コーヒーは、アルコールやたばこのような嗜好品の一つとして考えられています。気になるのは体にどう影響するのかではないでしょうか。中でも沈黙の臓器・肝臓への影響は気になるところです。
今回は、コーヒーの摂取が肝臓に与える影響や効果を見ていきたいと思います。
コーヒーと肝硬変
1日にコーヒーを少なくとも1杯は飲む人は、肝硬変になるリスクが20%低下する
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2006-06/jaaj-cda060806.php
アメリカで125,000人を対象に調査を行い、2006年に発表されました。
コーヒーと脂肪肝
健康な男性1612人を対象に1日に飲むコーヒーの量を1999年度と2004年度で比較調査しました。その結果、
肥満度も脂肪肝の発生に関係しているが、コーヒーを飲む量も関係しており、コーヒーを飲む量が多い人の方が脂肪肝の発生を抑えられている
ことがわかりました。
また、5年の間に脂肪肝を発症した人と、年齢・肥満度・コーヒーを飲む量が似ている健康な人とを比べた結果、
5年間で脂肪肝になった人はコーヒーを飲む量が減っている
コーヒーと肝臓ガン
日本国内40歳~69歳の男女約9万人を対象に、約10年間追跡調査を行い、
コーヒーをほとんど飲まない人に比べると、毎日飲む人のほうが肝臓ガンを発症するリスクがおよそ半分に。また、1日にあたりの飲む量が増えるほどにリスクも低下する
ことがわかりました。
また、直近の世界がん研究基金のレポートでも、「コーヒーを飲むことが肝臓がんの減少と強い関係がある」ことが述べられています。
参考:http://www.wcrf.org/sites/default/files/Liver-Cancer-2015-Report.pdf
コーヒによる肝臓への影響まとめ
コーヒーに含まれる、クロロゲン酸をはじめとした抗酸化物質やカフェインが脂肪の蓄積を防ぐのではないか。コーヒーによって肝機能に関わる酵素の活性が改善するため、肝臓ガンになる前の肝疾患・肝硬変の発症や悪化のリスクを下げることができるのではないか。そして、それが肝臓ガンの予防につながるのでなないか、など様々な考察があります。
しかしながら、肝臓に良さそうだからと、無理に大量に飲んだりすることはおすすめできません。体質的に合わない人、カフェインの副作用、他の疾患の懸念材料もあります。
また、ブラックではなく、砂糖やミルクたっぷりのコーヒーを毎日たくさん飲むと、糖分などの摂り過ぎにも繋がるので注意が必要です。薬などではなく嗜好品だということを忘れずに、適量を心がけるようにしましょう。