カルディコーヒーファームなどで見かける「ドイトンコーヒー」というコーヒー豆。タイ語で“กาแฟดอยตุง”と書きます。
ドイチャンコーヒーと並び、タイ王国産のコーヒー豆の代名詞的な存在です。もしかすると、買ったことがあったり、お土産で貰ったりしたことがあるかもしれません。
今回はそんなドイトンコーヒーについて、お話しさせていただきます。
ドイトンコーヒーは、こんなコーヒー。
風味・特徴
- 今回の焙煎:ハイロースト~シティロースト
- 香り:ナッツ系の滑らかな香り
- コクと苦みが中心
- モカに似た独特のスパイシーさが少し感じられる
オススメの抽出方法
- ペーパードリップ:苦みが好きな方
- フレンチプレス:スパイシーさが好きな方
相性
- 砂糖 :とても良い
- ミルク:とても良い
- お菓子:マフィンやマドレーヌなど
こんな時にオススメ
- コクと苦みのコーヒーを飲みたい時
- 気分を切り替えたい時に
ドイトンコーヒーについて
ドイトン・ドイチャン何が違う?
ドイトンコーヒーとドイチャンコーヒーは名前が似ていますが、これは産地の違いです。「ドイ“ดอย”」はタイ北部の方言で「山」という意味です。つまりドイトンコーヒーは、「トン山のコーヒー」という訳です。
ドイトンはタイ最北部のミャンマーとの国境近くにあり、ドイチャンはドイトンより60kmほど南にあります。
ドイトンコーヒーの香り
フレグランス(豆の香り)は、煎ったアーモンドのような、スモーキーさと滑らかさを感じることが出来ます。
アロマ(コーヒー液の香り)は、スモーキーさが消えて、ピスタチオのようなナッツの滑らかな感触と、若干ですがカルダモンのようなスパイシーな香りがします。
ペーパードリップ:率直な風味
ストレートな苦みがいきなり襲い掛かってきます。若干まろやかさを含んでいますが、基本的にはクリアテイストです。ストレートな苦みの後は、カカオ90%程度のコクを含んだ苦さに変わり、余韻へと続きます。また風味の中には、ピリッとスパイシーさも少し感じられます。
ど真ん中ストレートで「苦み・コク・スパイシー!!」という、率直なコーヒーです。ちょっと大人でビターな時間を過ごしたいな……という方にはオススメです。
温度高めで苦みを引き出そう
ペーパードリップはお湯を調整することで、味をコントロールできる利点があります。そこでドイトンコーヒー特有の苦みとコクを引き出すには、高めのお湯(85~90℃)でサッと一気に抽出することをオススメします。
すると率直さと苦みとコクが上手いこと引き出せているコーヒーに仕上がりやすいです。
オススメの抽出方法(HARIO V60ドリッパー)
- 豆の分量:一杯(120ml)あたり15g前後
- 挽き具合:中細挽き~中挽き
- 抽出温度:85~90℃
ネルドリップ:広がる苦みとコク
滑らかさによって苦みが豊かさを見せて、立体感を感じることが出来ます。ペーパードリップに比べると曖昧で、苦みが霧のように散らばりフェードアウトしていきます。
苦みはしっかり感じられますが、柔らかみと立体感が相まって芳醇なコーヒーです。飲みごたえ十分なコーヒーです。
オススメの抽出方法(起毛面が外側)
- 豆の分量:一杯(120ml)あたり15g前後
- 挽き具合:中挽き~中粗挽き
- 抽出温度:80~85℃
フレンチプレス
コクと苦みはドリップより弱めですが、盤石でしっかり感じることができます。それより注目したい点が、スパイシーさです。酸味と混ざり合った爽やかなスパイシーさが感じられます。どこかモカコーヒーに近いような印象を受けます。余韻はコクが消えて、独特の酸味が爽やかに感じられます。
タイらしいコクと苦みのコーヒーとは懸け離れた印象のコーヒーですが、これもまた面白いコーヒーでオススメです。
オススメの抽出方法(容量350ml)
- 豆の分量:18g
- 挽き具合:粗挽き
- 抽出時間:4分00秒
オススメのアレンジ:とびっきり甘くしよう
甘~いタイのコーヒー
タイのコーヒーと言えば「甘っ!!」と唸るほど甘いコーヒーというのが特徴。練乳やミルクを多く加えて飲みやすくしたコーヒーが多いです。これは元々東南アジアでは、苦みの強いロブスタ種のコーヒーが多く生産されていたことに由来します。
そこでタイらしく甘くしてみてはいかがでしょうか?ドイトンもコクと苦みが特徴のため、砂糖やミルクとの相性抜群なのです。
オススメのアレンジ例
- 練乳×コーヒー
- ガムシロップ×アイスコーヒー
- ミルク×砂糖×コーヒー
タイ産コーヒーの代名詞「ドイトンコーヒー」まとめ
個人的な感想
苦みとコクの深さと、ちょっぴり来るスパイシーさが、たまらないコーヒーです。また全国のカルディコーヒーファームでも販売されているため、タイ産のコーヒー豆を飲んでみたいという方には、買いやすいでしょう。
高品質のコーヒー豆というと中南米というイメージが強いですが、タイも負けず劣らず美味しいコーヒー豆の産地です。ぜひ一度飲んでみてはいかがでしょうか?
コーヒー豆の情報
- 名称:ドイトンコーヒー
- 産地:タイ王国チェンライ県ドイトン
- 精製:ウォッシュト
- 焙煎:ハイロースト~シティロースト程度
- ドイトンコーヒー公式HP(英語/タイ語)
https://www.doitung.com/en/ - カルディコーヒーファーム・ドイトンコーヒー
http://www.kaldi.co.jp/coffee/environment/duitung.php