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【エチオピア】Geisha in the Wild「ゴリ・ゲシャ(ハニー)」

【エチオピア】Geisha in the Wild「ゴリ・ゲシャ(ハニー)」

ゲイシャ種と言えば、話題のたえない注目のコーヒー豆。取引価格や独特の風味をもってして世界を驚かせた品種です。今回のコーヒー豆は、そんなゲイシャ種の故郷、エチオピアの“ゲシャ村”のコーヒー豆です。

「ゲイシャ種ってパナマじゃないの!?」と思った方、実はパナマではないのです。ゲイシャ種を有名にしたのはパナマですが、原産地はエチオピアなのです。

「ゴリ・ゲシャ(ハニー)」は、こんなコーヒー。

  • 今回の焙煎:ハイロースト

香り

  • フレグランス(豆の香り)
    蜂蜜やメープルのような甘い芳香
  • アロマ(コーヒーの香り)
    アニスのような甘いハーブ感のある香り

風味

  • ミントやアニスのようなハーブ感
  • 苦みやコクは弱く、全体的に爽やか
  • 原産地のゲシャ産だがゲイシャらしくない

こんな時にオススメ

  • 一風変わったコーヒーを探している方
  • エチオピアの多様さを感じたい時
  • 暗い気分を吹き飛ばしたいとき

「ゴリ・ゲシャ」とゲイシャ

以前、一度同じゲシャ村のゲイシャ種を扱いました。それが「ゲシャ・ゲイシャ」です。

元祖ゲイシャ「ゲシャ・ゲイシャ」

この記事で扱ったコーヒー豆は、皆さんが耳にする“(パナマ産)ゲイシャ種”に近い形態のコーヒー豆です。そのため、ジャスミンらしいフレーバーが感じられるなど、ゲイシャ種らしいテイストを持っています。

ゲイシャではなく「ゴリ・ゲイシャ」

しかし、今回のゲイシャはまた一味違います。テイストが一般的な“ゲイシャ種”とは異なるのです。パナマ産のゲイシャは、ゲシャが自生している「ゴリ・ゲシャ」から選別したものが元となっています。つまり、自生しているゲシャの中の一つに過ぎません。

ところが今回の「ゴリ・ゲシャ」は名前が示すように、自生ならではの多様性を保ったコーヒー豆なのです。そのため、ジャスミンで例えられるパナマ産のゲイシャらしいテイストが、思っている以上に感じられないのです。

ペーパードリップ:ハーブ感あふれる一杯

複雑な酸味・甘み・爽やかさの3つが入り混じった面白いコーヒーです。

複雑な酸味はハーブのような独特さを持っていますが、シトラスのような明るさも併せ持っています。さらに、ハニーならではの甘みも強く感じられ、爽やかな余韻はコーヒーの風味がサッと引いていきます。

こういった風味は、どこかアニスやミントに近い印象を受けます。甘みが強いところはハニーらしいのですが、円やかな甘ったるい典型的なハニーコーヒーではありません。モカの爽やかさだけを最大値に引き上げたような、そんな一風変わったテイストに注目したいところです。

意外と高めが良いかも

今回はハニー(パルプドナチュラル)のコーヒーなので、低温で淹れると甘さに負けて他の味が上手く引き出せません。そのため、少なくとも80℃オーバーで淹れることをお勧めします。あるいはコーヒー豆の量を増やしても良いでしょう。

何度か淹れてみましたが、思った以上に風味が出づらいコーヒーです。今回の類のコーヒー豆は、ミディアムロースト~シティロースト程度の焙煎が一般的なので、なおさら味を引き出すのに苦労しがちです。淹れる時は味を引き出すことに注意して頂きたいところです。

今回の抽出方法(HARIO V60ドリッパー)

