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Nuts & Gelato「ブラジル サマンバイア」

Nuts & Gelato「ブラジル サマンバイア」

ブラジル サマンバイアというコーヒー豆は、ブラジルで入賞経験を持つ優れたコーヒー豆です。その証拠となるのが写真にもある “Cup of Excellence 2015”(通称COE) と記載されているコーヒーカップのマークです。
ではこれから、この「ブラジル サマンバイア」というコーヒーの凄い点にも触れながら、お話させていただきます。

「ブラジル サマンバイア」はこんな時にオススメ

  • 心が洗われる透明なコーヒーを飲みたい時
  • フワッとした感覚に浸りたい時

一握りの最上級コーヒー

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写真をご覧になって、「20位って良いの?」と思った方もいるのではないでしょうか。結論から言うと、とても良いのです。

20位の凄さとは?

なぜかというと、そもそもコーヒー豆は非常に不安定な作物です。その年の気候によって品質が大きく変動することもあります。そのため、今年は20位であっても、今後どうなっていくのかは全く読めないのです。
その上、世界最大のコーヒー豆生産量のブラジルだからこそ、20位といえどもほんの一握りしか選ばれない“最上級”のコーヒーなのです。

上質なナチュラル・コーヒー

ウォッシュト製法で選別

高品質なコーヒー豆の多くは、果実からコーヒー豆を取り出す過程で「ウォッシュト(水洗式)」と呼ばれる方法を用います。これは、コーヒーの果実を水に浸し、浮き沈みで良し悪しを選別してから、機械で果実を取り除いてコーヒー豆を取り出す方法です。
この方法をとることでコーヒー豆の良し悪しが選別できるため、高品質のコーヒーを選りすぐるには適しているといわれています。

COE入賞の実力とナチュラル製法

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しかし、サマンバイアはナチュラル製法という方法をとっています。これはコーヒーの果実ごと天日干しをして、果実を乾燥させて剥がしとり豆を取り出す方法です。
この方法では選別する工程がないため、不良品のコーヒー豆が混じってしまう可能性があります。そのため、ナチュラル部門で表彰されることは、そのデメリットを克服するほどの“品質管理の行き届いた農園”ということです。

香り:ナッツと華やかさ

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豆の香り(フレグランス)はナッツのような落ち着いた香りを持ちつつも、華やかさも持ち合わせているように感じられます。ナッツの香りを感じた後、鼻の奥で華やかさが広がる印象です。
アロマ(コーヒーの香り)はナッツ系のほかに、熟した果実のような芳香も感じられます。

ペーパードリップ:ナッツのジェラート

フレーバーは柔らかいナッツのようで、滑らかな甘みとコク、そして酸味を感じることができます。全体的に透明感があるため、風味がサラッと流れていった後は、甘みを含む心地よい余韻を楽しむことができます。
初めに感じられるコクは安定さがあり、余韻はフワッと心地よく、どこかナッツ系のジェラートを食べている感覚に近いものを覚えます。

抽出方法の一例(コーノ式名門ドリッパー)

  • 豆の分量:25g(250ml、二人分)
  • 挽き具合:中細挽き
  • 抽出温度:80℃
  • ポイント
    今回は25gの豆を80℃のお湯で抽出しましたが、豆の分量を数g多くしてみたり、84℃くらいで抽出してみたりするのもよいかもしれません。そうするとナッツ感がより前面に出てくるでしょう。

フレンチプレス:甘く、透き通った味

フレンチプレスで抽出すると、ペーパードリップ以上にフワッとした感覚に包まれます。全体的に甘みが強く、ほのかに感じられるコクから香り立つような感覚です。また、余韻は爽やかさにより、非常にスッキリとしていて透明で、甘味だけが漂います。
飲み始めに感じられるフレーバーから余韻に至るまで、終始にわたり透明感のあるフワッとしたコーヒーです。

抽出方法の一例

  • 豆の分量:17g(300ml)
  • 挽き具合:粗挽き
  • 抽出時間:3分45秒
  • ポイント
    ペーパードリップとは逆に、抽出時間は短めで軽めに抽出することをオススメします。抽出時間を長くすると透明感が濁っているように感じられました。

まろやかに、柔らかに。

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バニラオイルを加える

ナッツ系の風味とフワッとしたコクは言うまでもなく、バニラ系の香りとの相性が良いです。コーヒーを飲んでいるはずなのに、どこかアイスクリームのような感覚も感じることができます。

少しだけミルクを加える

カフェオレも良いところですが、ミルクを少しだけ加えることをオススメします。するとミルクのまったりさがナッツ感と混ざり合い、何とも言えない良い感じになります。
少しのミルクであっても、カフェオレのような柔らかさを感じることができます。

極めたナチュラル「ブラジル サマンバイア」まとめ

全体像

  • ピスタチオやマカダミアなどの華やかなナッツのよう
  • 透明感がある
  • フワッとした余韻がある

個人的感想

近年では、従来のウォッシュト製法で占められていたスペシャルティコーヒーに変化がみられています。その変化の中で以前は安価で容易な精製方法と見なされていたナチュラル製法も、改良や技術の向上により見直されています。
その一つ、サマンバイア農園が送り出すナチュラル製法の本気を、味わってみてはいかがでしょうか?

コーヒー豆の情報

  • 名称:サマンバイア・ナチュラル
  • 産地:ブラジル ミナスジェライス州
  • 精製:ナチュラル
  • 焙煎:中煎り
  • 購入店:創作珈琲工房くれあーる
  • 購入店URL:http://uchidacoffee.shop-pro.jp/

About the Author

汐井有

モットーは専門化したコーヒーについて、詳細を伝えつつ噛み砕いた説明で興味を持ってもらうこと。 専門的な記事と解りやすい記事の両方を書こうと思っています。