コーヒー豆の精製過程では、通常は機械で乾燥させるか、炎天下でワイルドに乾燥させる方法が主流です。しかし今回ご紹介するコーヒー豆は陰干しをしています。陰干しだからこそ味わえる“未知の風味”これからお話しさせていただきます。
「ブラジル・陰干し」はこんな時にオススメ
- 甘みのあるコーヒーを味わいたい時
- 風味の凝縮されたジューシーなコーヒーを飲みたい時
- 苦味が得意ではない方
- 新たなコーヒーの世界を探している時
陰干しコーヒーとは?
通常のコーヒー豆は、機械で人為的に乾燥させるか、もしくは太陽の下で天日乾燥させます。理由は単純で、乾燥前の水分を含んだコーヒー豆はすぐに乾燥させないと腐敗していくからです。
それを、敢えて腐らないように手間をかけながら、日陰で半月〜一か月間ゆっくりと乾燥させたものが陰干しコーヒーなのです。
陰干しコーヒーの特徴
陰干しコーヒーの特徴は、豊かな甘みと旨みにあります。これらの味は陰干しだからこそ生み出すことのできる味とされており、そのポイントはコーヒーの果肉にあります。
コーヒーチェリーの果肉には甘みが凝縮されています。しかし、機械乾燥や天日乾燥はすぐ工程が終わってしまうため、豆に甘みが移る前に果肉が乾燥し剥がれ落ちてしまいます。しかし陰干しをすると半月以上も時間が掛かるため、その期間に果肉の甘みがしっかりとコーヒー豆に移るのです。
その反面デメリットもあり、乾燥期間が長いため腐敗しやすく、また腐敗させないように手間を要します。そのため希少性の高いコーヒー豆となっています。
凝縮された甘みと旨み
香りが美味しい
コーヒー豆から香るフレグランスは、滑らかで旨みを感じさせる芳醇な香りがします。感覚としては出汁の効いたスープのような、いかにも美味しさを感じさせてくれる香りです。
アロマはフレグランスよりコーヒーらしさを含んでおり、キャラメルやピーナッツクリームのようなとろける感覚です。
ジューシーさと甘み
口にした瞬間、凝縮されたジューシーで独特なフレーバーが口の中を包み込みます。カンパリのようなフルーティーさと、ビターでスウィートな風味を兼ね備えた独特な印象を受けます。
そして一番の特徴がフレーバーから広がっていく複雑な甘みです。コーヒーチェリーはジャムに使われるほどの甘さのため、陰干しコーヒーからもしっかりとした甘みを感じることができます。またパルプドナチュラルによる「ハニーコーヒー」とも一線を画した甘みです。
ペーパードリップ:凝縮された味
ペーパードリップの場合、凝縮された濃い味と豊かな甘みを楽しむことができます。陰干しの特徴をじっくり味わいたい方は、ペーパードリップが最も顕著に特徴が表れている印象なのでオススメです。
抽出方法の一例(コーノ式名門ドリッパー)
- コーヒー豆の分量(二人分、250ml)
・25g:ちょうど良い濃さに仕上がります
・30g:凝縮されたジューシー感があり飲みごたえ抜群 - 挽き具合:25g, 30gともに中細引き
- 抽出温度:25gは80℃、30gは85℃
- ポイント
30gで淹れる場合、お湯を高めの温度にし、濃いめに抽出するのがオススメです。対して25gで淹れる場合は、温度が高すぎると雑味のもとになるので気を付けましょう。
フレンチプレス:ドリップ並みの濃さ
通常、フレンチプレスで抽出したコーヒーは薄めに仕上がります。そして飲みごたえがあまり無いため、フレンチプレスが好きでない方もいるでしょう。
しかし、ブラジル・陰干しはフレンチプレスで抽出しても、ペーパードリップ並みのしっかりしたコーヒーに仕上がります。飲みごたえもあり、微粉がなければペーパードリップと間違えてしまうくらいです。
抽出方法の一例
- 豆の分量:18g(300ml)
- 挽き具合:粗挽き
- 抽出時間:3分50秒
- ポイント
抽出時間が長いと様々な風味が抽出され、旨みがボヤけてしまうので気を付けたほうが良いかもしれません。
夜に飲みたいコーヒー
ブラジル・陰干しは夜にゆっくり飲む一杯という感覚で、じっくり甘みと旨みを味わうと良いかもしれません。味の特徴からは、朝のようなリフレッシュしたい時に飲むコーヒーではない印象です。
イメージとしては、ディナーの後にウイスキーやブランデーを飲みながら自分の時間を過ごすような感覚と言えば伝わるでしょうか。ゆっくり味わってもらいたいコーヒー豆です。
未知の旨みと甘み「ブラジル・陰干し」まとめ
なかなか複雑で言葉で伝えるのが難しいコーヒー豆ですが、気になる方には一度飲んでもらいたいコーヒー豆です。フレンチプレスでも濃く抽出される凝縮された風味は、まさに未知の旨みと甘みです。気になる方は実際に飲んでみるのが一番良いかもしれません。
豆の情報
- 名称:ブラジル・陰干し
- 産地:ブラジル
- 焙煎:シティロースト(注文時に焙煎度合いが選択できます。)
- 購入店:珈琲問屋
- 購入店URL:http://www.tonya.co.jp/