昨年10月に開催されたCOFFEE COLLECTION around KANDA NISHIKICHO の第2回が開催されました。場所は前回と同じく東京は神保町のテラススクエア。2016年の今回は、4月23日(土)、4月24日(日)の2日間開催され、両日とも多くの人で賑わっていました。
第1回に引き続き、今回も2日とも参加させていただきましたので、前回との違いなども含めて、レポートしていきたいと思います。
前回の様子はこちらから
https://coffeemecca.jp/coffeeshop/1949
COFFEE COLLECTION around KANDA NISHIKICHO 2016 Springのコンセプト
各日5店舗が同じ抽出器具を使い、厳選した1種類のコーヒーをハンドドリップで提供。同じ条件でコーヒーを淹れることで、各店舗が選んだ豆の性質や焙煎方法の違い、それぞれのバリスタの個性を体験できます。
5種類のテイスティングやバリスタたちとのコミュニケーションを通じて、味や香りの違いを楽しんだり、コーヒー豆が辿ってきた長い旅に思いをはせたり、”一杯のコーヒーに込められた物語”を感じてみてください。(公式サイトより引用)
前回と同じく、使用していた抽出器具はHARIOのペーパードリッパーです。
ドリップケトルの細口から伝わる湯がペーパーフィルタに注がれると、挽きたてのコーヒーは膨らみガスを放出します。蒸らしの間、辺りにはコーヒーの香りが漂い、ゆっくりとサーバーに落ちるコーヒーを見ている時間は心安らぐひとときです。
COFFEE COLLECTION around KANDA NISHIKICHO 2016 Spring レポート
エアロプレスの世界大会チャンピオンや、ハンドドリップの日本チャンピオンの方によるセミナーも見所ではありますが、90ccのカップで少しずつ頂き、各店の違いを楽しむことができる「5CUPS TICKET」がこのイベントの目玉です。
大盛況につき、前売りは即完売、当日チケットもありましたが、両日ともに開場前にすでに売り切れていました。写真はDay1飲み比べの受取りに並ばれている方々。開場してまもない時間帯ですが、ざっと数えたところ70人くらい並んでいました。
飲み比べコーヒーの受け渡し場所では、初日はTHE LOCALの大槻さんが、二日目はお笑いコンビ「コーヒールンバ」の平岡さんがナビゲーターとして立たれていて、受け取られる方に説明をされていました。
DAY1 : 4月23日(土)に出店されたお店
Paul Bassett
Honduras Montecillo
テイストは、カカオニブ、グリーンアップル、オレンジ、クリーン
バリスタの世界チャンピオン、ポールバセット氏によって立ち上げられたPaul Bassett。筆者が大学生の時に初めてラテアートという存在を知るきっかけにもなったお店です。
こちらで修行されたのちに独立された方も多く、日本における昨今のコーヒーブームの基点的な存在です。
会場の一番手前のブースでしたが、オープンと同時に沢山の方が並ばれていました。
Fuglen Tokyo
Kenya Kirinyag Kiunyu AA
テイストは、ローズヒップ、レモンキャンディ、ライトボディ、クリーンカップ
ノルウェーはオスロに拠点を構えるコーヒーショップ。渋谷にお店とロースターがあります。赤い鳥のロゴはサードウェーブコーヒーを牽引するこのお店のシンボルです。
渋谷のお店ではQuick Brew(すでに作られているもの)の提供がメイン(それでも十分過ぎるほど美味しい)ですので、今回のイベントはハンドドリップで頂ける貴重な機会でした。
AMAMERIA ESPRESSO
Ehiopia Yirgacheffe Kochere Washed
テイストは、ウィートレモン、ジャスミン、アールグレー、ローズマリー、ジンジャー、シロップ
武蔵小山にある人気ロースター、AMAMERIA ESPRESSOさんも出店していました。
コーヒー好きの人達はもちろん、都内でコーヒーショップを営まれている方や、バリスタの方々に「好きなコーヒー屋は?」と聞くと、こちらのお店の名前が挙がってくることが多いです。
ブースは会場の奥の方でしたが、こちらも多くの方が並ばれていました。
TRUNK COFFEE
Ethiopia Hama Washed
テイストは、ピーチ、レモン、ラベンダー、ベルガモット、ティーライク、フローラル
名古屋の人気ロースターTRUNK COFFEEさんは、東京のコーヒーイベントでも多く目にする機会があります。パステルカラーが特徴的なビーンズのパッケージは会場でもひときわ目立っていました。
Ethiopiaは口を近づけるとすぐに判る華やかな香りで、やわらかい酸味が特徴的な一杯でした。
GLITCH COFFEE & ROASTERS
Kenya Kianderi AA
テイストは、カシス、フルーツトマト、パッションフルーツ、オレンジ
DAY1、DAY2と両日参加された唯一のロースター兼コーヒーショップ。つい先日1周年を迎えましたが、お店が出来て1年とは思えないほどの人気ぶりで、すでに東京のコーヒーシーンの代表格といっても過言ではありません。
店舗が会場からほど近くということもあり、両日ともスタッフの皆さんが連携を取っている姿を目にすることが出来ました。
DAY2 : 4月24日(日)に出店されたお店
前日は東京のロースターが中心でしたが、DAY2では海外を本拠地とするロースターが多かったので、DAY1とはまた異なった様相でした。
Four Barrel Coffee by MERRY TIME
Ethiopia Wato
テイストは、キーライム、ウォーターメロン、ブリリアント、フローラル
サンフランシスコの代表的ロースターですが、現在は実店舗を持たずオンライン販売のみです。青山ファーマーズなどのイベントに出店をされていますが、こちらもハンドドリップで頂ける機会は多くないので貴重でした。
