最近ではNYでコールドブリューという名称で、静かなブームとなっている?ダッチコーヒー。今回は“オランダ”の名を持つインドネシアで考案されたコーヒー「ダッチコーヒー」について。
ダッチコーヒーについて
ダッチコーヒー(Dutch Coffee)とは、ウォータードリップコーヒー、つまり水出しコーヒーのことを言います。木の枝に吊るした袋にコーヒー粉を入れて濾過し、下に置いた容器にコーヒー液を溜めていた…というのが元々の淹れ方だったそうです。
インドネシアがオランダ領だった頃に考案されたことから「ダッチ(オランダの)コーヒー(コーヒー)」と名付けられました。
ダッチコーヒーが考案された理由
インドネシアでは、ロブスタ種のコーヒー豆が栽培されています。ロブスタ種は普通に抽出すると苦味やえぐ味が強く、ストレートではとても飲みにくいコーヒーでした。そこで温度変化が少なウォータードリップをしてみたところ、まろやかで飲みやすいコーヒーができたことから、水で抽出する方法が考案されたといわれています。
ダッチコーヒーの特徴と焙煎度合い
ダッチコーヒーは長時間で低温抽出するため、コーヒー豆の苦味や酸味などの主張が強い味を、まろやかにしてくれるのが特徴です。コーヒーらしい色合いを出すためには、フルシティローストのコーヒー豆が良いと言われています。
ダッチコーヒーを作ってみました
コーヒーバッグタイプの水出しコーヒーを実際に作ってみました。飲み慣れているアイスコーヒーに比べると、香りは弱めですが、まるみのある味わいが楽しめます。強いクセがなくあっさりしているので、コーヒーが苦手な方でも飲みやすいかもしれません。
あえてホットで飲んでみると…?
お湯ではなく、低温の水で長時間抽出をするダッチコーヒー。実は、カフェインやタンニンなどの苦味となる成分は、“低温で抽出すると溶け出しにくい”性質を持っています。そのため、苦味の弱いダッチコーヒーをあえて温めてみると、意外にもまろやかで飲みやすいホットコーヒーを楽しむことができます。
電子レンジで温める際、沸騰するほど高温にしてしまうと風味が落ちてしまうので注意です。
オランダのコーヒー文化
ダッチコーヒーの名の由来となったオランダは、オーストリアやスイスに次ぐヨーロッパのコーヒー消費大国です。オランダの街を少し歩くとカフェやレストランがたくさんあり、コーヒーを気軽に楽しむことができます。
オランダ人にとってコーヒーはなくてはならないもので、一日に何杯も楽しむのが普通だとか。しかし、ダッチコーヒーを飲んでいるという事実は確認できないそうなので、本当に名前だけなのかもしれませんね。
ダッチコーヒーの飲み方 まとめ
ダッチコーヒーとは、水で抽出するコーヒーのことです。低温でコーヒーを抽出すると苦味成分が溶け出しにくくなり、コーヒー豆の持っている苦味やえぐ味が、まろやかになり飲みやすくなるのが特徴です。
名前の由来になっているオランダや、考案されたインドネシアでもほとんど飲まれていない、ちょっと不思議なダッチコーヒー。クセのあるコーヒー豆を飲みやすくできるのなら、いろいろな豆で試してみるのもいいかもしれませんね。