ケニア産のコーヒーの中でも、おそらく知名度の高いコーヒーが、今回の「レッドマウンテン」でしょう。そして初めてケニアのコーヒーを飲むときに、選ばれることの多いポピュラーなコーヒーでもあります。
そして実は、ケニアのコーヒーの代表格になった背景には、名前に隠された品質やストーリーが秘められています。
「レッドマウンテン」は、こんなコーヒー。
- 今回の焙煎:フルシティロースト
香り
- フレグランス(豆の香り)
鮮烈で、甘くフルーティーな香り - アロマ(コーヒーの香り)
ラズベリーのような甘酸っぱい香り
風味
- ケニアらしい強さ・充足感のある風味
- ケニア産の中では、酸味がやや抑えられている
- 重みがある
こんな時にお勧め
- 気分転換したい時に
- 力強いコーヒーが飲みたい時に
- 朝・昼にお勧めのコーヒー
レッドマウンテンとは?
赤土のコーヒー
レッドマウンテンは名前の通り、赤い土地で生産されたコーヒーです。レッドマウンテンは、ケニアの首都ナイロビの北にある、キアンブ地区やニエリ地区で作られています。実はこの地域、火山性土壌の肥沃な赤土で覆われています。だからレッドマウンテンなのです。
今回はレッドマウンテンの銘柄の中でも、ニエリ地区のNyeri Hill Estateで作られたコーヒーをご紹介します。
初心者向けケニア産コーヒー
このレッドマウンテンは、ケニアらしい力強さを持ちつつも、個性が出過ぎていないため、飲みやすく仕上がっています。特にケニアらしい力強さや酸味は、好き嫌いの分かれるところなので、レッドマウンテンから試してみるとお勧めです。
ペーパードリップ:ケニアらしく、飲みやすい
ケニアだなと納得させてくれるコーヒーです。
コクの重厚さ・酸味・甘みが特徴的で、充足感・力強さに満ちています。ナッツを思わせるコクと甘みは、滑らかながらも、しっかりとした土台となっており、コーヒーに安定感をもたらしています。一方の酸味は、その安定感に刺激を与えるスパイス的な存在です。
余韻はコクと甘みが中心で、ケニア産の中では比較的穏やかな印象です。(ケニアの中ではの話です。)ただ穏やかながらも、しっかり余韻まで風味を感じられる点は、ケニアらしさを想起させてくれます。
そしてこれらが混ざり合うことで、豊かさに満ちたテイストが感じられます。それは、ナッツのような落ち着いた印象・ラズベリーのような酸っぱさ・八朔のようなほろ苦い果実感など、風味の多様が、コーヒーの面白さを改めて実感させてくれます。
今回の抽出方法(HARIO V60ドリッパー)
- 豆の分量:一杯当たり12g(一杯120mlで計算)
- 挽き具合:中挽き
- 抽出温度:83℃
フレンチプレス:レッドマウンテンが詰まった一杯
コクと甘みが引き立った淹れ方です。
酸味も感じられますが、刺激はコクと甘みによって和らいでいます。しかし甘みの安定感やコクの力強さは健全で、土台はしっかりしている辺りに、ケニアらしさを感じられます。レッドマウンテンの持つ風味を全て引き出しているため、味わい深いコーヒーです。
酸味が和らいでいるので、テイストとしては飲みやすいものの、コクや甘味の重厚感が重たく感じられ、飲みづらい側面もあります。重厚さが好みの方にはお勧めですが、軽やかさ・明るさが好みの方は口に合わないかもしれません。
今回の抽出方法
- 豆の分量:18g(容量350mlのプレスを使用)
- 挽き具合:粗挽き
- 抽出時間:沸騰したお湯で4分00秒
エスプレッソ:酸味が出てくる
エスプレッソにしては、フルシティローストでも、酸味が強めでストロングなコーヒーに仕上がります。その強さには、ケニアだなと感じさせられるでしょう。ただその中に甘さやコクも感じられるので、豊かさに満ちたエスプレッソでもあります。
焙煎は浅いと酸味の一色で、甘みやコクの弱いアンバランスさが目立つので、フルシティ以上がお勧めです。
水出しコーヒー:安定さと柔らかさ
深めの焙煎では、ボディと甘みがしっかり出ていて、なおかつ柔らかさがあるため、芳醇なカカオのような雰囲気がします。
酸味は、柔らかさによって適度に抑えられており、他の抽出方法と比べると、風味のバランスに優れています。このボディの厚さの一方で、スッキリした側面もあり、余韻はどこか濃い麦茶やハブ茶のような印象も受けます。
浅めではこの風味より軽やかでフルーティー感が出てくるでしょう。しかしケニアの力強さを堪能するのであれば、シティー以上の深さがお勧めです。
今回の抽出方法
- 豆の分量:120mlあたり10g
- 挽き具合:中細挽き
- 抽出方法:水に浸して6時間
ミルク・砂糖との相性
- ミルク:濃いめのミルクがお勧め
- 砂糖 :濃いコーヒーはGOOD
濃いめのミルクでカフェオレにするとお勧め
重厚さがあるため、ミルクに負けないテイストのコーヒーです。そのためどのようなミルクでも相性が良いです。中でもお勧めは濃厚なミルクです。混ぜるとコクや甘さと混ざって、キャラメルやプラリネのようなテイストが出てきます。特にペーパードリップのコーヒーでは、酸味が程よく効いており、飽きないテイストなので飲みやすさもあります。
飲みやすいケニア産
好き嫌いの分かれやすい酸味は弱めですが、力強さを備えているため、ケニア産コーヒーの中では飲みやすい部類と言えるでしょう。それが初心者にお勧めできる理由です。
頻繁に飲まれる方は日常用のケニア産コーヒーとして、初めて飲まれる方は試しとして飲まれてみてはいかがでしょうか。
コーヒー豆の情報
- 名称:レッドマウンテン
- 産地:ケニア、キアンブ・ニエリ地区
- 精製:ウォッシュト
- 今回の焙煎:フルシティロースト