Single O Japan
Ethiopia Yirgachiffe Guititi
テイストは、レモンマートル、ローズヒップ、ネクタリン、セミヨングレープ、スイートフィッシュ
両国に焙煎所を構えるSingle O Japan。ルーツはシドニーのSingle Origin Roastersです。実店舗は構えておらず、コーヒーショップやレストランに豆を提供しています。東京ですと、中央区新川にあるGumtree Coffee Companyや、蔵前のビーントゥーバー専門店Dandelion Chocolateでこちらの豆を使ったコーヒーを頂くことができます。
SLOW JET COFFEE
Indonesia Mandheling Lake Tawar
テイストは、ビターチョコ、ブラックチェリー、ナッツ、レーズン、ラウンドマウスフィール
北千住にあるロースター兼コーヒーショップです。出店しているお店の中ではやや深煎りなイメージです。他のお店がエチオピアやケニアといった豆を出す中、こちらのお店ではマンデリン(インドネシア)を提供されていました。
特に「5CUPS TICKET」を購入された方は、他の店舗との違いが判りやすかったのではないでしょうか。
THE LOCAL
Honduras Santabarbara Whashed
テイストは、グレープグルーツ、ピーチ、チェリー、ブラウンシュガー
「新しいコーヒー体験ができるお店」をコンセプトに2016年3月に青山にオープンしたTHE LOCAL。コーヒーのセレクトショップとも言えるお店で、国内外のコーヒー豆をシーズン毎に取り扱っています。
今回のイベントでは、サンフランシスコの代表的ロースター、Ritual Coffee Roastersの豆を使用していました。
DAY1で「5CUPS TICKET」のナビゲーターを務められた大槻さんによるドリップ。一点に注がれるお湯に豆が蒸らされ、華やかなコーヒーの香りが辺りに広がります。
GLITCH COFFEE & ROASTERS
Kenya Kangunu AA
テイストは、ドライトマト、カシス、パッションフルーツ、グレープグルーツ
初日と同じKenyaではありますが、農園が変われば味も変わります。Day1に引き続きこの日もバリスタ総出で対応されていました。
ロースター以外にもイベントを盛り上げるブースが、前回よりもスケールアップしていました。
FACTORY
九段下は靖国神社の向かいにある自家製パンの工場(ファクトリー)です。天然酵母や国産小麦を使用し、パンの種類も豊富です。GLITCH COFFEE & ROASTERSにもフードを提供としており、シナモンロールとGLITCHのコーヒーの相性は抜群です。
BOOK TRUCK
コーヒーイベントではお馴染み、青いトラックに500冊ほどの本を積み、公園やイベントにあらわれる移動式本屋です。オーナーの三田修平氏は馬喰町にあるカフェ「イズマイ」のブックスペースの監修もしています。
イズマイのレビューはこちら
https://coffeemecca.jp/coffeeshop/127
b*p
会場の入り口にブースを構えていました。旅の道具、自然派の生活道具を中心に紹介するライフスタイル雑誌で、アウトドア系のグッズの販売を行っていました。
KISSACO(キッサコ)
コーヒーの麻袋を使ったトートバッグを販売していました。一点ずつハンドメイドで作られているそうです。持ち手がカラフルなものからレザーで出来ているものもあり、それぞれに違った個性が見受けられました。
CaffeGoods
Cafe Snap
個性光るカフェに出会える”写真共有型カフェアプリ”を提供しているCafe Snapが、今回はメディアパートナーとして参加していました。会場入って正面すぐのところにブースを設置されていて、instagramを模したパネルで記念撮影が出来ました。
前回のイベントで飲み比べをした時に「水が欲しい」と切に願いましたが、その思いが通じまして今回はお水を販売して頂きました。
今回のイベントを通じてコーヒーをもっと知りたい、好きなカフェを見つけたいと少しでも思って頂けた方は、アプリを使ってみても良いかと思います。
STAY STRONG KUMAMOTO
先日の震災によって被害にあった熊本を応援するために、地元・熊本のコーヒーロースター「AND COFFEE ROASTERS」の代表、山根洋輔さんによって提唱されたスローガン。
今回のイベントでは、Good Coffeeとの協力の下、オリジナルステッカーを販売していました。製造原価を除くすべての売上は震災義援金に当たられるとのこと、ささやかではありますが筆者もステッカーを購入させて頂きました。
COFFEE COLLECTION around KANDA NISHIKICHO 2016 Spring まとめ
ラテメニューはなく、ハンドドリップによるコーヒーのみを提供し、各店舗の違いを知って貰うという、一見ディープなイベントにも関わらず、両日とも非常に多くの方が会場に訪れていました。年齢層も幅広かったのですが、思った以上に若い方が多い印象も受けました。
前回は10月末の開催で外は寒く、飲み比べチケットの受取りで外の列に30分程並ぶのがきつかった記憶がありますが、今回は、Day1は晴天に恵まれ、Day2も昼過ぎには雨も止みましたので、外の列に並ぶのもそこまでストレスではなかったかと思います。
ただ、ハンドドリップに依るコーヒーの提供は、どうしても時間を要してしまいます。前回以上に人が集まっていた印象で、人気店舗のブースでは、時間帯によってコーヒーの提供10~15分ほど掛かってしまいました。会を追う毎に認知度も増し、次回は更に来場者も増える可能性があるので、この点は次回への課題かもしれません。
国内外のトップロースターが一堂に会するイベントは珍しく、前回以上に内容も充実していて非常に楽しむことができました。