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KEY COFFEE幻のコーヒー「トアルコトラジャ」

KEY COFFEE幻のコーヒー「トアルコトラジャ」

今回ご紹介するコーヒーは、「KEY COFFEEと言えばコレ!!」というくらい有名なトアルコトラジャです。ご存知の方も多いのではないでしょうか。幻のコーヒーと呼ばれる理由や風味など、気になる点が多い「トアルコトラジャ」を今回は取り上げさせていただきます。

「トアルコトラジャ」は、こんなコーヒー

風味・特徴

  • 焙煎:やや深煎り
  • 香り:奥深く滑らかで、黒ビール(ブラウンエール)のような香り
  • 風味:気品のある酸味と深いコク
  • 余韻:ゆったりとした柔らかさ

オススメの抽出方法

  • ペーパードリップ:キリッとした味
  • ネルドリップ  :優雅な味
  • フレンチプレス :落ち着いた柔らかさ

オススメの飲み方

  • 何も加えずに、そのまま飲む

相性

  • 砂糖 :良い
  • ミルク:良い
  • お菓子:フィナンシェなどの上品なお菓子

こんな時にオススメ

  • ゆったり寛ぎたい時に
  • 休日の贅沢な時間に
  • 上品なコーヒーが飲みたい時

幻の理由

希少性

幻のコーヒーと呼ばれる一つ目の理由は、「セレベスの名品」と呼ばれた希少性と風味にあります。

当時はヨーロッパから何日もかかる遠いスラウェシ島において、手摘みで収穫された高品質なコーヒー豆です。一般には流通せず、ごく一部の上流階級で飲まれたと言われています。その希少性から戦前は、植民地時代の宗主国であったオランダ王室の御用達の称号も有していたほどです。

現在でもトラジャ族の住む一部地域だけで育てられたコーヒーで、中でもトルコトラジャは希少性が高く、高級コーヒーであることに変わりはありません。

消えた幻のコーヒー

もうひとつ幻と呼ばれる最大の理由が、世界から消えたコーヒーであることです。

第二次世界大戦が始まると、宗主国オランダがナチス・ドイツに占領され、インドネシアも旧日本軍が進出するなど混乱状態に陥りました。そのためトラジャコーヒーの輸出はストップし、世界から姿を消したのです。

そして、その消えたトラジャを復活させたのが、KEY COFFEEだったのです。

トアルコトラジャコーヒーの歴史についてはコチラ

ペーパードリップ:凛とした気品さ

トアルコトラジャ_コーヒー

口に含んだ瞬間から、キリッとした爽やかな酸味が感じられます。そこからフェードインするように、深みのあるコクがフワフワとやってきます。余韻に関して、酸味自体はスッキリしていますが、ゆったりと尾を引くコクの柔らかみがあります。

キリッとした酸味と深いコクの調和、そしてスッキリと柔らかみを兼ねた余韻は、「凛とした気品さ」という印象のコーヒーです。

今回の抽出方法

  • ドリッパー:HARIO V60ドリッパー
  • 豆の分量:25g(二人分、250ml)
  • 挽き具合:中挽き
  • 抽出温度:80℃

細いお湯で、じっくり淹れよう

深いコクがなければ気品さは弱く、単なる爽やかなコーヒーになってしまいがちです。そこで細いお湯でじっくり抽出することにより、深みや豊かさが出てきて、気品が感じられるようになります。

折角の高級コーヒーですから、丁寧にじっくりと抽出して楽しむのもまた良いかもしれません。

ネルドリップ:優雅な気品さ

酸味はキリッとしている部分がありますが、ペーパードリップより弱いです。その代わり、滑らかでツヤのあるコクが、舌の上を流れるように広がっていきます。余韻は控えめながらも気品さを感じられます。

ペーパードリップが「凛として」いるならば、ネルドリップは「優雅な気品さ」が印象的なコーヒーです。

今回の抽出方法

  • 豆の分量:25g(二人分、250ml)
  • 挽き具合:中粗挽き
  • 抽出温度:80℃

フレンチプレス:落ち着いた気品さ

酸味は抑えられますが、キリッと洗練された感触があります。深いコクと柔らかい甘みが相まって、カカオのような豊かな風味が感じられます。余韻もカカオらしさが長く、ドリップとはまた違う側面を楽しむことが出来ます。

また冷めると、よりカカオらしい甘みとコクが感じられるので、時間をおいて飲んでみるのも良いかもしれません。

今回の抽出方法

  • 豆の分量:18g(容量350mlのプレス)
  • 挽き具合:粗挽き
  • 抽出時間:4分00秒

ブランデーやウィスキーで香りを付ける

トアルコトラジャ_ウィスキー

奥深く芳香漂うトアルコトラジャに、ブランデーやウィスキーで香りを付け加えると、さらに香りが良くなります。

特にブランデーを用いると、より品格があって貴族のようなリッチな一時を過ごすことが出来ます。

またウィスキーは、ネルやフレンチプレスのような柔らかい味にはアイリッシュウィスキーが、ペーパードリップのようなキリッとした風味にはスコッチウィスキーが、相性が良いように思われます。

KEY COFFEE幻のコーヒー「トアルコトラジャ」まとめ

個人的な感想

トラジャの中でも群を抜いて気品あふれる美味しいコーヒーです。これはトラジャを復活させた努力の結晶なのかもしれませんね。

ネルドリップは優雅さがあって、トラジャらしい上品さを存分に楽しむことが出来ます。しかしフレンチプレスの冷めたコーヒーが持つ、チョコレートらしさも捨てられない面白さがあります。

ちょっとリッチな時間を過ごしたい時に欲しいコーヒーです。

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About the Author

汐井有

モットーは専門化したコーヒーについて、詳細を伝えつつ噛み砕いた説明で興味を持ってもらうこと。 専門的な記事と解りやすい記事の両方を書こうと思っています。