コーヒー豆には、ブルーマウンテンや、キリマンジャロなど、山の名前がついているものがいくつかあります。標高の高いところで育ったコーヒー豆は、高級で美味しいイメージもありますよね。今日は「コーヒーの品質に影響する標高の違い」についてご紹介します。
コーヒーノキが育つ条件
・雨季と乾季がある環境で、年間降雨量1800mmから2500mm
・シェードツリーを、コーヒーノキの間に植えて適度な日当たりをキープ
・年間平均気温20℃
・水はけのよい肥沃な土壌で、少し酸性が理想
コーヒーノキが育つのは、コーヒーベルトと呼ばれる赤道直下南北緯30度の亜熱帯地域。その限られた範囲の中で、以上の条件を満たさなければコーヒーノキは育ちません。そんな厳しい条件を満たす環境条件を満たしてくれるのが、山岳地帯や高地です。
標高の高いところではより品質の高いコーヒーが育つ
コーヒーノキが育つ環境条件を満たしていれば、コーヒーノキは育ち、コーヒー果実の収穫ができます。しかし、標高が高いところで育ったコーヒーのほうがより品質の高いコーヒーが育つと言われています。その理由は、昼夜の寒暖差が大きいと、コーヒーチェリーの種子が硬くしまり、味が凝縮されるからです。
寒暖差によって種子が硬くしまるのは、植物の特性のひとつで、コーヒーチェリーの場合は、平地で育てられたコーヒーに比べて、酸味・香り・味わいなどがより際立った特徴として表れることになります。
山の名前がついている産地と銘柄
山の名前がそのまま銘柄になっている有名なコーヒーをご紹介します。
-タンザニア キリマンジャロ-
アフリカ大陸最高峰のキリマンジャロのふもとで栽培されているコーヒー豆。明るい酸味と、甘酸っぱい香りが楽しめるコーヒーです。
-キューバ クリスタルマウンテン-
水晶が採れる山岳地帯で栽培されているコーヒー豆。大粒で美しい豆が特徴的で、優しい香りとまろやかな味わいが楽しめるコーヒーです。
-コスタリカ コーラルマウンテン-
コスタリカの首都サンジョゼ西部の山岳地帯と、タラス川、コラリージョを結んだ三角地帯の急斜面で栽培されているコーヒー豆。芳醇な香りとコクが楽しめるコーヒーです。
-インドネシアスマトラ ガヨマウンテン-
恵まれた自然と豊かな土地の山岳地帯で栽培されているコーヒー豆。有機農法を採用し、風味と香りのバランスのとれたコーヒーが楽しめます。
-コロンビア エメラルドマウンテン-
アンデス山脈のふもとの急斜面で栽培されているコーヒー豆。コロンビア豆特有の甘い香りと、深いコクが楽しめるコーヒーです。
-ジャマイカ ブルーマウンテン-
ブルーマウンテン山脈のブルーマウンテンエリアで栽培されているコーヒー豆。優雅な香りと深みのある味わいが楽しめるコーヒーです。
標高がわかる銘柄のコーヒー
山のネーミングではなく、標高を表している銘柄のコーヒーもあります。
カルモ ブラジル
1000m以上の高地栽培
トラジャ インドネシア
1200mの山岳地帯
アルツラ メキシコ
アルツラーはメキシコで最も高い標高と言う意味
ホンジュラスSHG/エルサルバドルSHG/グァテマラSHG
-名前の後ろについているSHGは、アルツラーと同じく標高が高いという意味
コーヒーの標高は品質を表す目安のひとつ
高地で栽培されたコーヒーは、低地のものに比べて際立った特徴があり、栽培、収穫そのものが難しいことから、コーヒー豆の味わいにも大きな影響を与えることから、コーヒー産地、品種、スクリーン同様、グレードを決定する際の判断基準のひとつになっています。
コーヒーの品質に影響する標高の違いとはまとめ
標高の高いところで育つコーヒーノキは、コーヒーチェリーの種子が硬くしまり、味が凝縮されるので、平地で栽培されるコーヒーよりも、酸味・香り・味わいなどがより強く表れます。その特徴が、高品質とされ、さらに栽培や収穫の難しさから価格も高騰し、高級品となる傾向にあるようです。また、コーヒーの品質を決定する際の判断材料としても、標高は高く評価されていますので、同じ産地のコーヒー豆でも高地産、低地産と飲み比べてみるのも面白い発見がありそうですね。標高にこだわったコーヒー豆選びに、あなたも挑戦してみませんか。