ディープな路地が犇く街で若者にも愛されるレトロ喫茶
三軒茶屋は、駅から様々な方向に伸びる全ての道に店が犇き合い、大通りにはチェーン店が、細い路地には古い建物を上手く活用した歴史ある佇まいの店がそれぞれに活躍している。
三角地帯と呼ばれるエリアを中心にディープな雰囲気の呑み屋街が有名で、テレビや雑誌でよく紹介されているが、カフェやレストランも数多くある。
今回紹介したいのは、三軒茶屋特有のディープさを持った老舗の喫茶店だ。
見るからにレトロで昭和の雰囲気たっぷりの外観。茶色と緑のシックな色合いと、ケースの中から覗く食品サンプルの古めかしさがたまらない。
入口には、手書きのボードや営業中のサインなど、色々なものが置かれていて賑やか。
店内に入ると、期待通りの渋いインテリアがあちこちに見つかる。天井は木がむき出しになっていて小屋の様。
照明カバーが手縫いだったり、窓枠に断熱材がガムテープでくっつけてあったり、所々に手作り感がある。
コーヒーだけでなく、オムライスやピラフなどの食事メニューも人気で、特に男性客のリピーターが目立つ。1階は全席喫煙可能なので、煙草とコーヒーと共に、自分の時間を満喫するにはぴったりの場所だ。
少し酸味のあるバランスの良いブレンドコーヒーは、重過ぎないから飲みやすい。シンプルな味なので、2〜3杯飲みたい人には丁度良いと思う。
開業52周年記念でおかわり1杯無料との事。以前訪れた時もやっていた気がする。来年もやっていたら、素敵。
熱々に温められたサイフォンを席まで持ってきて、カップに注いでくれる。
ここにまだ来た事が無い頃、自転車を店の前に停めて入って行く年配の男性客を見て、きっと高齢の常連客ばかりが通う小さな喫茶店なんだろうと思った。
しかし、入ってみると店内は奥に向かって開けていて十分に広く、そしていつ来ても、店員も客も20〜40代が多く、少しも寂れた感じがしない。若くて清楚な女性店員が多いので、古い喫茶店に抵抗がある人にもお勧めだ。
喫茶店は、ファーストフードのチェーン店と違い、入りにくいという印象を持っている人もいるだろうが、長年愛されている店はそれだけたくさんの人に指示されているわけで、実は快適な空間である事が多い。
目当ての喫茶店に行く事を口実に、その街を散策してみるのも喫茶店巡りの楽しみだ。
店の佇まいに関係無く、どんな世代にも受け入れられてファンを増やしているこの店の様に、50年、100年と受け継がれていく喫茶店が、この先も私達喫茶店好きを楽しませてくれるよう願う。
喫茶セブン 店舗情報
住所:東京都世田谷区三軒茶屋1-32-13
移動時間:東急田園都市線三軒茶屋駅南B出口徒歩2分
営業時間:11:00~21:00 2階禁煙室は12:00〜16:00
定休日:年中無休(ランチは火曜休み)
wifi:なし
電源:なし
喫煙:分煙
HP:なし