リベリカ種は、アラビカ種やロブスタ種とともに、コーヒー三原種のひとつに数えられてます。消費量はとても少なく、世界全体のコーヒーの流通量の1%に満たない状態です。
また、主にヨーロッパで消費されているため、日本ではほとんど馴染みがありません。
リべリカ種の産地
リベリカ種は、アフリカのリベリア共和国が原産地です。かつては、アフリカ西部のみでの生産でしたが、現在はベトナムやフィリピンでも生産されています。ロブスタ種と同様、低地での栽培が可能で過酷な環境下でも育つ屈強さが特徴です。
リベリカ種の特徴
上記で述べた通り、海抜200m以下の主に低地・平地栽培され、雨の少なさにも強く害虫病にも強い品種です。また、他の品種に比べ10m以上にも育つのも特徴です。
しかし、果実が成熟するのに時間がかかること、大木になるので収穫が大変だということ、収穫量が少ないことの3つの特徴があります。収穫量の少なさはこれらの原因の他、アラビカ種やロブスタ種に比べて風味が劣っているという天にもあります。
流通しにくい品種
また、品種の固定がしにくいなどの難しさがあり、なかなか流通していない品種です。豆の大きさにばらつきがあり、焙煎も難しいそうです。そのため、生産国での自家消費や、研究などに使われています。
また、アラビカ種やロブスタ種では交配が行われていますが、リベリカ種は原種のまま栽培されています。
フィリピン産バラココーヒー
リベリカ種のコーヒーを一般的に飲用している国として、フィリピンがあげられます。もともとフィリピンはコーヒー産業が盛んで、19世紀ごろに輸出量世界第4位を誇っていました。しかし、19世紀後半に、さび病が大流行し、栽培されているコーヒーノキの大部分が被害を受けてしまいます。
現在では、その時に生き延びた木と、アメリカ統治時代に作られたプランテーションによる、ロブスタ種から主にコーヒーが生産されています。
リベリカ種の活用
リベリカ種は、流通は少なくとも代々受け継がれてきています。主に、コーヒー農園の人々が家庭用として栽培してきており、Baracoコーヒーとして収穫されています。Baracoとは、現地語で「強い」という意味です。味は、強い香りとカフェインが感じられ、後味はスッキリとしているそうです。
現地のコーヒー農園の人々は、Baracoコーヒーが一番おいしいと評価しています。フィリピンのルソン島パタンガス州のリバで収穫されるものがもっとも有名です。
伝統的な品種「Baraco」
良質で伝統的な本物のBaracoコーヒーは、パタンガス州の農園でとれたものだけに与えられる名だそうです。近年では、この伝統的なBaracoコーヒーを復活させ、世界に発信していこうとの試みもされています。
マレーシア産エレファントコーヒー
マレーシアで栽培されているリベリカ種のコーヒーは、エレファントコーヒーとして近年注目されています。15~16世紀にインドネシアから伝わりました。1875年頃よりマレー半島南部地域で栽培され始め、現地住民に珍重され飲み続けられてきたコーヒーです。
日本でも近年、幻のコーヒーとして販売されています。スパイシーですが、意外とマイルドで甘みが感じられる味だそうです。
コーヒー豆リベリカ種の特徴と産地のまとめ
アラビカ種、ロブスタ種と比べると生産量も流通量も少なく、希少性の高いリベリカ種。最近までは、現地の人が自家消費するのみでしたが、インターネットの普及などにより、広く知られる存在になりました。
日本でもわずかではありますが、取り扱いのあるコーヒー豆専門店もあります。誰でも手に入れることは可能です。現地ではリベリカ種を復活しようとの試みもされていますので、将来身近なコーヒー豆となる日がくるかもしれません。