今回はカフェインレスのマンデリンについてご紹介します。カフェインレスというと苦みが弱くなるため、マンデリンらしさが失われそうな気がしますが、実は反対にマンデリンの特徴を感じられやすいのです。
一体どういうことなのでしょうか?
「カフェインレス・マンデリン」は、こんなコーヒー。
風味・特徴
- 苦みが弱いため、コクやスパイシーさが感じられやすい。
- 味の劣化が少ない、高品質カフェインレスコーヒー
オススメの抽出方法
- ペーパードリップ
オススメのアレンジ
- ストレートでそのまま飲む
- 砂糖で甘く味付け
相性
- 砂糖:良い
- ミルク:ほどほど
- お菓子:ダークチョコレートとの相性抜群
こんな時にオススメ
- 夜にコーヒーを飲みたくなったときに
- 読書など落ち着いた環境に
液体二酸化炭素抽出法とは?
このカフェインレス・マンデリンは、従来の方法とは異なる方式でカフェインを除去しています。その方法が見出しの「液体二酸化炭素抽出法」です。この方法は既存のカフェインレスより、さらに風味を良好な状態で維持することが出来るのです。
なぜ美味しいの?
液体二酸化炭素抽出法が美味しい理由は、温度にあります。二酸化炭素は通常であれば、低温で通常ドライアイスになります。しかし「-56.6℃かつ0.52メガパスカル(平均気圧の約5倍)」という、特殊な条件下で液体になります。
この状態でじっくりカフェインを除去していきます。いわば極端な冷凍状態でじっくり除去するわけですから、味の劣化を極力防ぐことが出来ます。そのため今までの方法より、さらに美味しいのです。
超臨界二酸化炭素抽出法との違いは?
良く似た名前のカフェイン抽出方法に、「超臨界二酸化炭素抽出法」というものがあります。
この方法は液体二酸化炭素抽出法とは反対で、「31.1℃かつ7.4メガパスカル(平均気圧の約70倍)」で臨界状態にすることで、一気にカフェインを取り除きます。
この方法では温度が高めで一気に抽出するため、液体を利用した時よりも多少の劣化を否めません。しかしこの方法も、以前のカフェインよりかなり美味しくなっているので、オススメです。
ペーパードリップ:マンデリンらしさ満載
カフェインレスは美味しくなったとはいえ、カフェインが無いために苦みが弱く、避ける方もいます。しかし苦みが弱いからこそ、他の味が感じやすいという意外な利点があります。
口に含むと、カカオ90%のダークチョコレートのような、深く繊細なコクが漂います。そこからマンデリン特有のスパイシーさがピリッと来ます。これほどマンデリンらしさを感じることが出来るのは、カフェインレスならではの面白い点です。
また余韻がコクや苦みではなく、スパイシーさというところも面白いので堪能してみてください。
今回の抽出方法
- ドリッパー:HARIO V60ドリッパー
- 豆の分量:25g(二人分、250ml)
- 挽き具合:中挽き
- 抽出温度:80℃
ネルドリップ:エスプレッソが好きな方に
スパイシーさは弱めで柔らかいコクがストレートに感じられます。コクはペーパードリップ同様にカカオ90%で、また、シルクのような滑らかさも併せて味わうことができます。
特に砂糖を加えて飲むと、エスプレッソに近い味が感じられます。カフェインレスということもあり、就寝前に一杯のむとホッと落ち着くことのできるコーヒーです。
余韻はペーパードリップとは異なり、柔らかく丸い心地よい味わいです。
今回の抽出方法
- 豆の分量:25g(二人分、250ml)
- 挽き具合:中粗挽き
- 抽出温度:80℃
フレンチプレス:飲みやすいマンデリン
ネルドリップと同様に、スパイシーさは抑えられていて滑らかなコクが感じられます。また、余韻まで丸みを帯びたスッキリさが特徴で、マンデリンの中ではかなり飲みやすいです。
そしてこのコーヒーの最も面白い点が、風味に波があることです。まず飲んだ瞬間にコクが感じられます。そしてそのあと味は丸みを帯びてコクが弱まりますが、そのあと余韻でもう一度コクがフワッと感じられます。
今回の抽出方法
- 豆の分量:18g(容量350mlのプレス)
- 挽き具合:粗挽き
- 抽出時間:4分00秒
マンデリンらしさ満載の「カフェインレス・マンデリン」まとめ
個人的な感想
どうしてもカフェインレスというと、味が劣っている印象を持ちがちですが。しかし飲んだ瞬間、二重の意味で驚かされました。一つは味の劣化の少なさで、二つはマンデリンらしさが満載だということです。
カフェインが無く、苦みが弱めという点を除けば、普通のコーヒーと見間違えそうなクオリティーです。カフェインレスに関心のない方も、一度飲んでみていただきたい一杯です。
コーヒー豆の情報
- 名称:カフェインレス・マンデリン
- 産地:インドネシア、スマトラ島北部
- 焙煎:フルシティロースト
- 購入店:珈琲問屋
- 購入店URL:http://www.tonya.co.jp/shop/