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クレマができる直火式エスプレッソ「ビアレッティ・ブリッカ」

クレマができる直火式エスプレッソ「ビアレッティ・ブリッカ」

直火式エスプレッソは簡単にエスプレッソを淹れられる反面、クレマができないという特徴があります。そんな悩みを解決してくれる直火式エスプレッソが、今回の「ブリッカ」です。手軽でなおかつクレマもできてしまうビアレッティのブリッカ、どんな器具なのか?どうやって淹れるのか?紹介していきます。

直火式エスプレッソについてはこちら

直火式エスプレッソ(モカエキスプレス・マキネッタ)とは?

ブリッカとは?

ブリッカ(Brikka)はイタリアのビアレッティ社(Bialetti)から発売されている器具で、初めにお話ししたようにクレマが出来るのが特徴です。

ブリッカ ①

しかし構造は一般的な直火式エスプレッソと同じ、タンク・バスケット・サーバーの3層構造です。

ブリッカ ②

しかし一つだけ違うのがこの丸い物体。実は、この物体のおかげで、クレマを作ることが出来るのです。

なぜ直火式はクレマができない?

ブリッカ ③

まず、直火式エスプレッソがクレマを作れない理由を知っておきましょう。

エスプレッソというのは、気圧で一気に抽出する方法です。そしてクレマは抽出する時の強い気圧によって生まれる”泡”なのです。一般的なエスプレッソマシーンは圧力ポンプを用いて、9~10気圧の強さで抽出しています。

一方の直火式エスプレッソは、文字通り、火で熱して発生した蒸気圧によって、お湯を押し上げて抽出します。サイフォンと似た原理です。そのため、1気圧を超えた時点で、抽出が始まってしまいます。

この気圧の違いが、クレマが出きるか否かの差なのです。

ブリッカはどうしてクレマが出来るの?

となれば、直火式であるブリッカはどうしてクレマが出来るのでしょうか?それは、高い気圧で抽出できるようにしてあるからです。

ブリッカ ②

お湯の出口にあるこの丸い物体、これはバルブです。一般的な直火式エスプレッソは気圧上昇とともに、ここからコーヒーが流れ出ます。しかしブリッカはこのバルブで、コーヒーが漏れ出るのを抑えて、気圧を上げていくのです。

そして一定まで気圧が上がったら、バルブが開いて一気にクレマのあるエスプレッソが抽出されるのです。

ブリッカで淹れてみよう

さて、ブリッカがどのような器具なのか知ったら、実際に淹れてみましょう。バルブなど複雑な構造をしていますが、使い方は一般的な直火式エスプレッソと基本的に同じです。

準備するもの

ブリッカ ④

  • ブリッカ
  • コーヒー粉
  • ガスコンロ
    (アルミ製のため、IHクッキングヒーターは使用不可

水を測って注ぐ

ブリッカ ⑤

まず、ブリッカ下部のタンク……ではなく上部のサーバーを用意してください。ここに“H20”と書かれた印があります。ここまで水を注いでください。

ブリッカ ⑥

そしてその測った水を下部タンクに注ぎます。

バスケットとサーバーの準備

ブリッカ ⑦

次にタンクにバスケットを入れます。

ブリッカ ⑧

そしてコーヒー粉を詰めましょう。この時コーヒー粉を指やダンパーで軽く均してあげると良いでしょう。

ブリッカ ⑨

そしてサーバーを捻じ込んで準備完了です。サーバーは圧力を逃がさないために、しっかりと捻じ込むようにしましょう。

火にかけて抽出

ブリッカ ⑩

準備が出来たら、いざコンロで火にかけましょう。火の強さは弱火もしくは弱めの中火にしましょう。強すぎると圧力の急騰などで失敗しやすくなります。

また、ブリッカは圧力が強くなるので、コーヒーが噴き出すことがあります。必ず蓋を閉じた状態で熱してください。

そして沸騰して、圧力が一定まで高まると……

ブリッカ ⑪

クレマとともにコーヒーが噴出します。

その後「ボコッ!ボコッ!」と、鈍い沸騰音が鳴ったら抽出完了です。すぐに火を消してください。火にかけたままでは空焚きになるので危険です。

ブリッカ ⑫

そしてカップに注げば、クレマのあるエスプレッソの完成です!

手軽にクレマのあるエスプレッソ

ブリッカ ⑬

このブリッカ、何といっても手軽にクレマのあるエスプレッソが飲める点が、最大のポイントです。

例えば、忙しい朝は、エスプレッソマシーンを使う余裕なんてありません。だからといってクレマの無い直火式エスプレッソも物足りない……。そんな方には、ブリッカが最適でしょう。

もちろん気圧や性能の差もあって、マシーンで抽出したエスプレッソには敵いません。しかしクレマがあるだけで、単なるコーヒーではなく「これぞエスプレッソ!」と満足できてしまうものです。

直火式エスプレッソを検討されている方、ワンランク上のブリッカを検討してみてはいかがでしょう?

About the Author

汐井有

モットーは専門化したコーヒーについて、詳細を伝えつつ噛み砕いた説明で興味を持ってもらうこと。 専門的な記事と解りやすい記事の両方を書こうと思っています。