ブレンドコーヒーの豆袋に、産地の名前が付いているものがあります。実は、産地をブレンドの名前に入れるには守るべき決まりがあるのです。どのようなルールがあるのか、見ていきましょう。
コーヒーの商品名におけるルール
レギュラーコーヒーなどの商品名をつける際は、「レギュラーコーヒー及びインスタントコーヒーの表示に関する公正競争規約」に則った記載が義務付けられています。その中で、「〜〜ブレンド」「〜〜ミックス」という産地に関わるネーミングを行う時は、ある基準が満たされていないといけません。
産地名表記のルール
産地の名前を表記するためのルールは、「特定産地のコーヒー豆が生豆の計算で30%を超えていなくてはならない」というものです。
例えば、「ブラジルブレンド」という名前をつけたい場合、ブラジル産のコーヒー豆が30%入っていればOKということになります。
ただし、コーヒー豆の比率として、ブラジル産のものが一番多くなければいけないという訳ではありません。ブラジル産の豆35%、その他の国の豆65%でも「ブラジルブレンド」として問題はないのです。
特定銘柄に関するネーミングルール
また、特定の銘柄に関しては、さらに厳しいルールが決められています。特定の銘柄はジャマイカやキリマンジャロといったもので、栽培方法から土壌や収穫まで、一定の品質を保ったコーヒー豆を指します。
特定銘柄の例
- ブルーマウンテン
ジャマイカ・ブルーマウンテン地区にて生産されたコーヒー豆。 - キリマンジャロ
タンザニア産のアラビカコーヒー豆。
ただし、ブコバ地区のアラビカコーヒーは含まない。 - ハワイコナ
アメリカのハワイ島で取れるアラビカコーヒー豆。 - モカハラー
エチオピア産ハラー地区のアラビカコーヒー豆。
などがあります。
焙煎製法の表示ルール
コーヒー豆産地の名前の他、製法上の特性を記す場合にも決まりがあります。特に多いのが“炭焼”といった冠言葉がついたコーヒーでしょう。炭焼をコーヒーの商品名につけたい時は、生豆から焙煎が終了するまで同じ炭(熱源)で焙煎した場合のみ認められています。
ブレンドによくある「キリマンジャロ炭焼ブレンド」といった名前にするためには、キリマンジャロが30%以上使われており、それを含めたブレンドされているコーヒー豆全てが、同じ炭で焙煎された場合のみつけられるのです。
産地名付きのブレンドの名付け方まとめ
以上のように、産地を冠につけたブレンドコーヒーは、厳格なルールに基づきネーミングがなされています。
実はコーヒー豆の挽き方も、商品として販売するためには“粗さ”の基準があり、各販売会社が独自に設定しているわけではないのです。コーヒーのネーミング1つを取ってみても、様々な決まりがあるということです。
店頭でコーヒーを選ぶ際は、今回の内容を思い出して成分表を見てみると面白いかもしれませんよ。