーを探すほうが難しいくらいです。

ピート香を想像する香り

ドイチャン_コーヒー

フレグランス(豆の香り)は香ばしさと深さが感じらます。スコッチウィスキーのピート香のような柔らかいスモーキーさに、ショコラの深さを加えたような印象です。

アロマはフレグランスより深さが増し、ピート香をさらに燻しているような奥深さが感じられます。

ペーパードリップ:深いコクで“The Coffee”という印象

全体的に苦み・酸味・甘みが少なく、深いコクだけが独り勝ちしているコーヒーです。そのため苦みや酸味など刺激が苦手だけどコクが好きという方には、ちょうど良いかもしれません。また余韻はコクが長く続き、ゆっくりフェードアウトしていきます。

柔らかいコクによる丸みと香ばしいアロマは、まろやかなスコッチウィスキーにカカオを加えたような印象です。

抽出方法の一例

  • 豆の分量:27g(二人前、250ml)
  • 挽き具合:中細挽き
  • 抽出温度:83℃
  • ポイント
    豆を多めで抽出温度はやや高めがオススメです。そしてお湯は細く注いでじっくり繊細な味を出すと、ドイチャンコーヒーの個性をうまく引き出せるような気がします。

フレンチプレス:ウィスキーのツヤと深さ

フレンチプレスで抽出すると、ウィスキーのツヤのかかった柔らかい味に加え、深さを感じることができます。

ペーパードリップと比べるとあっさりしていますが、コクもちょうど良いくらいに感じられます。口に入った時に感じられるフレーバーからアフターテイストに至るまで、一貫して柔らかい印象で、するっと抜けていくようにコーヒーが流れていきます。

抽出方法の一例

  • 豆の分量:18g(350ml)
  • 挽き具合:中粗挽き
  • 抽出時間:4分10秒
  • ポイント
    4分以前だとスッキリクリアさが目立ちますが、4分少々だと濃さが出て香りと合うちょうど良い味になっているように感じられました。

ビターズで香りづけしてみよう

ドイチャン_ビターズ

香ばしい香りが特徴のドイチャンコーヒーは、アンゴスチュラビターズなどでビターオレンジの香りとの相性が良く、より美味しくコーヒーを楽しことができます。

ただビターズなど香りづけのお酒やエッセンスは香りが強いため、ほんの数滴にしましょう。大量に加えてしまうと、かえってコーヒーの風味が損なわれてしまいます。

オススメは一振り(1ダッシュ)くらいです。

ピート香る「タイ・ドイチャンコーヒー」まとめ

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全体的な特徴

  • ピートを想像するスモーキーで柔らかみのある香り
  • 酸味や苦みは弱く、柔らかく奥深いコクが感じられる
  • フレンチプレスで抽出するとシルクのように柔らかい

個人的感想

かなり飲みやすいコーヒーだという印象です。柔らかいコクとウィスキーのような柔らかさを併せもっているため、例えるならばミルクココアを飲むようにスーッと飲めてしまいます。

ゲ―リックコーヒー(スコッチウィスキーを加えたコーヒー)にしても美味しく飲めるかもしれません。

コーヒー豆の情報

  • 名称: ドイチャンコーヒー
  • 産地: タイ王国 チェンライ州
  • 精製: ウォッシュト
  • 焙煎: 中深煎り
  • 公式サイトURL: http://www.doichaangcoffee.com/

 

About the Author

汐井有

モットーは専門化したコーヒーについて、詳細を伝えつつ噛み砕いた説明で興味を持ってもらうこと。 専門的な記事と解りやすい記事の両方を書こうと思っています。