10月31日(土)に行われたCOFFEE COLLECTION around 神田錦町2015に行ってきました!
9月26・27日に表参道で催されたTOKYO COFFEE FESTIVALと比較すると、1日のみの開催で、出店数も少なめですが、コーヒーを身近に感じて貰いたいという出店側の思いが伝わるイベントでした。
また、お客さんの年齢層も非常に幅広く、日本のコーヒー文化が新しいステージに移行しているような印象も受けました。
TOKYO COFFEE FESTIVALのレポートはこちら
DAY1: https://coffeemecca.jp/coffeeshop/547
DAY2: https://coffeemecca.jp/coffeeshop/621
COFFEE COLLECTION around 神田錦町2015 コンセプト
「7 cups of coffee, 7 stories.」
7つの参加店舗全てが同一の抽出器具を使い、厳選した1種類のコーヒーをハンドドリップで提供。同じ条件でコーヒーを淹れることで、各店舗が選んだ豆の性質や焙煎方法の違い、それぞれのバリスタの個性を体験できます。
7種類のテイスティングやバリスタたちとのコミュニケーションを通じて、味や香りの違いを楽しんだり、コーヒー豆が辿ってきた長い旅に思いをはせたり、”一杯のコーヒーに込められた物語”を感じてみてください。
(公式サイトより引用)
使用していた抽出器具はHARIOのペーパードリッパー(V60透過ドリッパー)。
ドリップケトルの細口から伝わる湯がペーパーフィルタに注がれると、挽きたてのコーヒーは膨らみガスを放出します。蒸らしの間、辺りにはコーヒーの香りが漂い、ゆっくりとサーバーに落ちるコーヒーを見ている時間は心安らぐひとときです。
COFFEE COLLECTION around 神田錦町2015 レポート
それぞれのお店の紹介は後ほど。早速ですが、今回のイベントで最も楽しみにしていた7店舗のコーヒー飲み比べをレポートします。
まず、「7 cups TICKET」をPeatixというアプリで事前に入手しました(QRコードは消してます)。前売りチケットが300枚、追加で100枚、これらは完売。当日のチケットもイベント開始1時間が過ぎた頃には既に売り切れていました。初開催とは思えない人気ぶりです。
受付を済ませ、飲み比べのコーヒーを受取ります。コーヒーを受け取る際に、運営スタッフのお兄さんが、豆のテイストについて丁寧に説明をしてくれました。
コーヒーは1店舗あたり1杯90ccのペーパーカップで提供、テイスティングをするには丁度良い分量でした。上から覗いてみると、色の濃さにも違いが見受けられます。
ティスティング上段(左から)
Paul Bassett コロンビア アロマステルスル
テイストは、ハニー、アップル、シトラス、アーモンド、ラウンド
果実味はしっかりと感じられますが、同時に香ばしさもあり円やかです。ややフルーティ寄りですが、7つの中ではバランスタイプと言った感じです。
Mojo Coffee グアテマラ フィンカレタナ レッドブルボン
テイストは、レッドアップル、ブラウンシュガー、ベルベッティ、ロングアフターテイスト
果実味とコク・苦味が同居していますが、ややコクの方が勝っている印象です。後味がしっかりと残るタイプで、個人的には甘めのベイクドとあわせて飲みたい味です。
Single O Japan ケニア カラツー ダブルエー
テイストは、フローラル、シトラス、アプリコット、ハチミツ
見た目は結構色が濃いのですが、柑橘系の明るい酸味が前面に出ています。アフターテイストは確かにハチミツを彷彿とさせる円やかさとコクが感じられます。
Fuglen Tokyo ケニア ギティガ ダブルエー
テイストは、アップル、チェリー、ペアー、プラム
見た目からも判るように、7種類の中では一番フルーツ感が強い、コーヒーというよりフレーバーティーを連想させる味でした。尚ダブルエー(AA)は豆の大きさを等級として表現したもので、最も大きい最高級品となります。
ティスティング 下段(左から)
SLOW JET COFFEE インドネシア マンデリン レイクタワール
