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スラウェシの至宝「タナ・トラジャ」(炭火焙煎)

スラウェシの至宝「タナ・トラジャ」(炭火焙煎)

コーヒー好きな方にはたまらないトラジャ・コーヒー。スラウェシ島で育てられていて、インドネシアではマンデリンと並ぶ高級コーヒー豆として、その名を馳せています。

そのトラジャの中でも有名な「タナ・トラジャ」の炭火焙煎を今回は紹介させていただきます。

タナ・トラジャ 今回の飲み方

タナ・トラジャ(深煎り、およそフレンチロースト)

タナ・トラジャ_器具

ペーパードリップ(写真 左手前)

  • 使用器具:コーノ式名門ドリッパー
  • 豆の分量:30g(二人分)
  • 挽き具合:中細挽き
  • 抽出温度:90℃

フレンチプレス(写真 右奥)

  • 豆の分量:18g(350ml)
  • 挽き具合:粗挽き
  • 抽出時間:3分45秒

オランダ王室御用達だった高級豆

世界史の好きな方でしたら、オランダとコーヒーとの繋がりに思い当たる節があるのではないでしょうか。インドネシアは戦前、オランダの植民地支配のもと、コーヒー栽培が推し進められていました。そんな中、高評価を受けてオランダ王室御用達に認定されたのがトラジャ・コーヒーです。

一度は廃れたトラジャ・コーヒー

トラジャというのは地名ではなく民族の名前です。スラウェシ島南部の山岳地帯、トラジャ族の居住する地域一帯で生産されたコーヒー豆のことです。

さて御用達「だった」という言葉、なにか引っかかりませんか?実は、大戦後のオランダ撤退と同時に、一度、トラジャのコーヒー豆生産は廃れてしまっています。しかし、日本の大手企業キーコーヒーが農園再興に尽力し、現在のように蘇ったのです。

香ばしさ×ダークチョコレートのような味

タナ・トラジャ_完成品

今回のトラジャは、炭火による香ばしさとほのかなフルーティーさを含む豊かでクリーミーな香りがします。

そして、口に入れた瞬間、滑らかな口当たりと一緒に炭火焙煎らしいスモーキーな風味が口の中を覆いつくします。スモーキーな風味は、口の中に広がった後、すぐに消えていくので、とても良い余韻が残ります。

また、トラジャ特有の強めのコクと甘味により、調和されたバランスのとれた風味が、スモーキーな余韻とともに感じることができます。まるで80%ほどのダークチョコレート、といったような印象を案じることができます。

ペーパードリップで炭火焙煎らしさを

ペーパードリップだと苦味とコクが強く出て、フルボディーという言葉が似合う味になります。そのため、トラジャらしさ、もしくは炭火焙煎らしさを味わいたい方はペーパードリップがお勧めです。

強めな味わいなので、砂糖やミルクを入れて飲むことで濃厚でカフェラテのように楽しむことができます。

フレンチプレスで飲みやすく

対してフレンチプレスだと苦味とコクが弱めとなりますが、柔らかさが増すので、ペーパードリップに比べて飲みやすいコーヒーに仕上がります。そして、柔らかいながらも炭火のしっかりとした安定感もあるので、面白みのある味わいに仕上がります。

炭火焙煎だからストロングで飲みたいと思う方が多いかもしれませんが、一度フレンチプレスで飲んでみるのも良いかもしれません。

【番外編】ネルドリップで淹れてみる

タナ・トラジャ_ネル

試しにネルドリップで抽出してみたところ、個人的にかなり美味しく感じたので載せてみました。

  • 豆の分量:18g(一人分)
  • 挽き具合:中細挽き
  • 抽出温度:85℃

ネルドリップは、ペーパードリップ同様苦味とコクが強いですが、また違う様相を感じることができます。全体的に甘みがより強くなり、味・風味に深みが増しています。

ペーパードリップでは一口目にガツンと炭火のスモーキーさが来ますが、ネルドリップの場合は油分が包み込んでくれるので、優しい口当たりです。そして、時間差でジワジワと苦みが効いてきます。

タナ・トラジャ(炭火焙煎)を楽しむ

楽しみ方①:クリームを入れてみる

タナ・トラジャはコクと苦みと甘味、そしてスモーキーさが特徴なので、生クリームを少し足し、濃厚なコーヒーで頂くのもオススメです。カフェオレとは違う濃さとまろやかさがしっくりくるのがたまりません!

楽しみ方②:超ストロングで抽出する

「苦味が強く深煎りの炭火焙煎」なので、濃厚に飲んでみたいという方もいらっしゃるのではないでしょうか。実際に抽出してみましたが、リストレット(通常の1/2の量の濃厚エスプレッソ)をブラックで飲んでいるような苦さです(笑)

非常に飲みづらく感じましたが、極限の苦味を味わって楽しんでみるという意味では、一度体験してみるのも有りかもしれません。

スラウェシの至宝「タナ・トラジャ」(炭火焙煎)まとめ

このタナ・トラジャ、炭火焙煎で飲みたいコーヒー豆として、五本の指に入るくらいのコクや苦味、甘味を持ち合わせているコーヒー豆です。

炭火焙煎珈琲といえば、スモーキーさを楽しむ飲み方が多いかもしれませんが、タナ・トラジャは炭火焙煎により味が引き立てられる側面があります。

炭火焙煎に興味のある方は、ぜひタナ・トラジャを飲んでみてください!

コーヒー豆の情報

  • 名称:熟旨タナ・トラジャ
  • 産出国:インドネシア スラウェシ
  • 焙煎:深煎り
  • オススメの飲み方
    ネルドリップ(一番おいしく感じられた)
    フレンチプレス(面白味のある味になる)
  • 購入店:南蛮屋
  • 購入店URL:http://www.nanbanya.co.jp/

About the Author

汐井有

モットーは専門化したコーヒーについて、詳細を伝えつつ噛み砕いた説明で興味を持ってもらうこと。 専門的な記事と解りやすい記事の両方を書こうと思っています。