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【ケニア】自然に育まれた「ジャングルエステート」

【ケニア】自然に育まれた「ジャングルエステート」

ケニアと言えばサバンナ……ではなく、今回は「ジャングルエステート」です。ケニアの首都ナイロビから100kmほど北にあるニエリ(Nyeri)を産地とし、名前の通りサバンナとは違い緑豊かな地域で作られているコーヒー豆です。

「ジャングルエステート」は、こんなコーヒー。

  • 今回の焙煎:ハイロースト

香り

  • フレグランス(豆の香り)
    明るいベリーのような感触だが少し柔らかさもある香り
  • アロマ(コーヒーの香り)
    完熟感のある甘い芳香で緩く漂う

風味

  • ジューシーで強い酸味
  • 滑らかなコクと甘み
  • イエメン・モカに似た余韻のさわやかさ

こんな時にオススメ

  • 気分転換したいとき
  • ストロングなコーヒーが好みの方
  • 昼に飲みたいコーヒー

ケニア山の麓で育ったコーヒー

ジャングルエステートの産地であるニエリ地区は、ケニア山(Mlima Kenya)の麓にあります。

ケニアと言うと「赤道直下の暑い」イメージがあるかもしれませんが、一概にそうとは言えません。低酸素地帯による陸上選手の強豪国であるように、内陸部は標高が高いのです。

今回のジャングルエステートも標高1700m級の地帯で生産され、平均最低・最高気温も年間を通して10℃前後・25℃前後と一定しています [2016年の気候データ]。熱帯の印象とは裏腹に、コーヒーの産地として優れた場所なのです。

ペーパードリップ:ジューシーだけど安定感

カシスのようなジューシーな力強い酸味に、果実らしい自然の甘みが特徴的。

ペーパードリップ特有のキリッとしたクリアさが、酸味を強く引き立てています。しかしその一方で、舌触り滑らかな安定感のあるコクも持っており、飲み応えがあります。

そして余韻がまた面白く、イエメン産モカで見られるようなサワークリームに似た、深みのある爽やかさが感じられます。様々な味が力強く跋扈している何ともケニアらしいコーヒーですが、最後の爽やかさが綺麗に纏めている所が不思議と堪らない一杯です。

強い風味を引き出していこう

ジャングルエステートの特徴は、力強い酸味から始まって特有の爽やかさで終わる個性です。そのため、この個性をどこまで引き出すかが、このコーヒー豆の勝負どころです。

滑らかさと両立させたいという方は80~85℃の中温で入れてみると良いでしょう。一方で力強さを強調したいという方は、90℃近くで淹れてみたりコーヒー豆の量を増やしてみたりするとオススメです。

オススメの抽出方法(HARIO V60ドリッパー)

  • 豆の分量:一杯当たり12g(一杯120mlで計算)
  • 挽き具合:中挽き
  • 抽出温度:80~90℃

ネルドリップ:ケニアを抑えたコーヒー

カシスらしい強い酸味を残しつつも、ペーパードリップとは違う表情も見せてくれます。

舌触りの滑らかさが酸味より前面に出ています。ですので強い酸味も束の間、滑らかなコーヒーへと変貌します。この滑らかさはコク・甘みがバランスよく立っており、ケニアらしい野性味とは一線を画したテイストです。

余韻はペーパードリップのような爽やかさが中和され、スルスルと滑らかに流れていくように消えていきます。その滑らかさにネルらしさを見出すことができるでしょう。

オススメの抽出方法

  • 豆の分量:一杯当たり12g(一杯120mlで計算)
  • 挽き具合:中挽き
  • 抽出温度:

フレンチプレス:幅の広い風味

コクや甘みもよく引き出されているため、酸味は和らいでいます。この酸味は甘みと混ざって、煮詰めたカシスジャムのような風合いが見られます。コクはかなり柔らかく儚げです。

また、フレンチプレスならではのポイントが、コクや甘みをも含んだジャングルエステートが持つ全ての味を引き出している点です。風味の豊かさや多様性では、他の方法より幅の広さを持っています。余韻では、モカに似た爽やかさがゆるゆると続きます。

ドリップやサイフォンと比べると、この緩さは飲み応えがないと思うかもしれません。そのため、ケニアらしさを楽しみたい方は、コーヒー豆の量を増やしてみると良いかもしれません。

オススメの抽出方法

  • 豆の分量:18g(容量350mlのプレスを使用)
  • 挽き具合:粗挽き
  • 抽出時間:沸騰したお湯で4分00秒

水出しコーヒー:丸くサッパリ

水出しならではの円やかな口当たりから、冷たさと強い酸味が出てきて、キリッとした表情を見せてくれます。しかし酸味の背後には安定感あるコクが緩やかに感じられるので、気持ちを落ち着かせてくれます。そして、最後はモカのような爽やかさで締めくくられます。

円やかで飲みやすくもサッパリしたテイストですので、気分転換には打ってつけのアイスコーヒーです。ただ明るくサッパリしたテイストですので、コーヒー豆の量を増やした方がアイスコーヒーらしさを感じられるでしょう。

オススメの抽出方法

  • 豆の分量:一杯当たり10g(一杯120mlで計算)
  • 挽き具合:中細挽き
  • 抽出時間:6時間

ミルク・砂糖との相性

  • ミルク:GOOD
  • 砂糖 :ほどほど

ミルク:意外と円やかで飲みやすい

酸味はミルクのまろやかさで消えてしまうため、そういった点ではカフェオレには合わないかもしれません。

しかし、舌触り滑らかな甘みとコクがミルクと上手く調和して、また余韻の爽やかさも心地よく、かなり飲みやすいカフェオレに仕上がります。そこはジャングルエステートの良さが出ている部分でしょう。ジャングルエステートの酸味から離れて、ゆったり寛ぎたい時にオススメです。

多様な風味を楽しもう

ジャングルエステートは様々な風味を持ち合わせている点が、最大の特徴です。

そんなジャングルエステートは、酸味に一辺倒にするかコクや甘みも出すか、その調整が淹れる時の楽しみでもあります。あるいはミルクで酸味を消してしまうのもまた面白いでしょう。

ジャングルエステートのような個性的なコーヒー豆は、扱いが難しいと思われがちです。しかし実際は、個性も楽しむだけでなくカフェオレでゆったりすることもできる、意外と汎用性の高いコーヒー豆でもあります。

コーヒー豆の情報

  • 名称:ジャングルエステートTOP AA
  • 産地:ケニア、ニエリ地域
  • 精製:ウォッシュト
  • 今回の焙煎:ハイロースト

About the Author

汐井有

モットーは専門化したコーヒーについて、詳細を伝えつつ噛み砕いた説明で興味を持ってもらうこと。 専門的な記事と解りやすい記事の両方を書こうと思っています。