テイストは、アメリカンチェリー、バター、ビターチョコ、スウィート
マンデリンはコクの深さと、まとわりつく円やかな舌触りが特長です。酸味よりもビターなコクと深みが勝っている印象で、休みの日に一息ついて心を落ち着かせたい時に適したコーヒーという印象です。
TRUNK COFFEE ニカラグア リモンシリョ パカマラ ナチュラル
テイストは、レッドワイン、トロピカルフルーツ、ダークチェリー、レモンピール、エキゾチック
こちらは7種類の中では最も複雑な味わいでした。ベリーの酸味も程よく感じつつも、苦味、コーヒーのコクが互い違いにやってきます。
GLITCH COFFEE & ROASTERS エチオピア ゲデブ ナチュラル
テイストは、ストロベリー、グレープ、レモングラス、スウィート、インプルーブ
口を近づけた瞬間に広がる華やかな香り、テイストの最初の印象は「これ、コーヒーなの?」と思う程のベリー感に衝撃を覚えます。精製はナチュラルなのですが非常にクリーンで、喉通りもさらっとしています。
COFFEE COLLECTION around 神田錦町2015 総括
コーヒーは、豆の産地から、精製方法、ハンドピッキングの程度、焙煎の深さ、抽出方法、どれか一つが変わると全く異なった表情を見せる飲み物です。
抽出方法を統一することで、その手前の過程によって生まれる豆の違いを感じることができる。それぞれのお店の豆を買って、自宅でハンドドリップすれば勿論できますが、では実際にそれを自宅でやるかというと・・・、相当な方でも7種類を一気にはやらないでしょう。
そういった意味では、日常的にコーヒーを飲む方にとっても、ある意味非日常のコーヒー体験ができるイベントだったのではないでしょうか。
テイスティング以外に、TRUNK COFFEEとFUGLENのブースでドリップコーヒーを頂きました。1杯ずつ丁寧にドリップしてもらうため、提供されるまで時間がかかるかな、と思いましたが、バリスタさんの手際が非常によく、ストレスは全く感じませんでした。
イベントスタート直後から人は多く、お昼ご飯を過ぎたくらいがピークでした。ぶつかってコーヒーが溢れる、という程ではありませんが、常に人が多く、座る場所の確保に苦労している人も見受けられました。
また、勝手に屋外でのイベントを想像していたのですが、オフィスビルのエントランス内の開催だったこともあり、決してスペースは狭くないですし、天井も高かったのですが、なんとなく閉塞感を感じました。気温も低く曇っていたので、結果的には屋内で正解でしたが、晴れていたら屋外で澄んだ空気の中コーヒーに舌鼓を打ちたい、と思いました。
お昼過ぎの時間帯だったためか、7種類のテイスティングは30人ほどの行列ができており、受け取るまで30分弱並びました。この日は最高気温が15℃と寒く、行列も屋外まで伸びていたため、余計に長く感じました。
尚、飲み比べの際にはペットボトルの水は必需品だな、と思いました。(もし運営側の方がこのレポートを見ていただいていましたら、次回開催は会場にミネラルウォーターの売り場を設けていただけると嬉しいです。)
COFFEE COLLECTION around 神田錦町2015の出店店舗
今回出店したコーヒーショップは以下の7店舗です。
1、Paul Bassett
バリスタの世界チャンピオン、ポールバセット氏によるエスプレッソカフェ。こちらで修行をし、独立して自らのお店を構えた方も多くいます。10年ほど前、まだラテアートがメジャーでなかった時に、新宿野村ビルのPaul Bassettでラテアートを見た時の衝撃は今でも覚えています。
2、Mojo Coffee
ニュージーランドの首都ウェリントンに2003年に出来たカフェ兼焙煎所で、2012年に神楽坂に日本初上陸しました。今回のイベントではドリップコーヒーのみの提供でしたが、お店ではニュージーランドではポピュラーな「フラットホワイト」というエスプレッソベースのコーヒーを飲むことができます。アーティスティックな女性のロゴがおしゃれです。
3、Single O japan
