コーヒーの専門用語について紹介していく当コラム。今回は、「た行」のコーヒー用語について見ていきます。
ダイリューション&ディスパージョン
焙煎時に発生するガスを新鮮な空気と合わせることによって、その濃度を薄めて分散することを「ダイリューション&ディスパージョン(Dilution and Dispersion)」と言います。
焙煎によって発生する(二酸化炭素を中心とした)ガスを多量に含んだ状態の豆で抽出しても、新鮮ではあるものの余計なガスが混ざっており“まとまっていない状態(風味)”になってしまいます。
ダイレクトプロセス
ダイレクトプロセスとは、コーヒー生豆からカフェインを取り除くための方法の一種です。蒸気やお湯をつかって体積を増加させたコーヒー生豆を直接有機溶媒と合わせてカフェインを取り除き“デカフェ”の豆を作ります。
ダイレクトトレード
「ダイレクトトレード」とは、中間業者を介さずにコーヒー豆の生産者とバイヤーが直接交渉して取引することを意味します。
生産者が作ったコーヒーに対し適切な対価を払うこの取引方法は、買い付け価格を先に決めてしまうフェアトレードのような取り引きとは違い、生産者がかけた労力やオリジナリティーを考慮するため、総じて高品質の豆であることが多いです。
ターキッシュコーヒー
トルコで飲まれている独特な製法のコーヒーを「ターキッシュコーヒー」と言います。深煎りの豆を極細で挽いて、お湯で直接煮出す抽出方法です。
ターキッシュコーヒー(トルココーヒー)の特徴として、抽出したコーヒー液の底に“粉”も沈殿しているため、いくらか粉っぽい口当たりになります。もちろん、粉は最後まで飲み干しません。
代用コーヒー
「代用コーヒー」とは、コーヒー豆以外のものを使って作ったコーヒーの風味に似た飲み物の総称です。コーヒー豆が手に入らなかった戦時中などにはよく飲まれていました。
特に、ドイツではコーヒー禁止例がでていたのでチコリや大麦をつかった代用コーヒーが市民の間では「コーヒー」として一般的に飲まれていたそうです。
ダッチコーヒー
ダッチコーヒーとは、いわゆる水出しコーヒー(ウォータードリップ)のことです。戦時中オランダが占領していたインドネシアで考案された方法で、「オランダ人」を意味する“ダッチ”が使われたと言われています。
ダッチコーヒーが生まれた背景には、インドネシアがロブスタ種のコーヒー豆をメインで栽培していた影響があります。苦味やエグミが全面に出る安値のロブスタ種を美味しく飲むため、水でゆっくり抽出する「ダッチコーヒー」が考えられたそうです。
ダーティー
コーヒーにふさわしくない風味・味(オフテイスト)を表現する言葉。不快な香りを意味します。カビ臭ささ、土のような香り、または嫌味のある酸味を感じる際には「ダーティーな…」と表現するそうです。
ダル
コーヒーの味を表現する際に使われる言葉。美味しいコーヒーとされる成分の“何か”が欠けていて、印象に残らない淡白な味のコーヒーに対して使います。
ダークロースト
ダークローストとは、コーヒーの焙煎具合の一種。一般的に使われる8段階の焙煎方式にはない名前ですが、スターバックスなどではよく使われる言葉です。いわゆる深煎り豆のことで、フレンチロースト〜イタリアンロースト程度の焙煎具合だと考えられます。