  • 豆の分量:一杯当たり12g(一杯120mlで計算)
  • 挽き具合:中挽き
  • 抽出温度:83℃

ネルドリップ:マイルドだけど個性は弱め

甘みが強く感じられるので、舌触りはとても滑らかです。しかしシトラスらしい明るさもほのかに感じられます。特に余韻では柔らかな甘みとほのかな爽やかさが、完熟したオレンジのような感覚を与えてくれます。

ペーパードリップと比較すると、円やかでアニスらしさは弱まっています。そのため、飲みやすさという点では、ネルの方が優れているでしょう。ただゴリ・ゲシャらしい個性は弱まりがちです。淹れる時はコーヒー豆を多めにしたり、少し温度を高めにしたりすると、風味も強く出て良いかもしれません。

今回の抽出方法

  • 豆の分量:一杯当たり12g(一杯120mlで計算)
  • 挽き具合:中挽き
  • 抽出温度:83℃

フレンチプレス:風味を引き出すのが難しい

甘みや酸味、どれも滑らかです。テイストの境界線が曖昧なので、浅煎りの場合は物足りなさがあるかもしれません。フレンチプレスで淹れるのであれば、ハイロースト以上の豆がオススメです。

ハニーだけあってやはり甘みは強く、エチオピアらしさは薄めです。また、ドリップのようなアニス感も薄いため、かなり飲みやすいマイルドなコーヒーに仕上がっています。

口当たりから舌触りまでマイルドなので、良く言えば飲みやすいのですが、飲み応えという点では欠けている印象です。淹れる時は使う豆の量を2割増しにした方が良いかもしれません。

今回の抽出方法

  • 豆の分量:18g(容量350mlのプレスを使用)
  • 挽き具合:粗挽き
  • 抽出時間:沸騰したお湯で4分00秒

水出しコーヒー:もはやミントティー

円やかでコクや酸味が最大限に抑えられているため、ハーブ感が強く出ています。もはやコーヒーというより、ミントのハーブティーと言った方が近いかもしれません。甘さと爽やかさはまさにスペアミントで、わずかに感じる苦みがそのハーブ感に拍車をかけています。

一般的なコーヒーを基準に美味しいかと問われると、少々測りづらいところではありますが、これはこれで、コーヒーの新たな一面を垣間見ることができるような一杯です。

今回の抽出方法

  • 豆の分量:一杯当たり10g
  • 挽き具合:中挽き
  • 抽出時間:6時間

ミルク・砂糖との相性

  • ミルク:あまり良くない
  • 砂糖 :ほどほど

カフェオレ向きではない

アニスらしいテイストや浅めの焙煎で飲まれるコーヒーなので、あまりカフェオレに向いているとは言えないでしょう。飲み応えが弱いというだけではなく、折角の個性がミルクで消えてしまって、単なる「風味の付いたミルク」になってしまいます。

深煎りにするとカフェオレに良いかもしれませんが、そうすると、逆にゴリ・ゲシャの個性が活かされないので、それもまたお勧めはしません。そのままブラックで飲むのがベストのような気がします。

自然を味わうゴリ・ゲシャ

このゴリ・ゲシャは、皆さんが普段から飲まれる「苦くて黒いコーヒー」とは全くの正反対に位置している所に、コーヒーの多様さを思わせてくれます。またゲイシャのジャスミンらしさとも離れたテイストは、どこか自然そのままのゴリ・ゲシャらしさを感じさせてくれます。

このようなゴリ・ゲシャの風味は、多様なコーヒーが自生しているエチオピアだからこその賜物なのかもしれません。

コーヒー豆の情報

  • 名称:ゴリ・ゲシャG1 ハニー
  • 産地:ゲシャヴィレッジ農園(エチオピア、南部諸民族州)
  • 精製:パルプドナチュラル
  • 今回の焙煎:ハイロースト

About the Author

汐井有

モットーは専門化したコーヒーについて、詳細を伝えつつ噛み砕いた説明で興味を持ってもらうこと。 専門的な記事と解りやすい記事の両方を書こうと思っています。