インドネシアのスマトラ島で栽培されているマンデリン。同国ではトラジャと並ぶ高級コーヒー豆です。
そのマンデリンの中でも「リントン」という地域で生産されているものは、マンデリン・アチェやマンデリン・トバコとともに有名なマンデリンです。
リントン・マンデリンの炭火焙煎について、今回はご紹介します!
リントン・マンデリン 今回の飲み方
リントン・マンデリン(フルシティロースト)
ペーパードリップ
- 使用器具:コーノ式名門ドリッパー
- 豆の分量:30g(二人分)
- 挽き具合:中細引き
- 抽出温度:90℃
フレンチプレス
- 豆の分量:18g
- 挽き具合:粗挽き
- 抽出時間:3分45秒
マンデリン×炭火=薫るフルボディ
マンデリンといえば、コクのあるコーヒー豆の代表として知られています。今回はその豆を炭火焙煎しているため、さらに苦みも増したフルボディに仕上がっています。
濃厚なコクと奥深さ
抽出したら、まずは香りを嗅いでみてください。芳醇で深みのあるブランデーのような香りに、スモーキーさが混ざることで、非常に複雑で奥深い香りです。
口当たりは強めで、マンデリン特有の濃厚なコクと苦み、そして炭火焙煎によるスモーキーさが感じられます。その反面、ほのかに甘みも感じられるので、強い苦みの後にそっと来る優しさを感じることができます。
複雑かつスパイシー
また、苦みが消えていくにつれて、薬草やスパイス、トロピカルやエスニックといった刺激のある風味が余韻として長く残ります。複雑なマンデリンらしさが手に取るように感じられる瞬間です。
魅惑を生むコーヒー豆事情
マンデリンは他のコーヒー豆とは違う「独特な豆」という印象があるのはないでしょうか。深いコクと苦みがあり、酸味と華やかさが弱いという、有名な銘柄にはない特徴を持っています。
これは「スマトラ式」という特殊な精製過程(コーヒー豆を実から取り出して乾燥させる過程)に起因しています。聞いたことがあるけど詳しくは知らない・・・という方も多いのではないでしょうか?
ここが違う!スマトラ式
一般的な精製方法であるナチュラルやウォッシュトは、実から果肉を落とした後、完全に乾燥させる工程をとります。その後、パーチメントという薄い殻を脱穀し、コーヒー生豆が出来上がります。
しかし、スマトラ式は不完全な乾燥状態で脱穀してから、生豆の状態で乾燥させる工程をとります。パーチメントから脱穀するタイミングの違いにより、マンデリンの個性的な味が生まれると言われています。
このスマトラ式を経たコーヒー豆の特徴として、通常の精製方法を経た豆より濃い緑色の生豆となります。初めて見た方はカビや腐敗が進行していると勘違いしがちですが、それが個性的な味の証明なのでご安心ください。
リントン・マンデリン(炭火焙煎)を楽しむ
濃厚なケーキと一緒に
炭火焙煎のマンデリンが持つ、奥深くスパイシーな風味は、濃厚なケーキとの相性が抜群です!特に、オペラやザッハトルテなどの、チョコレートを使用した濃厚ショコラは最高です。ほかに手軽に食べられるお菓子として、フィナンシェやスフレなどとの相性も良く、マンデリンを引き立ててくれます。
濃く、深く淹れてみる
マンデリンを飲むうえで、コクと苦さを楽しまないのはもったいないです!しかも炭火焙煎なので、ことさらもったいない!
そう思われる方は、いつもよりコーヒー豆を多く使って抽出してみてください。苦みが強くなるので飲みづらいかもしれませんが、コーヒーの深みというものを実感することができます。その中にほのかにあらわれるスパイシーさは、マンデリンらしさを十分に実感させてくれます。
深みを味わいたい方は、フレンチプレスよりペーパードリップを使うほうが良いでしょう。あるいはネルドリップを使ってみるのも良いかもしれません。ペーパードリップにはない、柔らかさが増して飲みやすくなります。
コクと苦みの「リントン・マンデリン」(炭火焙煎)まとめ
今回紹介したリントン・マンデリンの炭火焙煎は、数あるコーヒー豆の中でも五本の指に入るくらいの深みと独特さを持っています。
最近のスペシャルティコーヒーは、浅煎りの傾向にあり酸味の効いたコーヒー豆が人気ですが、リントン・マンデリンのような苦みの強いコーヒー豆も飲んでみてはいかがでしょうか。コーヒーの持つ可能性や多様性を、より広げることができるかもしれません。
ぜひ深みのあるコーヒーを飲みたいときに欲しい銘柄です!
豆の情報
- 名称:リントン・マンデリン
- 産出国:インドネシア スマトラ島
- 精製方法:スマトラ式
- 焙煎:中深煎り(フルシティロースト)
- オススメの飲み方
ペーパードリップ・ネルドリップ(濃く抽出するのがオススメ) - 購入店:南蛮屋
- 購入店URL:http://nanbanya.co.jp/