コーラルマウンテン(Coral Mountain)、和訳すると「珊瑚の山のコーヒー」です。
とても綺麗な名を持つこのコーヒー、その名に恥じぬ高い品質を有しています。コスタリカ産コーヒーの中でも有名で、喫茶店やロースターで見たことある方もいるのではないでしょうか。
「コーラルマウンテン」は、こんなコーヒー。
- 今回の焙煎:ハイロースト
香り
- フレグランス(豆の香り)
スッキリしているが、豊かさや甘さがある香り - アロマ(コーヒーの香り)
明るいキャラメルのような、甘くも爽やかな香り
風味
- コク・甘み・酸味ともに風味豊か
- 調和の取れた飲みやすいコーヒー
こんな時にオススメ
- 至福の一杯を飲みたい時に
- 息抜きしたい時に
- 朝・昼に飲みたいコーヒー
コーラル=環境の良さ
コーラルマウンテンは、コスタリカの首都サンホセから南下したコラリージョ(Corralillo)という地域の、1200mの標高地帯で栽培されています。このコラリージョ周辺の区域は、タラス地域(Tarrazú)と呼ばれるコスタリカコーヒーの名産地なのです。
そしてコーラル(珊瑚)は、農園の森の木々が美しい藍色に見えることから名づけられ、自然豊かな環境を表しているのです。つまりコーラルマウンテンは、その優れた環境から名づけられたのです。
このように、コスタリカ屈指の名産地の優れた環境の下で作られたコーヒー、それがコーラルマウンテンなのです。
ペーパードリップ:軽快なハーモニー
コーラルマウンテンをペーパードリップで淹れると、穏やかながらも豊かなハーモニーを味わうことができます。
滑らかな甘み・柔らかくも香り立つコク・爽やかな酸味、全てが豊かで奥ゆきを持っています。しかし決してストロングではなく、滑らかなハーモニーを醸している所がコーラルマウンテンの良さでしょう。
滑らかな舌触りから、風味のハーモニー、そして柔らかさと爽やかな酸味による軽快な余韻、という流れでコーヒーを楽しめます。
特に、ペーパードリップは他の淹れ方よりクリアな風味に仕上がるので、軽快な飲みやすさを上手く引き出すことができます。そのため、軽やかなコーヒーが好みの方には、ペーパードリップがお勧めです。
少し多め&少し高めが美味しい
コーラルマウンテンの特徴はハーモニーではなく、それ以上にハーモニーの中にある豊かさです。
それを上手く引き出すには、コーヒー豆を少し多めに使ってみてください。するとコーヒーを濃く、そして美味しい部分だけを引き出せます。また温度に関しても少し高めで、85℃前後がお勧めです。ただし、温度が高すぎるとハーモニーが崩れかねないので、高ければ良いというわけではありません。
風味を“程よく”引き立てると、コーラルマウンテンの良さを堪能できるでしょう。
今回の抽出方法(HARIO V60ドリッパー)
- 豆の分量:一杯当たり15g(一杯120mlで計算)
- 挽き具合:中挽き
- 抽出温度:85℃
ネルドリップ:ふわふわとショコラ
ネルドリップで淹れるコーラルマウンテンは、飲んだ瞬間にフワァと柔らかく広がっていく風味が特徴的です。
豊かな甘さに滑らかなコクは、チョコレートみたいな雰囲気を醸し出していて、酸味の爽やかさはかなり抑えられています。この風味がペーパードリップのサラッとしたハーモニーとは正反対の、フワフワしたコーヒーに仕上げてくれています。
とりわけ余韻ではこの違いが明快で、はらはらと雲散霧消するように消えていきます。サラサラ感とは無縁です。コーラルマウンテンの甘さを引き出すには、ネルドリップがお勧めです。
今回の抽出方法
- 豆の分量:一杯当たり15g(一杯120mlで計算)
- 挽き具合:中挽き
- 抽出温度:85℃
フレンチプレス:膨らみある豊かさ
コーヒーの味をそのまま引き出すと言われるフレンチプレスだけあって、様々な味が感じられる豊かなコーヒーに仕上がっています。
口に含むと、強めのキャラメルのような甘み・ふくよかで独特の深みを持ったコク・ほのかで明るい酸味、様々な風味が溢れ出るコーヒーです。しかしこれらに風味が主張しつつも調和を保っているのが、とても心地よいところです。
フレンチプレスで淹れたコーヒーは、ドリップのようなクリアさは弱く、また膨らみのある豊かさが強いところが特徴的です。そのため、口当たりはふんわり膨らみがあり、余韻では深くも柔らかく、フェードインから始まりフェードアウトで終わるコーヒーです。
舌触りはペーパードリップとネルドリップの中間で、加えてドリップより豊かに仕上がります。和みたい時に飲みたくなるようなコーヒーです。
今回の抽出方法
- 豆の分量:18g(容量350mlのプレスを使用)
- 挽き具合:粗挽き
- 抽出時間:4分00秒
水出しコーヒー:さらっと爽やか
水出しで淹れるコーラルマウンテンは、甘みが非常に強く、シルキーな滑らかさを持ったコーヒーとなります。
酸味やコクは抑えられるので、刺激や深みは弱めです。しかしほのかに感じられるこれらの味と、コーラルマウンテンならではの爽やかさは、どこか花の蜜のような感触をもたらしてくれます。
余韻は若干のお花らしさを残しつつ、いつの間にかシルキーさゆえに消えてしまいます。ドリップの軽快さや雲散霧消とはまた違うサラッとした舌触りは、どことない心地よさを与えてくれます。
一つお勧めとして、網目の細かいステンレスフィルターで粉を濾すと良いでしょう。すると微粉が除かれて粉っぽさがなくなるので、サラッとした感触を堪能することができます。一方で、ペーパーフィルターは目詰まりを起こすので、避けた方が無難です。
今回の抽出方法
- 豆の分量:150mlあたり10g
- 挽き具合:中細挽き
- 抽出時間:6時間
ミルク・砂糖との相性
- ミルク:とても良い
- 砂糖 :ほどほど
柔らかカフェオレ
ペーパードリップで淹れたコーヒーを使うと、軽やかで柔らかみのあるカフェオレに仕上がります。軽やかですのでモーニングコーヒーや気分転換したい時に相性の良いカフェオレです。
他方で、フレンチプレスのコーヒーを使うと、風味豊かなカフェオレに仕上がります。特に、甘いキャラメル感は割り増しで感じられ、ゆったり寛ぐときにうってつけの、満足感ある至福の一杯です。一つポイントとしては、コーヒーの風味豊かさを活かすために、ミルクは少なめにするとお勧めです。
調和と美味しさのコーラルマウンテン
コーラルマウンテンは再三お話ししたように、ハーモニーの中にある豊かな風味が、最大の特徴ともいえるコーヒーです。そのため、コーヒーを淹れる時には、このハーモニーと豊かさのバランス具合が、重要な鍵を握っています。
また、このバランスの良さとコーラルという綺麗な名前から、お茶会や来客用のコーヒーとして重宝できるコーヒーです。ちょっとした時に一杯あると、どこか気分が弾むような気がする、コーラルマウンテンはそんなコーヒーです。
コーヒー豆の情報
- 名称:コーラルマウンテン
- 産地:コスタリカ・コラリージョ地区
- 品種:カトゥーラ、カトゥアイ
- 精製:ウォッシュト
- 今回の焙煎:ハイロースト