ラオスのコーヒー豆をご存知でしょうか?
マンデリンやトラジャで有名なインドネシア、生産量世界第2位のベトナム、近年高品質で知名度のあるタイと、東南アジアは一大コーヒー産地です。しかしラオスとコーヒーは、なかなか結び付かないのではないでしょうか。
そんなラオスのコーヒー豆について、今回はラオス最大のコーヒー会社「ダオフン社」のコーヒーを取り上げてお話しします。
ラオスのコーヒーの特徴
ラオスのコーヒーと知名度
ラオスのコーヒーの知名度が低い理由には、いくつかあります。
まず、ラオスにコーヒーノキが入ってきたのは1915年と比較的遅く、近年まで長らくロブスタ種が栽培されていました。また、内陸国で冷戦期は東側諸国だったため、日本での知名度は低いままでした。
しかし高品質のコーヒーの需要が高まり、高価格で取引されるようになると、ラオスでもアラビカ種の栽培が増えました。ロブスタとアラビカの栽培比率は、今ではおよそ半々です。
高品質なラオスのアラビカ
ラオスのアラビカ種は、コーヒー新興国であるにもかかわらず、高評価を得ています。コーヒー豆の多くは、ラオス南部のボロヴェン高原で生産されています。この地域は熱帯域ですが、高地のため気温に寒暖差があり、コーヒー栽培に適した土地のひとつです。
この地域のコーヒー豆は、全般的にマイルドな味わいが特徴と言われています。そのため深めの焙煎にして、エスプレッソに用いられることが多いです。実際に販売しているコーヒー豆も、深めの焙煎のものが多いです。
ラオスのコーヒー=ダオフン(ダオ)
ラオスのコーヒー豆を買おうとした時に最も多く見かけるのが、ダオフン(ダオ)コーヒーです。日本では「ダオフン農園」の名前で見かけることが多いかもしれません。
ダオフン社はラオス最大のコーヒーの企業で、ラオスのコーヒーの大半は、ダオフン社から輸出されています。ラオス国内でも「コーヒーと言えばダオ」というくらいダオフン社が浸透しています。
そんな会社から、今回は代表として「Dao Coffee Strong Brend」をご紹介させていただきます。
ダオフン Strong Brend とは?
- 今回の焙煎:深煎り(フルシティ程度)
香り
- フレグランス(豆の香り)
奥深いが、滑らかで強さを感じない香り - アロマ(コーヒーの香り)
カフェモカのような深みと柔らかみで、ストロングと感じない香り。
風味
- 深煎りだがマイルドで飲みやすい
- かすかな熟した酸味とスパイシーさのアクセント
オススメの抽出方法
- ペーパードリップ: ラオスらしさが最も感じられる
- フレンチプレス:飲みやすさを求めるなら
相性
- 砂糖 :とても良い
- ミルク:とても良い
- お菓子:クッキーやビスケットなど
こんな時にオススメ
- 深煎りだけど飲みやすいコーヒーを探している時に
- ホッと一息をつきたい時に
ペーパードリップ:ラオスらしさが感じられやすい
深煎りなのに苦みは柔らかく、マイルドな味わいが特徴です。フレーバーが面白く、マイルドさの中から、熟した酸味とスパイシーさが襲い掛かってきます。その後は、立体感のあるマイルドな味わいが前面に出てきて、長く余韻へと続いていきます。
深めの焙煎で「ストロングブレンド」と書かれてあるため、苦みが強いのかと思いきや、そうでもありません。苦みの反面、バランスと柔らかさに優れていて、名前に反して飲みやすいです。
オススメの抽出方法:深煎りだけど低めの温度
深煎りが好きな方は、高めの温度で苦みを際立たせたいかもしれません。しかし意外と低めの温度で抽出すると、ラオスらしさが出て面白いコーヒーに仕上がります。
特にマイルドさと酸味とスパイシーさが感じられ、その一方で深煎りの飲みごたえを感じることが出来ます。
- ドリッパー:HARIO V60ドリッパー
- 豆の分量:一人当たり13g(一杯120ml)
- 挽き具合:中細挽き
- 抽出温度:75~80℃
ネルドリップ:奥深さがある
ペーパードリップより滑らかな味に仕上がるため、苦みはスモーキーに近く、奥深さが際立ったコーヒーに仕上がります。口に含むと滑らかさが最初に感じられ、そこからモワッとスモーキーな味がせり上がるように感じられます。
滑らかで奥深い味わいに加え、余韻はスモーキーさで埋め尽くされ、いぶし銀のような印象のコーヒーです。
オススメの抽出方法:深みを出すなら若干高め
柔らかさと深みを出したいのであれば、若干高めの温度で抽出するとオススメです。ただし90℃近くになると、個性(特にマイルドさ)が苦みに掻き消されてしまう恐れがあるため、あまりオススメはしません。85℃前後がオススメです。
- 豆の分量:一人当たり15g(一杯120ml)
- 挽き具合:中粗挽き
- 抽出温度:80~85℃
フレンチプレス:飲みやすいコーヒー
滑らかでマイルドなコーヒーが、舌を流れる印象のコーヒーです。
マイルドであっさりしたテイストのため、スモーキーさが目立っている印象です。しかしスコッチウイスキーのような、心地よいスモーキーさで飲みづらさは全く感じられません。余韻はコーヒーの風味がスッキリなため、スモーキーさだけが長く口に残ります。
スッキリしたテイストはネルドリップとは対照的で、スッと一杯が飲めてしまうコーヒーです。
オススメの抽出方法
- 豆の分量:18g(容量350mlのプレス)
- 挽き具合:粗挽き
- 抽出時間:4分00秒
ラオスのコーヒーを飲んでみよう
ラオスのコーヒーは少ないながらも、日本でも流通しています。そして高評価を受けながらも認知度が低いため、比較的安価に購入することが出来ます。またマイルドな味は、人を選ばないため使い勝手も良く、意外とオススメの穴場的な存在のコーヒーです。
ラオスのコーヒー豆を見かけた際は、購入してみてはいかがでしょうか?