コーヒー生産国の多い南米の中でも、ひときわ特徴的なコーヒー豆を栽培するベネスエラ。今回は、ベネスエラで作られているコーヒーの特徴や味について見ていきましょう!
国境付近の収穫地帯
ベネズエラでは、コロンビアとの国境西側でコーヒーが生産されています。アンデス山脈・ラコスタ山脈があり、小さい山々が連なる山間丘陵地帯は標高が高く、コーヒーの栽培に最適です。カラカス、メリダなどが主なコーヒー豆の産地として知られています。
生産品種はアラビカ種!特徴的な味わい
ベネズエラで生産されている品種は、日本でも馴染み深いアラビカ種ながら、他の南米諸国で生産されているものとは異なり“個性的”な味わいがポイント。アラビカ種の中でも酸味が少なく、優しい味わいだと表現する方が多いです。独特な苦味と繊細な味わいは良い意味で「南米らしくない」コーヒーだと言えるでしょう。
ミルク系コーヒーとの相性が抜群
酸味が少ないということで、ラテやカプチーノなどミルク系に仕立てることで、ベネズエラのコーヒーはさらに際立ちます。ミルクの甘さを引き立てる優しい味わいは、ベネスエラコーヒーの醍醐味を味わうには最適です。
コーヒー豆の大きさでグレードを
ベネズエラでは、コーヒー豆のサイズを基準に、等級付けを行なっています。
- カラコル(A)
大粒の最高グレード - テルセラ(B)
中粒 - セグンダ(C)
小粒 - スーベリオール(PB)
丸豆
かつての勢いは無くなったコーヒー産業
以前は国内の主要産業として、高品質なコーヒー豆を世界に輸出していたベネズエラですが、現在はかつてのような勢いはありません。1900年代前半に油田が見つかって以来、国内の主要産業は石油ビジネスとなり、農業の衰退が始まったのです。
結果、輸出するコーヒー豆の量は大幅に減少し、現在では2/3を国内で消費しており日本に入ってくるコーヒー豆はそう多くはありません。高級品は眼を見張るほどの美味しさを持つベネズエラコーヒーですが、日本国内で良質なものを探すのはなかなか難しいとも言われています。
ベネズエラのコーヒーは優しいアラビカ種
昔は南米の中でも主要なコーヒー生産国だったベネズエラですが、現在は質・量ともに評価はあまり芳しくありません。
しかし、南米のコーヒーらしくない独特な味わいは、他国のコーヒーではなかなかお目にかかれない珍なるものです。もしもベネズエラコーヒーを見かける機会があったら、ぜひとも試してみてください。