コーヒーをもっと趣味に

美味しいコーヒーの基礎学【水出しコーヒー編】

美味しいコーヒーの基礎学【水出しコーヒー編】

ダッチコーヒー(オランダのコーヒー)という名でも有名な「水出しコーヒー」飲んだことはありますか?今回は、水出しコーヒーの基本的な知識についてお話します。

水出しコーヒーについて

水出しコーヒーとは、その名の通り「水で抽出したコーヒー」のことを言います。熱による化学変化がおきないため、酸味が少なく、抽出後の香りも強く、安定した味わいを楽しむことができます。

戦前のオランダ領インドネシアでは、苦味・雑味の強い品種をメインに栽培していたため、飲みやすいよう改良を加えられた飲み方として考えられたと言われています。

ちなみに、イギリス語で「Dutch Coffee(ダッチコーヒー=オランダのコーヒー)」とも呼ばれていますが、ダッチコーヒーそのものは実はオランダでは一般的な抽出方法ではないのだとか。

おすすめの焙煎度合いと挽き目

焙煎度合いは好みで選んでも問題ありませんが、浅煎りコーヒーや、粗挽きではコーヒー成分が抽出するのに時間がかかるうえに、旨味の感じにくいコーヒーになってしまいます。短時間で水出しコーヒーを楽しみたい場合は、深煎でやや中細挽きのコーヒーを用意するようにしましょう。水出しコーヒーは、フルシティロースト以上の焙煎で淹れるのが飲みやすく、一般的とされているためです。

また、コーヒー豆を細かく挽きすぎると、目詰まりしてしまうことがあるので注意してください。

水出しコーヒーの抽出時間と保存期間

粗挽きの場合は、12〜24時間。中細挽きの場合は8時間以上置いておくようにしましょう。水出し専用器具で抽出する場合は、抽出が終わってから冷蔵庫へ入れます。浸して抽出する場合は、冷蔵庫で放置=抽出するのがおすすめです。できあがった水出しコーヒーは、2、3日中に飲むようにしてくださいね。

水出しコーヒーのおすすめの飲み方

水出しコーヒーは、キンキンに冷やしてアイスコーヒーで楽しむのがおすすめです。水抽出ならではのスッキリとした味わいが楽しめます。温めてホットとして楽しむ時は、アルミ鍋で軽く淵が泡立つ沸騰の手前で火を止めて飲むようにしてください。泡立った部分が熱でカラメル化して、香ばしい味わいを楽しむことができますよ。

また、アイスコーヒーとして飲む場合、“氷を入れずに冷やしておく”のがポイントです。濃縮された深みのある味わいが、水出しコーヒーを楽しむ要素でもあるからです。

水出しコーヒーを淹れてみよう

532735b81b2e619639a74b7ba3c70b47

水出しコーヒーは、専用器具がなくても作れます。コーヒーサーバーかポットなどの容器に、人数分のコーヒー粉と水を入れ8時間ほど置いておくだけで、完成です。コーヒー成分が抽出できたら、ペーパーフィルターをセットしたドリッパーでコーヒーを濾して完成です。

また、市販のお茶パックにコーヒー粉を入れて、水を入れた容器に入れておく作り方もあります。どちらの場合も、コーヒー粉は1人分15g、水は150mlほどで試してみてくださいね。

軟水がおすすめ

一般的に、水は軟水と硬水の2種類ありますが、コーヒーを抽出する時はミネラルの少ない軟水がおすすめです。硬水に多く含まれているミネラル成分は、コーヒー成分の抽出を妨げてしまうと言われているためです。抽出ができないわけではないのですが、ミネラル成分が影響して苦みが増すこともあるそうなので、どちらか選ぶとしたら、軟水で淹れるようにしましょう。

美味しいコーヒーの基礎学【水出しコーヒー編】まとめ

水出しコーヒーは、キンキンに冷やしてアイスコーヒーで楽しむ飲み方が一般的です。水出しコーヒーは、スッキリとした味わいと強い香りが最大の特徴。熱を加えないからこそ味わえる個性を最大限に生かすためにも、冷やして楽しむのがおすすめです。

お茶バッグを使えば、コーヒー器具がない人でも簡単に作れるのも魅力ですよね。水抽出ならではの味わいが楽しめる水出しコーヒーを、ご自宅で楽しんでみませんか。

About the Author

AMIAMI

愛知県生まれ。親族がコーヒー卸売業を営み、幼少より喫茶店とコーヒーに親しみがある。ブラジルコーヒー鑑定士・SCAAカッピングジャッジなどの受講経験、焙煎経験あり。コーヒーは焙煎したてより、寝かせてから飲みたい派。猫と、物作りが好き。