オーストラリアはシドニーを発祥とするサードウェーブ系の人気コーヒー店。同じくシドニーに本店を構える朝食レストラン「Bills」の創始者が「世界一おいしいコーヒー」と絶賛したとのこと。Billsの日本国内の店舗でSingle Origin Roastersのコーヒーが飲めますが、八丁堀のGumtree Coffee Companyでも飲むことができます。
Gumtree Coffee Companyのレビューはこちら
https://coffeemecca.jp/coffeeshop/886
4、Fuglen Tokyo
ノルウェーはオスロに本店がある人気のコーヒーショップで、国内では代々木公園に店舗を構えています。駅から若干歩くのですが、休日は国内外問わず多くの人で賑わっています。赤い鳥のマークがシンボルです。
5、SLOW JET COFFEE
2014年に北千住にできたコーヒーショップです。SLOWとJETという一見相反するネーミングが印象的、足立区方面では貴重な存在です。20時以降はバーに変容するようです。
6、TRUNK COFFEE
今回唯一東京以外からの出店。2014年に名古屋にオープンしたロースターカフェです。ペールトーンのマグカップやコーヒー豆のパッケージが可愛らしいです。
7、GLITCH COFFEE & ROASTERS
純喫茶が現役で活躍する神保町に風雲児的にオープンしたコーヒースタンドです。先述のPaul Bassettのチーフバリスタ兼ヘッドロースターだった鈴木清和氏が2014年に立ち上げ、瞬く間に神保町に新しいコーヒーカルチャーの風を吹かせています。
今回のイベントがGLITCHの近くで開催だったこともあり、店舗にも沢山の人が訪れていました。
コーヒーショップ以外の出店
コーヒーショップ以外のお店も個性豊かでした。
FACTORY
九段下は靖国神社の向かいにある自家製パンの工場(ファクトリー)です。天然酵母や国産小麦を使用し、パンの種類も豊富です。GLITCH COFFEE & ROASTERSにもフードを提供としており、シナモンロールとGLITCHのコーヒーの相性は抜群です。
BOOK TRUCK
青いトラックに500冊ほどの本を積み、公園やイベントにあらわれる移動式本屋です。オーナーの三田修平氏は馬喰町にあるカフェ「イズマイ」のブックスペースの監修もしています。
イズマイのレビューはこちら:https://coffeemecca.jp/coffeeshop/127
festina lente(フェスティーナ・レンテ)
イベント会場の正面にスペースを構えていました。店名はラテン語の格言で「ゆっくり急げ」という意味だそうです。(なんとなくSLOW JET COFFEEを連想させます。)
アンティークぽい雑貨や文具などを販売していました。
KISSACO(キッサコ)
コーヒーの麻袋を使ったトートバッグを販売していました。一点ずつハンドメイドで作られているそうです。持ち手がカラフルなものからレザーで出来ているものもあり、それぞれに違った個性が見受けられました。
最後に
この日は神田カレーグランプリ、神保町ブックフェスティバル、TRANS ARTS TOKYO2015が開催されており、いつになく神田・神保町の賑わい、熱量を感じました。
少し覗いてみましたので、簡単に紹介します。
神田カレーグランプリ
今年で5回目、300店以上のカレー店が立ち並ぶ神田・神保町を象徴するイベントです。グランプリ本選には20店がエントリー。食べ比べが出来るように、400円ほどで少量を注文できるのも特徴です。
神保町ブックフェスティバル
大型書店から古書店、出版社が軒を連ねる神保町は「本の街」でもあります。カレーを食べた後に本を片手に喫茶店でコーヒーを飲む、これが神保町の王道の愉しみ方です。神保町ブックフェスティバルは今回でなんと25回目です。
TRANS ARTS TOKYO2015
前記の2つのイベントは事前に知っていたのですが、こちらは開催されているのを知らず、歩いていてたまたま立ち寄りました。
2012年から数えて今年で4回目、旧東京電機大学跡地を利用したワークショップ、アートイベント、ビール祭りなど、10月9日から11月3日まで開催されています。